増補版 ドキュメント死刑囚 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480433190

感想・レビュー・書評

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  • 世間に大きな衝撃を与えた事件の死刑囚たちと交流したジャーナリストによるルポ。幼女連続殺害事件、奈良女児殺害事件、附属池田小事件、土浦無差別殺傷事件、和歌山毒入りカレー事件の5つがそれぞれ取り上げられている。死刑囚みずからの口から、あるいは手紙によって語られた事件の動機や背景、逮捕後の心境などを紹介していきながら、彼らがいかにして犯罪を犯すに至ったのか、その犯罪を自らの内でどのように整理しているのかを考察していく。

    そうして考察した結果として、何か提案や結論を示しているわけではない。とはいえ、それでも数多くの問題提起がなされており、それを読み手それぞれが犯罪の原因や犯罪防止、刑罰のありかたなどを考える非常によいきっかけにはなると思う。
    特に、附属池田小事件、土浦無差別殺傷事件の犯人は死刑となることを自ら望んで犯行に及んだわけで、彼らの希望通りに死刑を執行することの意味、さらに戻ってそもそも人に刑罰を与えることとはいかなる行為なのかといったことはなかなか難しい問いであると思う。
    また、カレー事件を除けばすべて死刑が執行されており、もう彼らから新たな証言を取ることはできないわけで、資料的な意味でも重要な本ではあると思う。

  • 2015.12.17
    死刑囚側の視点で書かれたドキュメンタリー。
    彼らの共通点は、幼少期親に虐待をされたことで精神的におかしくなった点。子供へはなるだけ愛情を注いであげよう。

    死刑を望んだ者に死刑を宣告することは、罰になるのか?厳罰化が犯罪抑止になるのか?ということを考えさせられる。

    終身刑の導入もありかな?コスト的に厳しいのかな?

  • ふむ

  • Kindle

  • 死刑判決を受け、死と向き合う死刑囚の姿を描いたドキュメント。死刑制度の是非という難しい問題とともに深く考えされる内容だった。

    幼女連続殺害事件の宮﨑勤、奈良女児殺害事件の小林薫、附属池田小事件の宅間守、土浦無差別殺傷事件の金山真大、和歌山カレー事件の林眞須美の5人の死刑囚との接見や書簡を通じて、その素顔に迫る。特に宮﨑勤、小林薫、宅間守といった反社会性人格障害者の素顔は不気味である。

    こうした殺人犯に愛児や肉親を殺害された親や親族の気持ちを思うと、何ともやり切れない。

    2008年にちくま新書から出版された同名タイトルの作品を大幅加筆し、新たな章を加えた増補版。

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