- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480822789
作品紹介・あらすじ
有名男性作家六人と、それをめぐる評論を、真正面からたたき斬る。刺激的な鼎談。
感想・レビュー・書評
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フェミニストの上野千鶴子らが近代の文豪たちを切り捨てていく様は,読んでいて気持ち良い。それにしても文豪にダメ男が多いのはなぜなのでしょう。
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村上春樹と三島由紀夫の回がわかりやすくてお気に入り。突然「編集部」が出てきたのにはびっくりしました(笑)。
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実に、面白かった。
取り上げられている作家の本は、どれひとつ読んだことはないんですけど、この本でかなりと読んだ気になってしまい、原本を読む気が失せました。(=^_^;=)ゞどへへ それでも、谷崎と三島だけは、読む進むのは苦痛だろうなぁ~・・と思いつつも原本を読んで自分がどう感じるか確かめたくなりました。
三島に関しては、映画「春の雪」を見たことと(TVでだけどね?)、三輪明宏の「黒蜥蜴」の舞台を見たこともあって、“匂い”に実感がないわけではなかったので興味そそられましたわ。
おまけに、その批評の中で出てきた比留間久夫の「YES.YES.YES」が15年ぶりに読み上げられましたし。
そういえば、私買っていたよな・・?これ?と思い出し、買ったとき、読みかけたけど進まなかったのよね~。それが一気に読んでしまいました。
やっぱり私は、文学小説ストレートには読めないのかもね?
こういう足がかりみたいなのを興味の対象としてしか?(^^;)
上野千鶴子さんがあとがきで書いているのだけど、
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「男流文学」のキモチ悪さをこもごもに語る三人の女のやりとりを聞いて、男の読者なら、無理解や不快さを感じるかもしれない。だが、それはちょうど「女流文学」を勝手きままに裁断してきた男に対する女側の不快さに通じるものである。「もう一つの性」に自分がどう見えるかを知るのはわるくない。そしてそれを「無知・無理解」と呼ぶ前に、なぜそう見えるかを自問してもいいのだ。
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とあるんですけど、まさに!って感じ。 -
谷崎にSFの匂いを感じる、という私にとっては未知な視点を指摘されて、私もがぜん興味を書きたてられて。
しかし、それとは別に、ふと、谷崎への痛烈な批判を読んだことを思い出して本棚をあさってみたら、この本を発見しました。
一目でわかるように、「男流文学論」。
上野千鶴子、小倉千加子、富岡多恵子、という、そうそうたる3人による鼎談です。
この中で、谷崎潤一郎は、吉行淳之介、三島由紀夫などともに、そりゃあもう、けちょんけちょんに言われてる。
男性作家による文学を語りながら、結局は女性(フェミニズム)を論じた本なんですが、久しぶりに読み直してみて、その切り口が、私自身への切り口と重なって、痛快でした。1992年の作品。
この10年で女も社会も変わった、のかな?