他者を感じる社会学 (ちくまプリマー新書 363)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 299
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683878

感想・レビュー・書評

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  • 3

  • 普段の生活の中でふと持ってしまう差別の感情をこれでもかとばかりに事例を挙げ、差別意識を無くすための考え方を説いている。

    最近「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」なる言葉も良く聞かれるようになってきた。「昔は許されただろうけど」と、差別発言で叩かれた著名人もいた。

    本書では露骨な差別発言だけでなく、「他者を思いやっているつもりで、実は根底には差別の意識がある」例を「危うさが潜む」という言い方で数多く挙げている。読んでいて、自分にも思い当たる節が多い。

    この「危うさ」も、神経質になりすぎると「昔は良かった」ということになりかねない。そのバランスが難しい。人の価値観は時代と共に変わり、かつ人によって感じ方も千差万別だ。

    性別、外見、能力など、自分と全く同じ人などいない。つまり、「区別」は本能的に感じるものであり、そこから転じる差別という考え方は決して無くならない。それでも人はその感情とどう向き合うべきか、を分かりやすい言葉で考えさせてくれる。

  • 意図しない差別は身の回りに溢れてることを痛感。

  • 生き方を考える学問。

    社会の様々な場所で生きづらさを抱える人がいる。それを学問として考える。筆者は映画を題材に、身近にこのような問題があることを知っているかと問いかける。なぜ差別は生まれたのか。一度も差別をしたことないか。立ち止まって、考えてみよう。「あたりまえ」を疑ってみよう。

  • 差別は本当に日常に潜んでいる。自分が“当事者”なので、日常に差別があると感じることがある。“差別は特殊な人しかしないもの”“普通という枠組みは果たして存在するのか”など考えながら読んだ。ただ、具体的な筆者の旅行時の体験談や、映画を例に挙げた話がかなり多く、本質になかなか迫っていかず、冗長だと感じた。わかりにくい文も多く、読むのに時間がかかった割に、得られるものは多くなかった印象。

  • sc

    新書にしては面白く読めた。特にセクシュアルマイノリティのところが興味深かった。

  • 人が人を差別する背景や理由を考える一冊。
    普段、他人や異なる考え方にフラットに接したいと思いながら偏見にまみれて過ごしている我が身にとっては、なかなか「それでいいのか」と突っ込みたくなる。突っ込みたくなる時点で、ある種の偏見に囚われているわけだけど。
    でも歴史的に積み上げてきた文化もすべて見直さないとフラットにはならないよなぁ。それはそれでどうなんだろう?

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著者プロフィール

日本大学文理学部社会学科教授

「2023年 『新社会学研究 2023年 第8号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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