勉強する気はなぜ起こらないのか (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 521
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683977

作品紹介・あらすじ

気持ちがあがらない、誘惑に負けちゃう。お困りなあなたにやる気をコントロールするコツを教えます。目標設定、友人関係、ネガティブ戦略など、どれも効果的!

感想・レビュー・書評

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  • 学習意欲の本としては、これまで読んできたことの復習という感じ。
    ちくまプリマーなので、読みやすいものから、という学生さんにはオススメします。

    大学のGPAと関係のある項目として挙げられている「我慢強さ」。
    『GRIT』という本も読んだのだけど、粘り強さを培う方法ってどういうものがあるんだろう。
    そして、自分は粘り強いのか?(笑)

    他にも、他者と比較しない目標設定。
    遂行目標と熟達目標の違い。
    ポジティブな人とネガティブな人の物事の取り組み方。よく言われるけど、ネガティブだから結果に繋がらないということはない。

    などなど。

  • 自宅でのテレワークでさまざまな誘惑に負けて仕事へのモチベーションがあがらないときの対処を学べるかも、と期待した一冊。いや、やる気がコントロールできればこんなに素晴らしいことはないのですが…。

    以下、自身の整理も兼ねて。

    ・いわゆる内発的動機と外発的動機の2つ
    ・内発~が望ましいが外発~も一概に悪いとはいえない
    ・外発~にもいくつか種類があり好ましいものもある

    ・誘惑に負けず「やる気」を高める方法解説
     ⇒ここはちょっと月並みな内容だったかな…

    ・目標レベルはほどほどがよい(挑戦的&実現可能レベル)
    ・遂行目標と熟達目標

    ・鶏口となるも牛後となるなかれ⇒から来る有能感
     ⇔井の中の蛙効果
      ⇒幅広い対象と比較
      ⇒そもそも比周囲と比較しない、過去の自分と比較
    ・心の三大栄養素:①有能感の欲求②関係性の欲求③自律性の欲求

    ・ネガティブ思考も悪くない=防衛的悲観主義者

    ・物事は考え方次第←これが一番難しいのです…

    「やる気」をコントロールする部分の解決策についてはあまり目新しいものはなく、平板な印象でしたが、「やる気」や心の解明については新しい知見を得ることができた一冊でした。

  • 人の「やる気」とは何か、どうしたらそれを引き出せるのか、具体的な目標設定の仕方などを心理学にそって解説したもの。思ったより目新しい内容ではなかったけれど、中高生向けとあって分かりやすくまとまってる本なので読んで良かったです。「やる気」を引き出すヒントが欲しい人には打って付けの本。

  • やる気のメカニズム
    ・内発的動機付け
     面白く楽しいから
     新しいことを知りたいから
    ・外発的動機付け
     自分の能力を高めたいから
     知識を得ることで幸せになりたい
     夢や目標のために必要だから
     良い学校に入りたいから
     勉強できないと恥ずかしいから
     良い成績を取りたいから
     先生や親に叱られるから 
     先生や親に褒められるから

    スタンフォード大学
     マシュマロの誘惑
     …我慢出来た子が成功しやすい
      ただし、スタンフォード大学の併設の保育所に通う子供たちでは。あらゆるサンプルで調査すると、違う結果になる。

    7つの最上位目標
    1経済的成功
    2社会的承認
    3魅力的外見
    4親和
    5健康
    6社会的貢献
    7自己成長・受容

    挑戦的かつ実現可能なレベルの目標
    →どちらかに偏ると成長・達成のいずれかが難しい
    →他者との比較ではない目標が望ましい

    「井の中の蛙」
    格言…狭い世界の蛙は広い世界の蛙を知らない
    心理学…レベルが高い集団に属すと有能感が低下し、レベルが低い集団に属すと有能感が高まる現象。
    ←ただし、意図的にレベルの高い集団に属する場合は効果が違ってくる。切磋琢磨。
    同じく、意図的にレベルの低い集団に属すと格言の「井の中の蛙」になりがち。
    自分自身を比較対象にすることで、ブレ幅が小さくなる。

