ひきこもりグルメ紀行 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.65
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本棚登録 : 292
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480437020

作品紹介・あらすじ

家から一歩も出ずに全国のご当地グルメを食べ尽くす! 100万円のインプラントを粉砕させながらあらゆる菓子に立ち向かった怒涛の食コラム。

感想・レビュー・書評

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  • ご当地グルメやお菓子についての笑いと共感でいっぱいでした。
    うわぁ~!食べてみたい!ものから、確かにお土産でもらったことある〜!ものまで。ついつい、スマホで画像検索しながら読んでました。
    「カロリーと美味しさは大体比例している」
    「(きな粉いっぱいの)信玄餅をベストな状態で食べるには、屋外で全裸で食べる」
    「山口県の名物、ういろうの土産物屋で、名古屋のういろうの話をするのは、射殺されても文句は言えない」など、ですよね~と言いたくなりました。

    本の中にもありましたが、私は地元が大阪なので、めっちゃ美味しいから551蓬莱の豚まん食べたって〜です。

  •  「ひきこもり」と「紀行」。題名になにやら矛盾する言葉が並んでいる。作者は無職(?)のマンガ家ということだが、生憎私は作品を読んだことがない。その出不精の彼女が、おとりよせで各地の名物を食するという、雑誌に連載されたコラムをまとめたもの。

     47都道府県を網羅しているのだが、さすがに私も見たことも聞いたこともないようなものが結構ある。もちろん食したことがあるものもいくつかある。作者が女性だからかもしれないが、スイーツ系の名物を美味しそうに紹介してる。いくつか食べてみたくなった。

  • 今の世の中にぴったり。
    お取り寄せで各地の有名グルメを食べまくる。

    カレー沢さんの毒にまみれた文章が大好き。
    結構毒付いてるにもかかわらず、
    何故か取り寄せて食べたくなってしまうのは、
    企画として大成功な気がする…。
    これ第二弾もやって欲しいなぁ。

  • メシウマ本が好きです。
    食べてないのに食べたかのような幸せな気分をもたらしてくれます。
    10月末から子供の風邪をもらっては治しを繰り返しており、体調が良いことが少ない昨今なのですが、この本は体力を使うことなく純粋に楽しめるので体調不良の続く方にもおすすめです。(ただし胃袋の強い方限定)
    個人的には「元気になったらこれ食べたいな~」と、風邪が治った後の目標設定ができたという美味しい本となりました。

    カレー沢さんの本は腹筋が痛くなるほどの笑いをもたらしてくれるのが特徴ですが、こちらの書籍も期待を裏切りません。
    地方の名産をここまで語れる人っているのかな。

    私の気になったものは”博多とおりもん”です。
    このお菓子が気になったというよりも、著者の考え方に共感できるフレーズがありました。

    ”好きだからこそ、金で一箱買って食べつくす、などということはしたくない。運命的な出会いをしたいのだ。”(抜粋)

    著者にとっては博多とおりもん”がそれに当たるようですが、私は何かな~?と考えた時に出てきたのは”白い恋人”と”ちんすこう”でした。

    ぶっちゃけ物産展で買えそうなものですが、そこでは買いたくない。誰かのお土産でもらいたいのです。
    (理由はないけど、気づいた時にはそうなっていた。そもそも理由は必要ないと思われる)
    きっと誰にもこのポジションのお菓子ってありますよね??

    もう一つは食べ物そのものに興味がある”旅がらす”というお菓子です。
    私はこの形態のお菓子を初めて見ました!
    著者の挿絵があるのですが、あまりにも興味があったものでググってみたところ、そっくり!!
    思わず読書ノートに印刷して貼ってしまうくらい驚きました。
    簡単にいうと人形型の最中なのですが、その姿、表情が何とも言えないのです!
    (著者の挿絵が本物そっくりすぎ)
    かわいいというか、怖いというか。きもかわいいってこういう時に使う言葉なのかもしれません。
    これをお土産でもらったら、すぐには食べれないです。
    1週間くらい飾っておきたい。笑
    存在自体が罪なヤツなのです。

    この本では私の好きな「ままどおる」は登場がなかったです。ちょっと寂しいね。
    定番すぎるのでしょうか??

  • ⚠︎面白すぎるので、移動時など人目がある場所で読む際は気をつけましょう。

    久しぶりに面白いエッセイに出会えた!
    やや乱暴な言い回しもありつつ、クセになる面白さ。カレー沢薫さん、これから書店で見つけたらきっと買わずにはいられないと思う。

    コロナ前に家から一歩も出ずにお取り寄せしたお菓子について書く、という企画だったそうで、偶然にも時代にマッチした模様。
    お取り寄せしたいお菓子もいくつかあったし、地元のお土産も久しぶりに買って食べたくなった。

  • お取り寄せ「だけ」で各地の名物を食べ尽くそうというカレー沢氏の生態?を活かしたグルメコラム。
    結論はどれも「美味い」となるため毒素は薄めだが、本書でも独特の表現で笑わせてくれる。何も考えずに読めるので、疲れた時におすすめ。
    各地の名物だけあって、ふるさと納税の返礼品になっているものも多い。現在、寄付先を検討中である。

