- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480430366
感想・レビュー・書評
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いちいち、微に入り細に入り。
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表題作では、現代家族の歪さをマジックリアリズムで描いている。その手法は効果的であると思ったが、テーマ自体は良くあるもの以上の感想を抱けなかった。
ただし、文章力、表現力は特筆すべきものがある。これ以降の作品も読んでみたいと思う作家だった -
日常的な事象をミクロに描くなど、実験的なこだわりは分かるものの、それだけで読ませるまでには至っておらず、もう一度読みたいと思わせる強度はない。だったら、ピンチョンやルーセルを読んでいる方がいい。
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家族を決して理想化させないリアリティーある描写のはずなのにとても怖かった。血が繋がっていようとも、家族は自分とは違う“他人”なのだと思う。滑稽なのだけど底の知れない不気味さがあって読んでいる間ずっと不穏な気持ちになった。面白かった!
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やい、課長。やい、課長と、突然兄が言い出したり、父の耳元からうんこのようなものが出たり。「ひたすら日常の、ひきこもり小説風の描写」からその奇妙な展開になる方法で作品を書いている。日常がだんだんと歪んでいく。異様な感覚、変化をうまく描写しているのだけれども、その不気味さがとてもポップで良いと思った。
私の母も、この小説のように、私を監視しているのだろうか。ひたすら母を「家の監視者」として書き切っている。窓、玄関、カーテン、家を出る理由、すべて母のチェックを気にしなければならない息子をずーっと描いている。
感想を言おうにも、「家族」というのを、一切外を書かずに、閉じきったまま書いているので、言いにくい。母親が水をムダに買ってくるところとか、次男が自動車保険の書類に目を通しているときの親とのやりとりとか、とにかく「あるある」が、いかにすっからかんで空虚か、すっかすかということを濃厚に書いている。そのすっかすかの濃厚を楽しめる人は楽しめるが、私にとっては、これがあまりにも当たり前すぎて、いや、そのままやん! というので、共感どころではなかったのであります。 -
こんな日常的なことが小説になるなんて…。と思いつつ、もうちょっとと刺激を求めている自分を発見。
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この世にそっくりな、どこかの話。
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現代を活写する全く新しい家族小説(文学部:4年生)