よみがえる天才9 ナイチンゲール (ちくまプリマー新書 430)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 74
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480684554

作品紹介・あらすじ

ナイチンゲールは統計学を駆使して感染予防策を訴え、新しい病室の在り方を提案、医療の世界での看護師の地位向上を図るなど、新しい時代を切り拓いた人だった。

感想・レビュー・書評

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  • 良いケアって何だろう?ナイチンゲールの看護論から学ぶケアの本質(PRESENT_24 金井一薫) | KAIGO LEADERS(2020.10.27)
    https://heisei-kaigo-leaders.com/magazine/present24re/

    金井 一薫著『ナイチンゲール よみがえる天才9』 筑摩書房より7月5日刊行 | ナイチンゲール看護研究所【公式】
    https://nightingale-a.jp/2023/07/06/publication-chikumashobo/

    筑摩書房 よみがえる天才9 ナイチンゲール / 金井 一薫 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480684554/

  • 好きな偉人なので手に取りました。
    好きになったきっかけは小学生の時に読んだ偉人漫画(小学館版 学習まんが人物館シリーズ)が好きだったから。学校の図書館にあるのは手あたり次第読んでいましたが特に好きだったのがナイチンゲール。
    クリミア戦争で傷ついた兵士への介護、凛々しい美しさ、漫画版の作り話かもしれませんが兵士が天使を木彫りしていたのも印象的でした。
    時を経て2018年、イギリス旅行でフローレンス・ナイチンゲール博物館を訪れました。ガイドブックを見ていきたいと思いながらも、ほかにもたくさん予定が詰まっていて予定に組み込むのは断念したのですが、街歩きをしていて偶然近くを通ったので行くことができました。
    そこで、自分が知っていたナイチンゲールはほんの一部だったと知りました。
    良い仲になった人の話や手紙のやりとり、とても高身長なことがわかる衣服の展示
    、そして特に衝撃的だったのが統計学を用いてクリミア戦争の兵士の死因を環境にあるのではとし、とても綺麗なグラフにまとめて上申したということ。
    日頃自分が、感情的ではなく意見を述べるときには論理的でありたいと考えていたので、実践し結果を残した聡明さに改めて心打たれ、尊敬する人という気持ちはより強まりました。
    帰国後、統計学入門の本を読みました(笑)

    本著は、店頭で見かけ手に取ったのですが、本当に読んでよかったです。
    偉人というのは、本当に偉大な人なのだと、当たり前のことをしみじみ思うに至りました。現代にはいないのかもしれない、とも思いました。

    人の上に立つ人、名前を馳せる人。
    国のトップである総理大臣も、権限を持ち各分野の施策を進めていく大臣も、あまり信用できない昨今。私利私欲のためにやっているんじゃないだろうかという疑いは、『堤未果のショック・ドクトリン』という本を読んで悲しくも確信に変わり、中抜き、私益があるものだけ進んでいくのだと絶望しました。
    そんな中で読んだ、この本では、ナイチンゲールが私財も時間も、自分の体力も労力も惜しまずあるべき看護の向上に尽力する様子が、あまりに素晴らしく、心打たれました。
    恵まれた環境に生まれ、享受するだけで人生を終えてもおかしくない環境下で、自らを困難な場へ使命感を持って挑み続けるのは凄い。
    自分は一般人なので、現代の富裕層に対して見習ってみてほしいなんて思ったり、かといって自分がいざ富裕層だとしたらナイチンゲールほどの振る舞いをできるのかと問えば多分無理だとわかります。これほどまでには。
    ただ、揺らいでいた気持ちは定まりました。

    現代の資本主義が加速した世の中では、倫理観を無視したお金儲けや知名度のための非常識な行いが多く目につきますし、経済学、お金を重視する人はお金教とでも言うのか倫理観よりもお金稼ぎを優先しているように思えます。
    信頼できない政治家だけでなく、みっともない大人が多く恥ずかしく残念に思えます。
    もちろんお金を稼ぐことは、自分も家族も守るため日々生きて食べていくために必要ですが、それのために誰かを蔑ろにすることがあってはならないと思います。(生きるために致し方ない極限状態である戦争はもう繰り返してはならない、、第三次世界大戦は食糧問題とも言いますがどうなることやら)

    自分だけが良い、法律に触れていないから問題ない、ちょっとだけだから、となるのではなく、自分を律し、世のため人のため恥ずかしくない行動をする大人が増え、子供にも良い影響が出ていけば良いな、というのを諦めたくありません。

    自分は看護の道を専門にしているわけでもなく、世の中に影響力を持っているわけでもないですが、しがない一市民としてでも誇りを持って希望を見失わず、生きていきたいと思いました。

    ナイチンゲールの生きざまを見ていると、スピノザのエチカの一節を思い出します。

  • ナイチンゲールが統計学を駆使して、公衆衛生学の基盤を築いたってのは、よく知られてること。
    看護職に「献身」と「自己犠牲」を求めず、看護職員が働く環境整備にこそ努力した人だけど、彼女自身は自らの資産を投じて看護職の訓練施設を整備した。
    やっぱり看護って特別な仕事なんだよね。それが分かっていたからこそ、自己犠牲を求めないと訴えていたんだろうね。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/566431

  • 289-K
    閲覧新書

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/788974

  • 【請求記号:280 ヨ 9】

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著者プロフィール

1969年東京大学医学部付属看護学校卒業。1976年慶応大学文学部卒業。87年ナイチンゲール看護研究所設立。徳島文理大学大学院看護学研究科教授。著書に『新版 ナイチンゲール看護論・入門』(現代社)、監訳に『実像のナイチンゲール』(リン・マクドナルド著 現代社)。

「2023年 『よみがえる天才9 ナイチンゲール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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