父の時代・私の時代 ――わがエディトリアル・デザイン史 (ちくま文庫 ほ-27-1)

著者 :
  • 筑摩書房
4.00
  • (1)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 50
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480438843

作品紹介・あらすじ

「anan」「POPEYE」「BRUTUS」で日本の雑誌文化を牽引し、絵本の世界においても出版の文化を発展させた著者による自伝。解説 林綾野

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 堀内誠一さんの自伝。絵本作家やデザイナーという印象だったが、その範疇に収まらない活動をされていた。初めの方手紙形式での回想が面白く、戦前の東京下町や父の仕事、百貨店入社や多才な人との交流などが鮮やかに描かれて魅了された。

    • たださん
      111108さん、こんにちは。

      そういえば、堀内誠一さんのこと、この前読んだ『母の友』にも載っていましたね。確か、当時の表紙を描かれていた...
      111108さん、こんにちは。

      そういえば、堀内誠一さんのこと、この前読んだ『母の友』にも載っていましたね。確か、当時の表紙を描かれていたとかで、その時見た、子どもの器だけを大きく切り取ったような絵は、今も忘れられません。
      その時、『anan』等の雑誌のデザインをされていたことも初めて知りましたが、私にとっては、『ぐるんぱのようちえん』の大らかで優しい雰囲気が、とても印象的です。
      しかし、それとは別に、彼自身の人生を知るというのも面白そうですね。
      2023/07/30
    • 111108さん
      たださん、コメントありがとうございます♪

      そうなんですよね『母の友』にも出てましたね。
      私も『ぐるんぱのようちえん』のイメージでしたが、そ...
      たださん、コメントありがとうございます♪

      そうなんですよね『母の友』にも出てましたね。
      私も『ぐるんぱのようちえん』のイメージでしたが、その都度アプローチ・作風を変えるタイプの人でそれがまた堀内誠一さんの生き方にリンクしていて面白い人だなぁと思いました。
      交友関係も本当に幅広く、絵本関係で言うと瀬田貞二さん、瀬川康男さん、福音館の松居直さんなどがかなり親しくしていたようです。
      実はこの絵本関係の人のあたりを読みながら、たださんにおすすめしたいと思ってました♪機会あればぜひ!
      2023/07/30
    • たださん
      111108さん、お返事ありがとうございます♪

      松居直さんは知ってましたが、瀬田貞二さんと瀬川康夫さん、知りませんでした。
      調べてみたら、...
      111108さん、お返事ありがとうございます♪

      松居直さんは知ってましたが、瀬田貞二さんと瀬川康夫さん、知りませんでした。
      調べてみたら、それぞれ文章と絵で昔話など書かれているのですね。堀内さんと親しくされていたとのことで、読んでみたくなりました。
      それから本書は、堀内さんの絵本を何冊か読んでから、改めて読んでみようと思います。
      色々と教えて下さり、ありがとうございます(^o^)
      2023/07/30
  • 0102夜 『父の時代・私の時代』 堀内誠一 − 松岡正剛の千夜千冊
    https://1000ya.isis.ne.jp/0102.html

    『父の時代・私の時代 わがエディトリアルデザイン史』 — 堀内 誠一 著 — マガジンハウスの本
    https://magazineworld.jp/books/paper/1784/

    父の時代・私の時代 堀内 誠一(著/文) - 筑摩書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480438843

