環境問題の基本のキホン: 物質とエネルギー (ちくまプリマー新書 104)
- 筑摩書房 (2009年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480688095
作品紹介・あらすじ
科学的根拠があるとは到底思えない、当節の「環境問題」。真の解決を求めるのなら、まず「物質とエネルギー」の基礎を知ろう。この宇宙・自然界の現象が数式なしでも面白くわかり、科学的思考のセンスが身につく超入門書。
感想・レビュー・書評
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身近にあるエネルギーがどういう仕組みか、みたいなことが書いてある。文明の発達とエネルギーの消費が比例するのは、そうだよなぁと思った。だからこそ、これからの社会でどうしたらいいのか、考えるきっかけになった。
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配置場所:摂枚普通図書
請求記号:519||S
資料ID:95100412 -
勉強になりました。
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「環境問題の基本のキホン 物質とエネルギー」
というタイトル通りの内容でした。
「環境問題の基本」そのものではなく、それを考える上で必要なキホン(物質とエネルギー)を解説した本です。
キホン、とは言っても、元素記号や同位体、カロリーやジュールといった言葉が出て来ます。中学や高校で科学や物理がさっぱり…という人にはかなり難しい内容かと思います。
とはいえ、全体を流し読みするだけでも、環境問題を科学的に考えることの大切さは伝わってきます。
福島の原発事故前の本だということを踏まえた上で、原子力利用についての項目も読みました。危険性や廃棄物処理の問題点をあげつつも、科学者として高速増殖炉の完成を願う姿勢には、なんとも複雑な気持ちになりました。
科学的な根拠やデータが記載され無いままの筆者の意見もちらほらあったので、そこは少し気になりました。入門書ということであえて数値データや科学的な詳細な説明をのせず、分かりやすさを狙ったのかもしれませんが。
科学的な思考も大切ですが、本能的に人間が原子力・放射能を恐れる気持ち、それを安易に切り捨ててしまって良いものなのか…。
これをきっかけに他の環境関連の本も読んでみたい。 -
環境問題のために、根本である物質とエネルギーについての解説書。だから、環境問題の本だと思って読むとやられた感あり。
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むずかし
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物質やエネルギー,さらにエントロピーについて,やさしく解説しようとする著者の思いはよく伝わる。イラストが手書きで,もしやと思ったら,やはり著者自身が描いたもの。意欲的なこともよくわかる。
ただ,その内容は本当に分かりやすいのか。また,環境問題を考える助けになるものなのか。そこのところは疑問に感じる。たとえば,物質について,この本に書かれていることを理解すると,環境問題をどのように科学的に捉えることができるのか。環境問題の基本のキホンというならば,そこが重要だと思うのだが,極端な言い方をすれば,科学の基本についての解説は,著者の自己満足に終わっているようにも思う。
環境問題については,たとえば,地球温暖化の原因はCO2ではないというように,著者は批判的な立場である。マスコミで取り上げられることは,科学的には間違っているというのが,著者の思いであるようだ。しかし,その点を科学的に解説はしているとは思えない。何だか中途半端で気持ちが悪い。
環境問題に対して,過剰と思える反応も多いだろう。しかし,著者の主張は,その対極にあるようで,同様に信じがたいものがある。科学的な解説になっていないので,何とも批判のしようもない。このような内容が,若者を対象にした新書のシリーズであるちくまプリマー新書に入っているのが不思議なくらいだ。ただ,ちくまプリマー新書には,池田清彦「環境問題のウソ」もあり,編集部の考え方なのかとも思える。わたしにとっては,考え方が違うからこそ意味があるが,これらの本しか読まない若者がいたらと心配になる。環境問題について考える上で,最初に読むべき本とは決して思わない。
最後に,具体的な批判を1つだけ。原子力発電については,かつてのわたしは絶対反対であった。しかし,反対運動のある中でも,徐々に発電量が増えていった。それが実現できたのは,賛成派が多数だったからだと考えるしかない。その結果,原子力発電はなくてはならないものになった。その現実は受け入れなくてはならない。
ただ,著者の次の記述には一言言いたくなる。
「先にも述べました原子力発電の事故の究極の原因はいずれも,この自己制御機能の不備でした。原子力発電自体は基本的には安全なのです。」(P.143)
何が安全なのか。これで安全と言い切るところが問題なのではないか。制御機能に問題があり,そのために事故が起こるなら,そのシステムは安全と言えるのだろうか。最終的には,人が操作するとしたら,人によるミスだって考慮したシステムでなくてはならない。
何も100%を求めているわけではない。100%ではないことを自覚することと,それをしっかりと伝えた上で運用することが大切なのではないか。事故を隠すような状況では,最低限の安全性ですら保障されていない。そのようにわたしは考える。 -
請求記号:501シ
資料番号:020198941
装丁:クラフト・エヴィング商會 -
前半は、環境問題を考える上で最低限必要な物理学的・化学的知識を記してあり、後半では、前半で記したエネルギーの分類に応じて、各エネルギーを考察している。
前半部分は、自然生態系や、エネルギー保存則などを分かりやすく説明してくれていて、「物理?意味不明」な人にはとても分かりやすい。後半部分は、各エネルギーの概要を説明してくれている。例えば、核エネルギーでは簡単な概要から、利点・問題点を触れている。
全般的に、すっきりとし、例も多く、読みやすいものである。ただ、がっつりしたものを読みたい!もしくは、ある程度勉強している人には、読みごたえはあまりないと思う。
なので、環境問題の導入として読み、巻末の参考文献に移っていくのがいいのではないだろうか??