落語家のもの覚え (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 40
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480436511

作品紹介・あらすじ

個性の凄い師匠の下での爆笑修業話から始まりネタを含めた物事の記憶法、忘れない方法を面白く説く。意外な視点から実生活にも役立つヒントが満載。

感想・レビュー・書評

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  • 落語をやりだしたので、なにか参考になることがあるのではないかと、初心に戻ってと思い読み返す。手元にはなかったのですが、読み進めるとやはり読んだ気がする。

    気になったとこと言えば、“八人芸”はダメだと。八人芸とは登場人物を描き分ける時、必要以上に声色を変えること。女や子供の声を高く張り、大家や隠居の声を喉を絞って低くするというようなことで、当人は人物になりきっているつもりでも、それは表面的ななりきり方で、目さわりで耳ざわりでうるさい、と。
    それと、年を重ねると技術と実年齢が伴い、ご隠居さんや大家さんが上手に演じることができると、両者が見事にかみ合い、不自然さが消えると、これを“体ができてくる”と落語界ではいうらしい。これはこの老人にはもってこい、でも逆に丁稚や若造に不自然さがでるのではないかと心配されますな。
    ケイコをすることを東京の落語家さんは“ネタをさらう”と言い、関西の落語家さんでは“ネタクリ”と言う。やはり、ネタを繰り返す“ネタクリ”やはり大事ですな、100回すればなんとか腹に入るようですが、こわいですがやはり人前でやるのが一番ですな。

    なかなか覚えられないが、いったん覚えると忘れないもの、不器用でも積み重ねることにより、ある水準には達することができると、信じて“ネタクリ”を今日も行います。

    記憶術、記憶のコツは、「集中して反復」せよとのこと。

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著者プロフィール

1951年、群馬県生まれ。1970年、立川談志に入門。1990年「シャレのち曇り」(文藝春秋 現PHP文庫)で作家としてもデビュー。以来、本業の落語会で全国を飛び回りつつ、多くの小説、エッセイ、書評等を執筆。主な著書に『談志が死んだ』(新潮社)『声に出して笑える日本語』(光文社文庫)『いつも心に立川談志』(講談社)『落語家のもの覚え』(ちくま文庫)等がある。

「2022年 『文字助のはなし 立川談志を困らせた男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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