    有能感=自己肯定感とやる気は比例する。

    ポジティブもネガティブも個人により、成功と失敗が分かれる。
    防衛的悲観主義と悲観主義。

    無気力は学習される。
    「いつも」「けっして」という言葉は危険。
    「たまたま」「時々」といった一時的なものに変えていく
    「限定的」「全般的」

    〇身近な事柄で学ぶ心理学入門でした。中学生・高校生に程よい量と内容に感じる。進路に悩んでいる子にもすすめたいかな。
    解決には至らない(これは当たり前)が、解決への糸口やヒントになりそう。自分はどのような思考のメカニズムを持っているのか。

  • 著者の研究テーマに関連する動機づけの基本的な心理学理論を高校生(中学生?)にも分かるように書いている。具体的な「やる気」の高め方(起こし方)も紹介されているので,試しにやってみたり,自分でもやっていたことを発見できる。心理学の入門段階にいる大学生も,難しい言葉を記憶して理解した気になるより本書のような表現を通して理解を深めた方がよいだろう。内発的動機づけと外発的動機づけ,自己決定理論,目標設定,井の中の蛙効果,防衛的悲観主義,学修性無力感。

  • ポジティブ思考の人はリラックスすれば良い結果が出るし、ネガティブ思考の人は正々堂々とネガティブに考えれば良い結果が出るなど、色々やる気や心がけに関してためになる事が書かれていて良かったです。

  • 心理学の知識を使って自分の「やる気」を出そう、といざなう一冊。
    「やる気(動機づけ)」を内からわくもの外からくるものにの分類してより続きやすいやる気は何か考えたり、誘惑への対処法、目標設定の仕方、友だちの存在や環境のとらえ方など、マシュマロ実験や井の中の蛙効果、セリグマンの犬の実験(学習性無力感)のような興味深い心理実験の紹介も交えて具体的に指南してくれる。「それはわかってるんだけど…」という声も聞こえてきそうではあるけれど、ちょっとJKの手にとってもらえそうなところに置いておきたい。

    学生時代「悲観的に準備して楽観的に行動」というモットーをもつ知り合いがいたが、これは「防衛的悲観主義者」という、ネガティブに見えて実は成長していく上では悪くはないタイプなのだとわかった。

  • YA向け。マシュマロ・テストが偏った集団に対してのテストだったので一般化して考えるのには難があるというのは知らなかった。「頭の良さではなく我慢強さが成績に関係する」「無気力な赤ちゃんはいない」という言葉は印象に残った。

  • ●原則は内からのやる気の方が、外からのやる気よりも、行動する理由としては望ましい。
    ●外からのやる気にも様々なものがあり、良い点があることが明らかになっています。
    ●努力は夢中には勝てないと言う名言。
    ●自己実現のためのやる気>目標によるやる気>プライドによるやる気>典型的な外からのやる気(報酬型)
    ●人生で成功するために、最も必要なものは。「我慢強さ」(自己統制やセルフコントロールといいます)
    ●スタンフォード大学の授業料は年間590万円!
    ●マシュマロテストの欠点は、実験対象者が偏っていたこと。2018年にはこの論文の結果が再現されないと発表された。
    ●目標設定は大事だが、その立て方も重要。大きな目標と、具体的な目標二つの、合わせて3つ立ててみる。
    ●達成できない目標に対しては、なぜ達成できないのかその原因を見極め、設定していた目標を上手に調節することが大切です。
    ●鶏口となるも、牛後となるなかれ。(優れた集団の後につくよりは、弱小集団でもトップになった方が良い)
    ●他人と比較するよりも、過去の自分と比較する方が、有能感が高まることがわかっています。

  • 自分は防衛的悲観主義者なのだと分かった。
    無理してポジティブに考えなくても良いと知り楽になった。

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著者プロフィール

筑波大学准教授

「2021年 『勉強する気はなぜ起こらないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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