日常の淵 現代マンガ選集 (ちくま文庫)

制作 : ササキバラ ゴウ 
  • 筑摩書房
3.28
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本棚登録 : 105
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480436733

作品紹介・あらすじ

日常、家族、身辺。世界を新たな「低い目線」から捉える。楠勝平/つげ義春/永島慎二/近藤ようこ/高野文子/つげ忠男/水木しげる/鈴木翁二ほか

感想・レビュー・書評

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  • 「日常」をテーマに70年代以降の漫画のセレクション

    70年代はガロからが目立つ。
    やはり、つげ義春「チーコ」の出来は際立っている。

    また、ニューウェイブと言われた、やまだ紫、近藤ようこ、高野文子のクールでオシャレながらなにかとがったイガイガを感じる雰囲気も改めてこうやって読んでみるとすごい。

    安達哲の「バカ姉弟」を日常として選出しているのが漫画の良いところを際立たせているようで、素晴らしいと思いました。
    「バカ姉弟」はありそうでなさそうな、子ども2人暮らしのフィクションが日常的に展開されているような、とても創造的なお話なんだなと、改めて認識させられるという点で。

  • ササキバラ・ゴウ『日常の淵 現代マンガ選集』ちくま文庫。

    全8巻の第3巻。第3巻のテーマは『日常』である。平穏な日常、普通の日常、日常の中の異常、壊れていく日常。15人の漫画家が描いた様々な『日常』。ガロ系の漫画が多いが、各々の漫画家の個性あふれる画風が面白い。

    楠勝平の『暮六ツ』は見易い絵が特徴。滝田ゆうの『寺島町奇譚』は独特の画風の有名な傑作。つげ義春の『チーコ』はあの『ねじ式』のような奇怪な画風になる前の綺麗で整った絵で描かれている。水木しげるの『昭和百四十一年』は既に完成された画風で描かれたSF漫画。

    収録作品は、楠勝平『暮六ツ』、滝田ゆう『寺島町奇譚』、つげ義春『チーコ』、永島慎二『仮面』、つげ忠男『或る風景』、鈴木翁二『東京グッドバイ』、安部慎一『やさしい人』、水木しげる『昭和百四十一年』、つりたくにこ『僕の妻はアクロバットをやっている』、やまだ紫『性悪猫』、近藤ようこ『ものろおぐ』、高野文子『午前10:00の家鴨』、池辺葵『ねえ、ママ』、安達哲『バカ姉弟』、いましろたかし『盆堀さん』。

    本体価格800円
    ★★★★

  • 好き嫌いが分かれるかも。

  • ガロからいましろたかしまで。バカ姉弟の姉はなんであんなにエイリアンみたいなんだろう。

  • ガロ系が多い。哲学的だったり不条理、独りよがり。
    メージャーでの活躍は無理だっただろうなぁ
    という作品がとても多い。

    「現代」漫画選集というより「昭和中期」or「レトロ」漫画選集。

    楠勝平はもう少し読んでみたい。
    遺作集があるが、限定出版のようでイイお値段。

    楠勝平「暮六ツ」/滝田ゆう「寺島町奇譚」/つげ義春「チーコ」/永島慎二「仮面」/つげ忠男「或る風景」/鈴木翁二「東京グッドバイ」/安部慎一「やさしい人」/水木しげる「昭和百四十一年」/つりたくにこ「僕の妻はアクロバットをやっている」/やまだ紫「性悪猫」/近藤ようこ「ものろおぐ」/高野文子「午前10:00の家鴨」/池辺葵「ねえ、ママ」/安達哲「バカ姉弟」/いましろたかし「盆堀さん」

  • 「ねえ、ママ」(池辺葵)が面白かったかな。

  • ササキバラ・ゴウ編 中条省平総監修

    第1章 日常の淵
    楠勝平「暮六ツ」これぞ劇画のカメラワーク。
    滝田ゆう「寺島町奇譚」★
    つげ義春「チーコ」もちろん抜群。
    永島慎二「仮面」
    つげ忠男「或る風景」ラスト凄み。
    鈴木翁二「東京グッドバイ」★好きだ!
    安部慎一「やさしい人」★好きだ!
    水木しげる「昭和百四十一年」

    第2章 日常の縁
    つりたくにこ「僕の妻はアクロバットをやっている」★凄み!
    やまだ紫「性悪猫」★かなり好きなほう。
    近藤ようこ「ものろおぐ」★もちろんよい。
    高野文子「午前10:00の家鴨」★やっぱり好きだ!一生モノになる。
    池辺葵「ねえ、ママ」★
    安達哲「バカ姉弟」
    いましろたかし「盆堀さん」なかなかよい。

    シリーズ2作目のギャグはいまひとつだったが、やはりギャグは好きじゃないのだな。
    本作のセレクションはかなりいいし、日常とはいえ、日常とアヴァンギャルドの間隙を縫って、凄い作品ばかり。

  • このシリーズはかなりとんがった(ある意味面倒くさい)作品がほとんど。少々私のようなものの手には余るようだ。マンガだからと言ってとっつきやすくはない。

  • このシリーズ気になってはいたがなんだか読むのをためらっていたらそうこうしているうちに3作目が出てしまってそこから読むことにした。日常。日常生活こそ恐ろしく悲しく苦しくつらくそして美しいのであるよ。掲載されている全編、一つとして知っていた作品はなかったけれど、特筆するほど好きなのは池辺葵さんの日常の切り取り方だな。

  • 冒頭作『暮六ツ』、完成度が高い。

    こうしたアンソロジーでなければ目に止まらなかった作品を読むことができて満足している。

    池辺葵『ねぇ、ママ』は、日常生活を描きつつ、ある意味、ありふれたエピソードではあるが、母のドラマをしんみりと感じさせる。

    ガロ系のシュールな作品は好き嫌いが分かれるかもしれない。

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