神国日本のトンデモ決戦生活 (ちくま文庫 は 43-1)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 145
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480431318

感想・レビュー・書評

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  • 棚前平積みラス1だったのを見つけジャケ買い。

    戦中・戦後の市井の人々の暮らしをつぶさに知る事が出来る文庫版資料集のつもりでいたが、思っていたのとは少々違った。

    確かに写真図版は豊富に思えるが、それら一枚一枚に寄せられた筆者の解説が大変に偏ったものであり、茶化すような小馬鹿にしたような姿勢の文章は読んで参考になるものではないと感じた。

    また、例えば国民服のくだりひとつとっても「わがご先祖様たちはすんなり受け入れたのであろうか。」(p177)とまとめているが、私がこの本に期待したのはまさにそういった部分であって、取材なり資料から’当時の人達は実はこうこうこういう風に考えていた’という事を読めると思いきや、’こんな変な記事あったんですけどwww’くらいのノリの感想文ばかりで読み甲斐がなかった。


    1刷
    2021.4.21

  • 戦時国粋主義をなにがなんでも馬鹿にしたい、という内容。それは馬鹿にして当然のものだけども、あまりに著者の色を出しすぎている上に文章も下品で、イデオロギーを措いといても不快。資料文献の引用だけでもう十分に馬鹿馬鹿しいのに。
    著者紹介くらい読んでから買うべきだった。

  • 3年くらい前にネタで買ったけどどんどん笑えなくなってる。読むのきつい。

  • 特にインパクトの強い大日本帝国戦時下のプロバガンダ集。タイトルからしてそれを揶揄する内容だが、取捨選択された史料の中身自体が(現代のセンスからして)充分可笑しいので、殊更に笑わせるよう書き方にせずとも良かった。とはいえ煽動・強制に尽くすメディアの文句からは、時代の空気が伝わってき、我々にはもはやブラックを通り越してジョークの世界に感じられる。当時はこんなものでも自然に受け入れられてたのか、あるいは心中では嫌悪されてたのか、それを語る世代がもうすぐいなくなることは重い意味を持つだろう。また上から人々の生活慣習や考え方を一々指導干渉する鬱陶しさや、それに従順に従う国民性などは、方向が変わっただけで戦後も引き継がれた面があり、今も古い体質の会社や学校、官庁に息づいてなくはない。それらを含めて、現在の我々も後世から笑われる要素をリアルタイムで演じ続けているかもしれず、その点自戒を込めて読まねばならない一冊ではある。

  • タイトルや文章におふざけの気配を漂わせているけど、内容はガチ。こういう歴史を知ることは本当に大切だと思う。

  • 単行本刊行時に一度読んでいたので、再読。

  • 戦時中の雑誌や書籍で繰り広げられた言説をトンデモ本的に茶化しながら紹介している。これらが当時どのくらい真剣に信じられていたのかはともかくとして、このようなものが出回っていた事実が興味深い。

  • 読後感はあまりよろしくない。

  • 現在の尺度でもって当時の状況を非難したり嗤ったりするというのは、ちょっと違うのではないだろうか。
    当時の出版物等、史料的価値がありそうなものを多数取り上げながら、肝心の史料批判をしていないので、それぞれの重要度合いや影響度合いが読者にはわからない。
    書籍のタイトルにもあるように、「と学会」的アプローチをしているのだが、これはちょっともったいないと思うのだ。いつか来た道をまた行かないようにするためにも、歴史学的アプローチをして欲しかった。

  • 単行本で既読。

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著者プロフィール

1974年生まれ。フィルム製版工などを経て、現在は編集者として勤務。著書に『「日本スゴイ」のディストピア』『「愛国」の技法』(ともに青弓社)、『神国日本のトンデモ決戦生活』(筑摩書房)、『原発ユートピア日本』(合同出版)など。

「2018年 『まぼろしの「日本的家族」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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