  • "家から出たくないので「おとりよせ」で労せず各地の名産を食ってやろうという、十返舎一九が発狂して膝毛全部を抜いてしまいそうなレベルの動機ではじまった"のが、この「ひきこもりグルメ紀行」だそう。
    ただ家にいるだけで連日のように47都道府県の銘菓や名品が贈られくるなんて夢のような企画すぎる。
    年末に駆け込みのふるさと納税して返礼品を喜んでる場合じゃないわね。
    カレー沢先生の忌憚(忖度あるいは媚び)のない感想が面白くて、何度も声を出して笑った。
    ちなみに私は福島出身だけれども、書かれているまんま玉嶋屋の玉羊羹はおいしいし楽しいよ。他にもおすすめは三万石のままどおると三千里とエキソンパイとくるみ柚餅子。皆さまぜひに。
    他県で食べてみたいなぁと思ったのが以下。

    三重県・赤福
    福井県・羽二重餅
    大阪府・551蓬莱
    埼玉県・できたてポテトチップ
    富山県・月世界
    山形県・のし梅
    長野県・サラバンド
    岐阜県・旅がらす
    青森県・いちご煮
    滋賀県・燕尾ポーク
    佐賀県・ブラックモンブラン
    群馬県・かいこの王国
    和歌山県・デラックスケーキ

    まぁでもこういうご当地名物って、博多通りもんを愛するカレー沢先生もおっしゃるとおりやっぱり誰かからのお土産としてふいに貰えるのが嬉しいのよね。
    でも今や新型コロナの感染拡大で旅行や帰省どころじゃないわけで、お土産なんて配ろうもんなら白い目でみられるご時世になってしまった。
    はやく元に戻るといいな。

  • カレー沢薫が、編集者から自宅に送られてくる各地のご当地グルメ(菓子が多い)を食べて、それについてのコラムを書いていくシリーズである。ゆえに、「ひきこもりグルメ紀行」。

    読んでも何のためにもならない(せいぜいお土産にくわしくなるくらい) 本だが、 そこそこ笑えて楽しめる。

    私は カレー沢薫のコラム分野の著作では、最初の『負ける技術』と続編『もっと負ける技術』がベストだと思う。
    その印象は本書を読んでも変わらない。カレー沢薫のコラム集としては平均点程度の出来だ。

  • カレー沢薫先生の「家から出たくないから、全国の銘菓や名物をお取り寄せして食べて紹介する」というグルメエッセイ。題材選びも担当任せという受け身の企画です。担当から送られてくる名物を食べますが、歯に不安要素がある筆者、随所で歯に関する懸念が書かれています。ついに沖縄菓子を噛んだところで、100万かけたインプラントが粉砕します。(本当かどうかわかりませんが)比喩表現としては豪快で笑いを禁じ得ません。都道府県別の名物1点ごとのコラムで、自分の出身地の名物のエッセイは殊更食いついて読んでしまいました。
    グルメエッセイとしては味の表現より、読んだ漫画の引用や名物にまつわるetcに比重を置いている作りですが、カレー沢先生のモノづくりに対するリスペクトがそこはかとなく溢れていると言って良いでしょう。声を出して笑うエッセイは久しぶりに読みました。

  • 連載中にコロナ禍が始まったので世相を先取りされていたおとりよせエッセイ。面白かった!
    おとりよせでも、担当さんが毎回各地の名産品を送ってきてそれについてのエッセイ。
    カレー沢さんは山口県民だそうなので近い。初回から「通りもん」で地元の銘菓でした。初回もあとがきも通りもんだった、実質2回分。堅パンはよく見るけど硬そうで食べたこと無い。
    「そうそう、ほんと美味しい!!」となったのは、三重・赤福、大阪・551蓬莱、山形・のし梅、神奈川・クルミっ子、鹿児島・軽羹、佐賀・ブラックモンブラン。
    特に軽羹は、出身者からオススメされた明石屋の虚無の方の軽羹だったので!!となりました。生地オンリーのほうが美味しい。
    初めて見て特に食べてみたくなったのは宮崎・なんじゃこら大福。富山・月世界にはずっと憧れている。虫の以外はどれもこれも気になるんですが。
    シリーズ化してほしいエッセイでした。表現が物騒なところも好みで他のエッセイも読もう。
    都民の弟によると、ブラックモンブランは近所のスーパーに置かれ出したらしい。瞬殺だそうです。

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著者プロフィール

時は2009年。モーニング(講談社)主催の漫画新人賞「MANGAOPEN」に本名・無題で応募し落選した作品が、カレー沢薫『クレムリン』(ともに本人命名 講談社)に変容を遂げ、月刊モーニング・ツー(講談社)でほぼ即連載となり、漫画家デビューを果たす。ほどなくコラム『負ける技術』(講談社)も連載となり、コラムニストとしてもデビューを果たす。以来、雑誌やウェブに連載超多数、本数未詳の大車輪で体力を使い果たす。最長不倒連載作品は開始以来すでに10年を超えた東京都写真美術館広報誌別冊「ニァイズ」。なお、本作『ひとりでしにたい』はコミックDAYS(講談社)にて、隔週日曜正午の更新時刻に「いいね!」数が爆増しTwitterのタイムラインが歓喜で満ちる好評連載中。第24回(2020年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。なので図書館とか一家に一冊とかそんな感じで置いていいお墨付きもありますよ。安心してお読みください!

「2023年 『ひとりでしにたい(6)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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