君主制とはなんだろうか (ちくまプリマー新書 450)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480684776

作品紹介・あらすじ

この世界最古の政治制度がわかると、世界史がおもしろくなる!君主の誕生から革命を経て、現代にいたるまでを一望する、かつてない君主たちの5000年史。

感想・レビュー・書評

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  • チャップリンの映画『ニューヨークの王様』の中に出てくるというセリフ「王様はなんでえらいの?」はすごく深い。このセリフの引用で始まり終わる本書は、これを読んだ中高生に、自分なりの説明をできるように考えてほしいという著者からの贈り物でもあるのかと思う。
    内容であるが、読み始めてすぐに、なんかこの読みやすさ覚えがあるなと思ったら3年前に「立憲君主制の現在」を読んでいた(https://booklog.jp/users/alpine310/archives/1/4106038234)。当時、面白くは読んだがイギリスの比重が重かったと感じたのだが、今回はかなり目配りをしたのか、時間軸的にも地理的にも広く網羅した内容となっている。古代の王の誕生というところから始まり、中国の君主制については専門の先生にも協力していただいたそうで充実した内容であった。
    また、当初から中高生向けという企画だったというだけあって、もともと読みやすい文章を書かれる方がさらに平易な言葉遣いを心がけて書かれたと思われる読みやすさ。中学生でも興味を持ったら十分取り組める内容だと思うし、高校生であれば学校の教科としての世界史から踏み込んで君主制というテーマに沿って読み直すことで重層的な理解につながる好著である。
    最終章では21世紀の君主制と題して君主制の現在を概観しているのだが、この部分を読むと我が国の君主制がいかにビジョンに欠けているかを考えさせられる。天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であるのだからして、実体が×××だから象徴も×××ってことなんでしょうか。とほほ。
    最後、内容には全く関係ないのだが、私の本当に個人的な好みから言うと、文末の「ます(です)ね。」の頻度がちょっと高い……ように思われました。本当に好みですいません。

  • 君主制にフォーカスして歴史を読みとくと、歴史の流れが腑に落ちる。
    君主制と共和制の違いは全然理解していなかったが、とても読みやすく理解することができた。

    エリザベス女王は広報の大事さを痛感しTwitter、YouTube、インスタグラム、ホームページを充実させ国民に伝えるようにした。最近、日本でも宮内庁がインスタを始めたが、そこでも立憲君主制同様、イギリス式を見習っているだろうと予測できる。

  • なんとなくわかった気でいた国の制度。共和制、立憲君主制、専制君主制などわかりやすく解説されており、非常に有意義であった。その制度を歴史的に追っていくことで、世界史もおさらいでき、一石二鳥の本であった。

  • 【請求記号:313 キ】

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著者プロフィール

君塚 直隆(きみづか・なおたか):1967年、東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒業。英国オックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。博士(史学)。専攻はイギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史。現在、関東学院大学国際文化学部教授。著書に『ヴィクトリア女王』『立憲君主制の現在』『ヨーロッパ近代史』『エリザベス女王』『女王陛下の影法師』『貴族とは何か』など多数。

「2024年 『君主制とはなんだろうか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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