- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480436849
作品紹介・あらすじ
せちがらい世の中で、ほとんど働かず、楽しく毎日を生き延びる方法。キラキラ自己啓発本とは対極のしわしわ自己完結本。漫画付解説 辛酸なめ子
感想・レビュー・書評
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羨ましき隠居生活。
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大原扁理の〝若年隠居生活エッセイ〟シリーズ(と勝手に名付けてしまうが)を私が読むのも、これで3冊目。
読む順番が逆になってしまったが、本書がいちばん最初に出た本である。
2015年刊『20代で隠居――週休5日の快適生活』の増補文庫版なのだ(当時の著者はまだ20代だったのだね)。
本書を読んでの感想は、前に読んだ2冊(『年収90万円でハッピーライフ』と『なるべく働きたくない人のためのお金の話』)とほぼ同じなので、改めて書くことはあまりない。
ただ、本書は節約生活ハウツー的な部分がやや厚めで、いちばん実用的かもしれない。
あと、3冊共通の感想として、「これは巧まざる哲学書だ」と感じた。
著者には「新たな哲学を打ち立てたい」というような力みは皆無だが、それでも哲学的な深みが随所にある。
たとえば――。
《私の好きな言葉は「ハタチ過ぎたら人生引き算」。
あれもできる、これもやりたい、などと足し算で考えていくと、本当に一番やりたいことがどれなのか、他のものにまぎれてどんどんわからなくなってくること、たまにないですか?
そんなときは、消去法にしてみるといいかもしれません。
今すぐやらなくていいことを、バシバシ引いていって、あとに残ったものからどうしても死ぬ前にやっておきたいことだけをするのです。
(中略)
これは今でも私の行動基準みたいになっていて、やりたくないことはやらないし、付き合いたくない人とは付き合わない》178~179ページ
もちろん、著者のような生き方を万人ができるわけではない。それでも、著者の本を読んで「こういう考え方もあるんだ」と知ることで、生きるのが少しだけ楽になる――そういう効用がある本だ。 -
自分とは年齢も性格も社会とのかかわり方もまったく違う、20代で隠居生活に入った人のエッセイ。デビュー作なので若書き感はあるのだけれど、どの章でも全方位的に力みがない、欲が少ないとはこのように心安らかなものなんだなと感じ入った。
著者は自分の軸がとてもしっかりしていて、一人で決められる、腹が据わった人だ。自分はマイペースな方だと考えていたけれど、周囲/自分の中の人の期待に沿おうとして必死な面があるんだと気づいた。「周囲」を取り除くともっと楽なのかもしれない。外部との接点が減りすぎて、毒な可能性もあるけれど。 -
隠居生活の良さが伝わってこない。自分には合わないかなぁと感じた。
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都心での生活に疲れ果てた今の自分に丁度いい本に出会った。こんな生活が自分にもできたらどんなに心が楽だろうか。しかし月数万円で生活できる自信がやはりないので、難しいだろうな…。人に会うのが苦手なのが異常なのだろうかと思っていたけど、それを堂々とやっている人がいると心強い。
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著者のような隠居生活をしようと思わないけど、普段の生活で節制できるポイントは学べました。モノは必要なものだけ買えばいいという主張には共感しましたね。
また、著書の仕事に対する価値観も好きです。会社は労働者の時間とお金と気力を過度に奪うこともあるので、適度な距離感で付き合っていきたい。 -
20代の隠居・大原扁理さんの生活が垣間見えるエッセイ。大原さんを『フツーに方丈記』で知り、今回が2冊目。お金をかけずに無理せず楽しく生きる知恵(?)本やなと思いました。個人的には「ハタチ過ぎたら人生引き算」というのがよいなと思いました
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自分と異なった人生の価値観や生活を覗き、刺激を受けた。人から見れば、質素な暮らしだけど、このような生活が羨ましくも感じられた。お金や物や人間関係…多ければ幸せかと言われると必ずしもそうではないという事に気付かせてくれた本でした。
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大原さんの本を読み、「隠居」という生き方を、今すぐにするわけではなくても、心に抱いているととても心強くなりました。
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やや生活力のあるちょっと引きこもり的なものか。ひとりで「世界一周プラプラ旅」をできている時点で「やや」ではないかね。20代での隠居生活説明部分はふ~んといったところだが、最後の「隠居あれこれ」に書かれていることは現代社会との関係でいろいろ考えさせられる。