日本人宇宙飛行士 (ちくま文庫 い-100-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 81
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480438744

作品紹介・あらすじ

宇宙にいくことで、人はどう変わるのか? そこでしか得れないものとは何か? 12人の証言をもとにした未体験ノンフィクション。

宇宙体験でしか
得られないものとは?
12人の証言からみえる未知の世界

【内容紹介】
90分で地球を一周する宇宙ステーション、そこから見える光景に、なにを感じ取るだろうか。船外活動の際、何物にも遮られることのない宇宙にいるとは、どのような体験なのだろうか。民間人も宇宙にいけるいま、SFなどで語られてきた出来事はより現実的なものになりつつある。日本人宇宙飛行士12人へのインタビューをもとにして宇宙にいくことの意味を掘り下げていく。
解説 伊藤亜紗

感想・レビュー・書評

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  • 興味があって図書館の予約かごに長らく入っていた「宇宙から帰ってきた日本人―日本人宇宙飛行士全12人の証言」(文藝春秋)が改題して文庫に入ったのでさっそく入手。文庫あとがき(文庫化までの三年間の宇宙滞在記録や二月末にあらたに宇宙飛行士に選ばれた米田あゆと諏訪理についての言及あり)と解説(伊藤亜紗)がついた。

    1990年に期せずして日本人初となった秋山豊寛以来12人の日本人が宇宙に行って帰ってきた。宇宙が夢のような特別な体験から望めば普通の人でも手が届きそうな身近な世界へなろうとしているこの三十年、それぞれの宇宙体験やそこで抱いた思いは時代や個人のバックグラウンドによってさまざまで、どの人の話もきわめて興味深い。地球は思ったより大きいのか小さいのか、それひとつとっても、その人の来歴によってまったく違った答えになる。そして自分だけの体験を言語化するというのはなかなかもどかしく難しいことだということも印象に残った。
    宇宙から彼らがみた地球の姿の描写やミクロとマクロの世界の相似性は、私にとっては宮沢賢治の「貝の火」や手塚治虫「火の鳥」を思い出させるものだったので、(今はまだ限られたスペシャリストにしか門戸が開かれていないが)文学者や漫画家のような人が実際に宇宙へいったらどう表現するのだろいうのはたしかに興味をひかれる。
    今年になってロシアがISSから近いうちに撤退するというニュースが流れてきたが、できることなら、宇宙は国境を超えた協力が可能な場であってほしい(とはいえ、中国やインドは参加希望が叶わずそれぞれ独自の宇宙ステーションを建設中という)。

    改めて以前読んだ「宇宙飛行士選抜試験」(光文社新書)や金井さんが読んで宇宙飛行士を志すきっかけになったという「中年ドクター宇宙飛行士選抜試験奮闘記」、そしてこの種の本の元祖、立花隆「宇宙からの帰還」を読みたくなった。

  • .
    僕には体験する機会はないであろう宇宙滞在。体験した人たちは、いったいどんなことを、感じて、考えて、他の人に語るのだろう。体験した人にしか語れない言葉に感動したい

    #日本人宇宙飛行士
    #稲泉連
    23/4/12出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3Kw3W7P

  • 13年ぶりに日本人宇宙飛行士(候補)が生まれたという良いタイミングで出会えた本。
    第一世代の毛利さん、向井さん、土井さんたちは
    自分より少し年上で、前回選ばれた油井さん、大西さん、金井さんは、少し年下。それぞれの世代で宇宙観に違いがあったのが面白かった。
    立花隆の「宇宙からの帰還」、久しぶりに読み返してみようかな。

  • 宇宙に行くことが昔に比べて、それほど特別なことではなくなってきていることに気付かされた。宇宙飛行士がみんな宇宙に憧れてなったわけではないことも驚きだった。立花隆さんの「宇宙からの帰還」の時から大きく時代は変わっている。現代の宇宙飛行士が宇宙でどう感じたのか、何を考えたのか興味深かった。「宇宙からの帰還」を読み直してみたいと思った。

  • 昔から宇宙に興味があった私にとって実際に宇宙に行った人がどのような感想を持ったのか興味があった。
    宇宙は出張だと言ったドライな感想から、地球が語りかけているように感じた、というその後の人生に大きく影響を与えた感想まで、時代の流れや、船外活動の有無によって、その感じ方は様々だった。その中で多くの宇宙飛行士が抱いた感想が地球に対する儚さ、地球が故郷だという実感だった。それは宇宙から地球を見たものでしか得られない感覚なのだという。宇宙旅行が現実になろうとしている昨今、私も宇宙に行ってみたいと思わせる一冊。また、日本人宇宙飛行士は地球低軌道という地球を間近に感じる宇宙へ行ったのに対し、宇宙開発当初のアポロ計画などでは月まで行った宇宙飛行士がいる。その人達がどのような感想を抱いたのか、「宇宙からの帰還」も読んでみたい。

  • 2023年4月14日購入。

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著者プロフィール

稲泉 連(いないずみ・れん):1979年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒。2005年に『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死』(中公文庫)で大宅賞を受賞。主な著書に『「本をつくる」という仕事』(ちくま文庫)、『アナザー1964――パラリンピック序章』(小学館)、『復興の書店』(小学館文庫)、『サーカスの子』(講談社)などがある。

「2023年 『日本人宇宙飛行士』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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