俺の人生まるごとスキャンダル ――グルダは語る (ちくま学芸文庫 ク-35-1)

制作 : 田辺 秀樹 
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480511737

作品紹介・あらすじ

ジャンルの枠を飛び越え、音楽を楽しみ、聴衆を楽しませたグルダの決定版自叙伝!

===
「どの瞬間においてもそれが命がけであるかのように弾かなくちゃいけない」「モーツァルトはテクニックの点ではごくわずかな例外をのぞいてむずかしくはない。むずかしいのは解釈なんだ」「グールドの《イタリア協奏曲》はヘタだしまったく間違っている」「批評家のお歴々が言う現代音楽は﹁現代﹂でもなく﹁音楽﹂でもない」──。クラシックの枠にとどまらず、さまざまなジャンルの音楽を分け隔てなく愛し、聴衆を楽しませることに心血を注いだ自由自在の巨匠ピアニスト、グルダ。自らの演奏や同時代の演奏家・批評家、愛弟子アルゲリッチ、ピアノメーカーの音色の違い等、歯に衣着せず、縦横無尽に語る!
===

「ノーマル」って、どういうことなんだい?
巨匠ピアニストの音楽と人生
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【目次】
はじめに  
1 異端の肖像――「異端」とはマトモと読む 
人はグルダを偏屈という/グルダとグールド/ウィーンのコスモポリタン/ホロヴィッツ、ルービンシュタイン、コリア/ミケランジェリとグルダ/聴衆/スキャンダル/《チェロ協奏曲》をめぐって/バーンスタイン/ベーム、セル、カラヤン/ザルツブルクの後継者たち/カネのこと/幻の録音/モーツァルト!/ピアノとウィーンの響き

2 グルダという「ジャンル」――俺はいつもグルダを弾く 
ジャンルの壁/二人のフクス/じゃあな、バアデユーイバイ

3 〈間奏曲〉――それ以前のグルダ 
幼年時代/修業時代/ジュネーヴ国際コンクール/戦後の混乱のなかで/両親のこと/フルニエとの出会い

4 ジャズからの飛翔――無規範をプリンシプルとして 
ジャズとの出会い/ジャズ・クラブ/第二のキャリア/現代音楽/新しい聴衆/二つの限界を超えて/クラヴィコードの発見/フリー・ミュージック/自由と限界

5 ウィーンの伝統と病――俺はウィーンの自殺者のひとりにはなりたくない 
作曲すること/教師=グルダ?/アルゲリッチ/ウィーンの仲間たち/ウィーン人「ゴロヴィン」の恋

6 〈女性たちとの組曲〉――すべては女のためである 
恋の手ほどき/最初の結婚/二度目の結婚/第三の女性/作品・アンデルス/私自身のためのコンチェルト/フリー・セックスという理想/音楽と恋愛

7 〈革命〉――七十年代への前奏曲 
一九六八年革命/コミューンで

8 〈変容〉――八十年代での新たなる「肯定」 
批評家のたわごと/八十年代での修復

9 エピローグ――もうやめにしようか 

訳者あとがき 
登場人物プロフィール 
文庫版訳者あとがき

感想・レビュー・書評

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  • グルダは第一線のクラシックピアニストとして活躍しながら、ジャズへ転向したり、作曲したりと、音楽的情熱に導かれるままに生きた芸術家。
    割と日本語訳が、べらんべえ口調とまでは言わなくても、俺様感が強く、少しびっくりした。

  • 音楽家の演奏がその人となりをあらわすのかどうかわからないが、少なくともフリードリヒ・グルダという人は、その演奏から想像される、まさにそのとおりの人であったということが実感できるインタビューである。
    その語り口を彷彿とさせる訳も秀逸。

  • 大好きなピアニストの一人。
    モーツァルトのコンチェルトが絶品。自由奔放に思える演奏は、実はウィーンの伝統に基づくものとわかる。正統なウィーンの音楽教育を受けたうえで音楽的な自由を希求していたわけだ。だから溌剌とした演奏でありながら、端正さを失わなかったのですね。

  • 1993年に発売された絶版「グルダの真実」の文庫版復刊。
    偉大なピアニストでありながら型にはまる事なくジャンルレスな活動、信念、同時代の演奏家も実名で思う存分語っており、これぞグルダ。

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著者プロフィール

フリードリヒ・グルダ(Friedrich Gulda):1930-2000年。ウィーン出身の20世紀を代表する大ピアニスト・作曲家。バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンなど、クラシックの名盤を数多く残したが、クラシックにとどまらず、ジャズや即興演奏でも名声を博した。

「2023年 『俺の人生まるごとスキャンダル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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