- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480438324
作品紹介・あらすじ
ぼくは「日本人」じゃない? 生涯「混血児」を救い続けた文学者の青く切ない自伝小説。今こそ読みたい名著復刊! 解説 平野レミ、下地ローレンス吉孝
感想・レビュー・書評
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日本が歩んできた道をあまりにも知らないまま歳を取ってしまったが、今からでも決して遅くないと信じて、このような本をがしがし読んでいきたい。
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平野レミさんのお父様のお話です。
レミさんの番組を見て、興味を持ち読みました。
ハーフであるゆえ、「あいのこ」と呼ばれ、いじめられた生い立ち。でも、愛情深く育てられたのと、持ち前の強さとユーモアで生き抜いた。そして、戦後は、混血児達の母親と子供達のために奔走しました。多様性と呼ばれる今でも、無くならない差別、今こそみんなに読んでもらいたい本でした。 -
どんなキッチンでもすぐ作れそうなレミさんの料理。著者は仏文学者でもあるレミさんの父。差別や多様性について考えるきっかけとなる一冊です。ファン必読。
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料理愛好家として著名な平野レミ氏の父親の自伝的なエッセイ。
1970年代に書かれた作品の新版である。
明治時代にアメリカ人の父と日本人の母との間に生まれた著者は、ハーフとして今では想像もできないような差別や偏見の中で成長してきた。その当事者としての思いと、またその経験ゆえに、戦後日本で生まれたハーフたちの窮状を救う手助けをしたこと等を描いている。
今の日本では当時ほどではないであろうが、それでも肌の色の違いや見た目の違いで表立った偏見や差別はなくとも、現代では逆にSNSなどで陰で色々言われるということがあるようだ。多様性が大きく言われる世の中である。当時の日本の姿を知り、現代の私たちを省みることも必要だろう。
作品自体は少し古いが、そこに描かれる著者の苦悩は、現代でも同じような立場の人たちが感じる苦悩なのではないか。 -
待望の復刊!
平野レミさんの父上の「混血児」としての生い立ちは「ハーフ」「ミックス」など呼び名は変わっても複雑な状況に立つ「日本人」の裾野の広がりを考える上で読むべき一冊。解説はレミさん、カバー装画はレミさんの夫の和田誠で、新版には新たに下地ローレンス吉孝の解説もついた。