- Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480710925
作品紹介・あらすじ
旧全集の刊行から二十年。新たに発見された創作や映画台本の生原稿二七〇枚をはじめ、未発掘だった少女小説三十三編を網羅した待望の決定版全集。尾崎翠とその文学の知られざる全貌が明らかになる。
感想・レビュー・書評
-
『少女世界』に掲載された少女小説32篇が収録されていて凄い。発掘者が解説(「尾崎翠と少女小説」)に「これまで創作的にはほとんど空白期であると思われてきた(中略)実態がかなりの程度明らかにされた」と記しているとおりの一群。後期二〇篇について「題材や構想、プロット、文体等においてより多様な試みがなされ」中には後年の主な作品のモチーフの萌芽がみられるものもあり「尾崎翠の表現世界の成り立ちを知る上でも見逃せないものがある」と語っている。自分はコミカルな「三人の落としもの」清廉な印象の「アベマリア」が良かった。
他に鳥取に帰郷してから書かれた文章の内、「新秋名果」の回想に語られるユーモアたっぷりのやり取りや、詩情に満ちた「春の短文集」、極めて短い文章の内に鮮やかな物語が感じられる「もくれん」(末尾、「建物の外に出ると、校庭の大気の中には暖かい晩春がゐて、私の背中に呼びかけた。――ハロオ、センチナウタヨミ。羽織ヲヌイデ夏ノウタヲ支度シナサイ。」は、一篇の瑞々しい情景が思い描かれて素敵だ。)叶わないことだけれど、もっとこの人の文章を読みたいとつい思ってしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
座談会を収録してくださってありがとうございました。お蔭で持論の補強ができました。
-
烏兎の庭 第四部 書評 11.24.12
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto04/bunsho/midori.html