  • 『アンアン』を製本する工場での創刊記念祝賀会にて平凡出版副社長 清水達夫から「これからは美しい雑誌でなければいけません。そのためにはアート・ディレクターが重要な役目です。ですのでこの機械の動き出すテープを切る役目はアート・ディレクターの堀内さんにしてもらいます」とやられてびっくりした男、堀内誠一。彼の存在が新しい文化の扉を開けたことは椎名和「49冊のアンアン」で読んだばっかり。まるで時代の特異点をつくった突然現れた天才みたいに感じてしまいますが、父の「レインボー・スタジオ」のこと、父の出身の多田北烏の「サン・スタジオ」のこと、図案家という職業のこと、伊勢丹宣伝部時代の装飾係のこと、広告係のこと、PR誌製作のこと、それと並行して通った現代絵画研究所のこと、写真雑誌『ロッコール』のこと、新雑誌『装いの泉』のこと、織物出版社からアド・センターのこと、名取洋之助のこと、ヨーロッパ滞在のこと、じわじわとあの堀内誠一になっていく過程がとつとつを語られています。それは時代がが図案家をグラフィックデザイナーにしていく流れでもあるような気がします。そしてグラフィックデザイナーの後の絵本作家時代の話もしみじみ語られています。瀬田貞二さんの話は堀内誠一が何を大切にしているのか、を表していると思いました。「次いで『平凡パンチ』ではメンズモードのページを担当し、『パンチ女性版』では編集まるごと引き受けた。これが勉強期間で、平凡出版の最初の女性誌への進出である『アンアン』の創刊からADをすることになったわけです。もっとも僕のやっているあいだ『アンアン』は伸びませんでした。どうも僕は流行とは関係ないみたいですよ。」もしかしたら時代が堀内誠一という職能を見つけ出し社会を変えたけど、本人はなにも変わっていないのかもしれません。『アンアン』は淡々と…なのかもしれません。グラフィックデザイナーの底流に流れる図案家という源流の可能性は、デジタル時代の今も大切なのかも…と感じたりしました。

  • 14歳で伊勢丹に入社、働きながら腕を磨くというのは戦前のデザイナーの系譜を継ぐものだし、ananやPOPEYE、BRUTUSといった雑誌のアートディレクターを務めたのは今に繋がる業績だと思う。

    残念なのが本文中の口絵がほぼないこと。作品の写真が豊富に差し込まれていればより追体験出来たのではないか、と感じた。

    ふたば書房紫野店にて購入。

  • 戦前の商業広告(父親)や、PR誌ロッコール、アドセンター時代の話が面白い。もちろん、絵本の裏話も。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/788431

  • 堀内誠一の自伝(曰く早すぎる自叙伝)。月刊「エディター」誌にの連載「ホーキ星通信(1976-1979)」の一部に手を入れたもので、単行本は日本エディタースクール出版部(1979年)、マガジンハウスから増補改訂版(2007)。このたびはそれを再編集し、「絵本の楽しみ」「瀬田さん」「旅のお仲間」の三篇を増補して文庫化。
    父親(多田北烏の弟子筋の図案家堀内治雄)の代からの広告・商業デザインの世界に生まれ育った著者の広告デザインから雑誌、絵本まで幅広くてがけた仕事や人とのであいがつづられている。
    わたしにとっては「ぐるんぱ」「こすずめのぼうけん」そして「マザーグーズ」の堀内誠一、「BRUTUS」「anan」より「たくさんのふしぎ」の堀内誠一、圧倒的に絵本の人だが、それ以外の仕事や人生も興味深い。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

堀内 誠一(ほりうち・せいいち):1932年12月20日、東京都向島で生まれる。1946年日大第一商業高等学校に編入。1947年4月、伊勢丹宣伝課に入社。1949年現代美術会展に出品、奨励賞受賞。1956年9月、伊勢丹退社。1957年アドセンター株式会社創立メンバーとなる。1958年6月、内田路子と結婚。1987年逝去。デザイナー、アートディレクター、絵本作家。数々の雑誌のエディトリアルデザインやロゴデザインを手がける傍ら、生涯で60冊を超える絵本を描き、また挿絵も数多く担当した。1973年から81年にかけてフランス・パリに暮らし、世界を巡り、旅先の風景や地図を描き雑誌で発表するなど、多彩な表現に意欲的に取り組んだ。「anan」創刊時には、ロゴ、表紙、ページネーションなどを手掛ける。海外取材を手掛けるなど、雑誌の可能性を大きく広げ、現在まで続く雑誌のコンセプトやイメージを作り上げた。

「2023年 『父の時代・私の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堀内誠一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
池内 紀
牟田 都子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×