- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480683342
作品紹介・あらすじ
小説って何だろう。他の文章に無い特性ゆえに、僕や君の人生に意味を持ち、役割を持っている。ではその特性とは何か。小説の持つ可能性について考える。
感想・レビュー・書評
-
以前小川洋子の物語の役割を読んだが、同じようなことを書いている部分があり、やはり同じところに行き着くんだなと思った。
一方、小川洋子のほうが体系化されているイメージ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者の文章と自分との間には、作者の意図とは思いがけない形で離れた自分だけの経験が育まれ、秘密が生まれる。虚構から見出した、他の誰にも出力できない秘密を、これからわたしは幾つ持てるだろう?船を漕ぎ出すような気持ちで文学の世界へと送り出してくれる一冊
-
「小説は他の文章に無い特性ゆえに、僕や君の人生に意味を持ち、役割を持っている。ではその特性とは何?小説の可能性について考える。小説って何だろう。他の文章に無い特性ゆえに、僕や君の人生に意味を持ち、役割を持っている。ではその特性とは何か。小説の持つ可能性について考える。」
目次
第1章 文学とはなんだろう
・文学を乱暴に定義する
・文学を評価する
・文学はどこにあるか ほか
第2章 小説とはどんなものだろう
・小説には複数の人間と、その行為が現れる
・小説には作者がいる
・小説は自由に書かれている ほか
第3章 小説を読む経験
・人生が増える
・こっそり考える
・現実を見直す ほか
著者紹介
藤谷治[フジタニオサム]
1963年生まれ。小説家。日本大学藝術学部映画学科卒業。会社員を経て、東京・下北沢に本のセレクト・ショップ「フィクショネス」をオープン、2003年に『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』で作家デビュー。著書に『いつか棺桶はやってくる』(第21回三島由紀夫賞候補)、『船に乗れ!』(第7回本屋大賞第7位)、『世界でいちばん美しい』(第31回織田作之助賞受賞)、など -
本を読めばいくつもの人生を体験する事ができる、という言葉はよく耳にしますが、この本は“何故”そうなのかを分かりやすく親しみやすい言葉で教えてくれます。本を読んで情報を得るのではなく、経験を得る為にはどうすれば良いのか……
読み終わった後、自分の本棚に並ぶ本たちが愛しく思えます。 -
これはちくまプリマー新書だから中高生に小説を紹介する本というコンセプトだと思うが、小説とは何か、というところに文字数を割きすぎてる感じがした。著者の熱い思いは伝わるけど、個人的な思い入れはそこそこにして、作品紹介にもっとパワーを割くべきだったのでは、と思う。
巻末に、「とっかかりが欲しい人のための小説案内」という推薦図書コーナーがあり、高慢と偏見、宝島、二都物語(私はオリバー・ツイストでもいいと思うなあ)などが紹介されているが、日本の作家は三島、川端、谷崎なんかはわかるけど、三遊亭円朝や寺山修司の「あゝ、荒野」が入ってるのは変わってる。本文で草枕と鼻、十九歳の地図が出ているので夏目、芥川、中上健次は既出。鴎外や太宰、志賀直哉なんかもあったら良かったのに。志賀直哉なんか「小説の神様」って言われてるのに。「あゝ、荒野」は、小説としては失敗作って気がするがなあ。「書を捨てよ」の方がいいけど、小説じゃないから?寺山修司を初めて読む若者に「あゝ、荒野」でいいのかな。
まあそこが藤谷さんらしいのかも。
ジュリアン・グラックは読んだことないので読んでみたい。 -
文学とは何か→不特定の人に向けて書かれた文章
文学は読者=君に読まれることで存在できる、君のためにある
読みたくなった本・作家
カレル・チャペック『山椒魚戦争』
サマセット・モーム
室生犀星
ジェイン・オースティン『高慢と偏見』
ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』
ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』
トルストイ『戦争と平和』
ガルシア=マルケス『百年の孤独』
ボルヘス『伝奇集』
川端康成『みずうみ』 -
まわりくどい書き方という印象でした。一つの文学論として、勉強になりました。
-
◯抜粋
小説はを読むことは人生にどんな役割を持っているか?
・人生が増える
・こっそり考える
・現実を見直す
・多様性を知る
・すべての人の自分
・陶酔 -
小説を読むとぐったりするから避けていたけれど、小説はそういうものだと知ってホッとした。これからもう少しずつ読んでみる。