高峰秀子ベスト・エッセイ (ちくま文庫 た-74-3)

著者 :
制作 : 斎藤 明美 
  • 筑摩書房
4.31
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本棚登録 : 106
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480438409

作品紹介・あらすじ

複雑な家庭事情に翻弄され、芸能界で波瀾の人生を歩んだ大女優・高峰秀子。切れるような感性と洞察力で本質を衝いた、おそるべきエッセイを精選。

感想・レビュー・書評

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  • 毎夜少しずつ読む。
    書店で冒頭の出生から養子に出されるまでの話を読み。気になって二度目の来店で購入。
    たまたま映画の撮影現場を見学している最中に、オーディションの列に並んでいて選ばれてしまい子役デビューする。
    親達は稼ぎがないため、子役として一家の大黒柱を務め、俳優か学業かの選択を迫られヤケクソ気味に俳優業をとる。

    文字か読めず、独学で読む方法や「考えること」を鍛えていった。
    人の好意や愛情を自分からは決して求めないのに、頂いたモノは何度も思い出して大切にする姿勢、自身への厳しさが見える。

    出生から子役、役者としての人生を読み少ない抜粋された文章を読み「こんな人です」とここで書いてしまうのも「野暮な人」と言われてしまいそう。
    ちゃんとしなくては…と思いました。

  •  高峰秀子の文章を初めて読んだのは、文庫版『わたしの渡世日記』だった。彼女の映画出演作を何本か見たことがあって、こんな本も書いているのかと思って読んだ記憶がある。
     子役としてのデビューに至る経緯や養母との愛憎渦巻く関係、学校にもほとんど行けなかったことなどには驚かされたし、女優として幼い頃から一家の稼ぎ頭であったことから来る生意気さやガンコさを、これでもかと明かしているところに興味を持った。
     本書でも、『私の渡世日記』から何編か文章が引かれているが、飾り気はないが凛とした良い文章だと思う。

     改めてこうしてまとめられた文章を通読して、自らを律するに厳しい人だったのだなあと思う一方、松山善三氏という良き伴侶に恵まれて、本当に良かった。

  • 以前、アンソロジーで読んだ記憶があるが、まるまる一冊は初めてだと思う。  
    さっぱりとしていて、カッコいい。

  •  戦時中、慰問袋に高峰秀子さんのブロマイドが。「日本国 高峰秀子」宛で、前線の兵士から何千通もの手紙(遺書)が。受け取った時の複雑な心境を吐露されています。斎藤明美編「高峰峰子(1924~2010)ベストエッセイ」、2022.10発行。とても読みやすいエッセイです。5歳から映画界に。学歴はなく、小学校には6年間のうち延べ1ヶ月も通えなかった。絵本を見ながら字を覚えた。わずかな時間でも本を読んだ。昭和30年3月1つ下の松山善三と結婚、国語辞典を引くことを知った。黙って人を想いながら生きた86年!

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著者プロフィール

高峰 秀子(たかみね・ひでこ):女優、随筆家。1924年北海道生れ。5歳のとき映画『母』で子役デビュー。以後、『二十四の瞳』『浮雲』『名もなく貧しく美しく』など300本を超える作品に出演。キネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール女優主演賞ほか、受賞数は日本映画界最多。55歳で引退。名随筆家としても知られ、『わたしの渡世日記』(上・下、新潮文庫)で第24回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2010年12月28日死去。享年86歳。

「2024年 『高峰秀子 夫婦の流儀 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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