- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480687166
作品紹介・あらすじ
容姿の悩みは誰にも多少はあるもの。ダイエットにプチ整形、コンプレックス産業は煽り続ける。でも「美しさ」を本当に考えたことある?美の競争から自由になる本。
感想・レビュー・書評
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顔の美醜について、そして顔にコンプレックスを抱いている、
ティーンエイジャーに向けての指南書。
テーマは重いが、文章にやさしさがあり分かりやすい。
著者の低姿勢なお人柄がうかがえるのは、
ご自身が"ユニークフェイス"だからでしょうか?
人は顔じゃないよ、心だよ。なんてけして言わない所がいい。
コンプレックス産業にあおられないための警告書として
10代の人に読んでもらいたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の意図は、あとがきに明快に述べられている。外見コンプレックスを煽る情報をウィルスに譬え、それに対抗するアンチウィルスソフトになるもの、ウィルスに最も侵されやすい思春期の人々のたすけになるような本を世に送りたいということだ。その気持ちが強いあまり、文章には勢いがあるものの、内容的にはやや未整理で前のめりなところがあるように思う。著者の視点は独自で面白いものがあるので、他の著書も読んでみてもっと内容が整理されたものに出会えるとよいなと思う。
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コンプレックスは無限につきない。
でもそれと向き合うことで薄くしたりできるのかも。
わたしは何者にも変えがたいから、せめて嫌いじゃなくいたい。
コンプレックス元のある事象を他人からとやかく言われて、沈黙することのないように、近づかず、また言い返せる気持ちを持とう。そして自分を誉めるのだ。
他人の単純な好奇心に付き合ってやる必要はない。 -
私は、自分は美人ではないし、どちらかと言えば、ブスよりだと思ってますが、自分の顔にあまり不満はないので、ある意味、幸せだと思えるようになりました。
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よくある、美や外見からの印象付けについて語られたものかと思いましたが、この本は少しアプローチが違っていました。
著者は、医療問題に詳しいジャーナリストですが、顔の半分に生まれつきあざがあるため、子供の頃から人の目にさらされ、ずっとつらい思いを重ねてきたとのこと。
著者の顔写真も掲載されており、広範囲にわたる顔のあざを見て、息をのみました。
そして確かにこの人は、望まずとも常に人の好奇の目に追われ続けてきたのだろうと思いました。
人は、どうしても自分とは違う、見慣れぬものに注目してしまうもの。
慣れていないと、無意識のうちに、相手を不用意に傷つけてしまいがちです。
一般の人々は、目が小さいとか、鼻が低いとか、もっと小さなレベルのことでくよくよ思い悩み、登校拒否になったり、自殺に至ったりもするわけですが、この著者にとっては「ほんの数ミリのことになぜそこまでこだわるんだ」と思える、というのもわかります。
私も、実際にこの方と対峙したら、正直掛ける言葉もないかもしれません。
それだけに、この人が受け続けてきた、社会からの無意識的な差別や侮蔑の深さまでは、到底思い至れないと思います。
この人のつらい体験について、何を語られても、「左様でございます」と拝聴するしかないような気もします。
著者の実体験を踏まえた考え方というのはわかりますが、ただ、少し自分の状況を本に織り込み過ぎているような気がしました。
この内容ならば、著者の半生記としてもよさそうな気がします。
ほぼ半分以上は、自分のあざとその影響についてページが割かれているため、まるで著者のことや本の内容を知らずに読んだ私のような読者にとっては、タイトルと内容が少し離れているような印象も抱きます。
もっと一般的な読者に向けて、一般的な視点からの意見も盛り込んでほしいと思いました。
著者は、美容整形手術を重ねる中村うさぎ氏と交流があるとのことです。
お互いの抱える外見コンプレックスについて、理解しあえる同士だからでしょう。
コンプレックスは、人それぞれで、なかなか他人に分かってもらいづらいもの。
加えて、あまりに個人的で内面的に複雑なため、他人がじっくり聞くには、かなり忍耐も要するものです。
著者は、確かにその外見から、筆舌に尽くしがたい大変な体験を繰り返して、これまで生きてきたのでしょうけれど、生まれた時からの付き合いである自分の顔には自分自身とっくに慣れているはずです。
対して、この本を初めて読んだ人たちは、著者の近影に動揺したまま、なす術もなく読み続けるしかありません。
立場的にどちらが強いかというと、やはり著者の方であり、配慮すべき肌を持ってはいるものの、これまで特に手術も行わずに、医療ジャーナリストとなってこうした本を出版しているという彼の状態を考えるに、そのある意味大きなハンデを逆手にとって、ビジネスツールにしているところに、したたかさを感じました。
同じように、美醜以前のあざやしみ、傷などで深く悩んでいる人は、大勢いると思います。
そうした人々にとって、著者は強い希望であり支えとなっていることでしょう。
「人の判断にあまりとらわれるな」とまとめており、悩める人々を励まして終わってはいますが、とかく本人の持つ特徴がインパクトがありすぎるため、そちらの方に意識が傾いてしまうし、本の内容もいわんとしていることの軸が少しぶれているように思いました。
マイノリティとしての立場からの意見を聞けたことは貴重でしたが、タイトルとは少しずれた内容だったため、解決の糸口を求めてこの本を手に取った外見的に悩める読者を、どこまで励まし、力になることができたのか、予想できない点が残念です。 -
「美」という考え方から自由になる本。本当の美しさって何なんだろう。