世界の果てまで連れてって! … (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480437990

作品紹介・あらすじ

第二次大戦後パリの狂気、突然の事件、精力絶倫の老女優テレーズの「とてつもない」生……。横溢する言葉の力に圧倒される、伝説の怪作。解説 野崎歓

感想・レビュー・書評

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  • ◇モダニズム詩人サンドラールの小説

  • 「伝説的怪作」という文言、表紙、そして謎めいたタイトルに惹かれて買ってみた本は、確かに「怪作」だった。個人的には、品のない舞台設定や描写がどうも嫌で、途中でやめたかったほど。全く面白くなかったわ。本当に!

    60年代くらいから西欧を中心に性の解放が起きたと思うけど、この本は56年に書かれている。タイムリーだったのかもね。一般的に美しい容姿とは言われないほどヨボヨボになった79歳の老母(醜い)を現役の大人気女優(華やかな)というパラドックス的な設定をベースに、「破天荒」な彼女が訴える「常識」とは?

    性の政治学とかまたちゃんとやりたいなぁとか思った。バトラーはもう読みたくないです…

  • 自己中に凝り固まった、我が儘でひたすら傍迷惑な婆さんが大暴れする話と思ってると、案外そうでもない。何せ、登場人物が一人残らず、彼女に匹敵する自己中の、傍迷惑野郎ぞろいだからだ。基本、モデルのある小説らしいが、なるほどパリの演劇界なんてものは一生近づかないことにしよう。元より縁もないが。
    内容については一つだけ。終盤近く、かなり重要そうな人物が、テレーズも含めた友人たちみんなに見捨てられ、「自殺した」の一語で片づけられて、あっさり退場する。サンドラールと同じスイス出身とついでのように触れられる、この人物への扱いは気にとめておいてもいいかも知れない。

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著者プロフィール

ブレーズ・サンドラール…1887‐1961年。スイスに生まれる。幼少時から、イタリア、ロシア、ドイツなどを転々とし、パリに落ち着く。創作活動の傍らシャガール、レジェ、モディリアニなどの画家たちと交流し、1912年に発表した長篇詩『ニューヨークの復活祭』は、アポリネールにも影響を与えたとされる。第一次世界大戦ではフランスの外人部隊で従軍するが、戦闘中に重傷を負い、右腕を失う。1916年フランス国籍を取得、1919年に第一詩集『全世界』を発表。邦訳が出ている作品に『黄金』(白水社)、『モラヴァジーヌの冒険』(河出書房新社)、『パリ東西南北』(月曜社)などがある。

「2022年 『世界の果てまで連れてって!…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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