断髪女中 (ちくま文庫)

著者 :
制作 : 山崎まどか 
  • 筑摩書房
3.63
  • (7)
  • (2)
  • (7)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 177
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480435064

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ちょっと素敵な先進女性が「シャンなモガ」(いずれも 1960年には死語化)と呼ばれていた時代のお話。現在とは比べものにならないほどジェンダーロールが明確だった時代にあって、しかし現代と比べて何ら遜色のない「新しい」女性像をコミカルに描く短篇集。いかにも締め切りに終われて書いた文芸誌小説といった印象で、獅子文六の醍醐味はやはり長編だなぁ。

  • とても良かった。
    辛い日々に、背中を押してくれた感謝の一冊。
    獅子文六を初めて読みましたが、この本は女性がテーマになっていて、若い女性は強く、そしてお婆ちゃんは非常に乙女で可愛い。
    女中は志願するものであるのかな?
    今や、妻や娘を女中扱いする馬鹿旦那が山程増加する世の中、まあ読んでくれと言っても読まないか。
    女中とは何者か?
    自分を磨く為のご奉公であり、また他者とのコミュニケーションを楽しむお仕事である。
    この本に出てくる男性は、非常にボケ倒していて、どうもユーモアを漢字にすると幽黙らしいが、黙っていられる訳もなく、笑いっぱなしで、非常にリラックスが出来た読書になった。
    積んであるモダンボーイ編が楽しみ。

  • 小難しいことは考えないで頭カラッポにして読んだ愉快な作品ばかり。オーラスの余韻が心地よい。低い屋根と広い空。私が求めている風景だ。

  • 獅子文六さんの「女性」が活躍する作品にスポットを当てた短篇集。完全に昭和なんだけどなんとなくちょっとモダンで逆に新鮮。生き生きした女の人たち。

  • 0061 2018/09/14読了
    最初の「断髪女中」の衝撃…。現代の女性としてもかっこいい。
    おいらん女中もかっこいいな。
    でも仁術医者のワカコさんや、胡瓜夫人の万里子さんはなんかかわいい。
    明治から昭和の女性の生活を知れるのは面白い。
    モダンボーイ編よりもモダンガール編のほうが好きだな。

  • 獅子文六さんが好きで、新刊を楽しみにしてました!でも個人的には短編集はう〜ん…でしたf^_^;出てくるキャラはみんな魅力的なんですが、感情移入する前に終わってしまうというか。でも全然古さを感じさせないのはすごい!たまにわからない漢字がありますが、全然現代でも通じるので楽しいです☆他の作品も買ってあるので読みます!編集後記すら楽しい本でした。

  • 短編なので読みやすい。

  • どの作品も明治から戦後昭和くらいの雰囲気を感じるのに、内容はとっても新しい印象を受ける。不思議な面白さでした。編者があとがきで「未来の古典」と表現していた点、まさに!と唸ってしまった。

  • もっと、注目されるべき作家だと思う。

  • 「家事は女の仕事」が常識だった昭和という時代に、腐らずやさぐれずへこたれず、そして、軽やかにチャーミングに、女中という仕事で身を立てた女の子達が主人公の短編集。

    女の子であるというだけで息をするのも難しく感じることもあるこの現代。昭和の荒波をちょっとした知恵で生き抜いた女の子達が、私に大きな力を送ってくれた。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1893─1969年。横浜生まれ。小説家・劇作家・演出家。本名・岩田豊雄。慶應義塾大学文科予科中退。フランスで演劇理論を学び日本の演劇振興に尽力、岸田國士、久保田万太郎らと文学座を結成した。一方、庶民生活の日常をとらえウィットとユーモアに富んだ小説は人気を博し、昭和を代表する作家となる。『コーヒーと恋愛』『てんやわんや』『娘と私』『七時間半』『悦ちゃん』『自由学校』(以上、ちくま文庫)。『娘と私』はNHK連続テレビ小説の1作目となった。『ちんちん電車』『食味歳時記』などエッセイも多く残した。日本芸術院賞受賞、文化勲章受章。


「2017年 『バナナ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

獅子文六の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×