貨幣論

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 99
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480856364

作品紹介・あらすじ

マルクスにのっとり、マルクスをのりこえ、マルクスを読み破る。資本主義の根源的な危機を洞察する。

感想・レビュー・書評

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  •  マルクスの「資本論」をもとに、たくさんの引用とともに貨幣の在り方を考察している本。

     特に後半の「恐慌論」、「危機論」がおもしろかった。「無限の未来からの贈与としての貨幣」の内容は読んでみると、確かにと思えることだ。
     この「無限の未来からの贈与」とシュタイナー経済学における贈与の考え方が関連する部分がある

     シュタイナーは経済プロセスにおける「決済・融資・贈与」の中でも特に「贈与」の重要性を述べている。そして貨幣に価値があるということも無限の未来の住人からの贈与だと筆者は述べている。

     それは一万円札が価値を持つのは、一万円札そのものに価値があるのではなく、その貨幣がほかの誰かによって同じように使われるからである。そうして、他人に使われ続けることを前提に貨幣は本来、無価値なのに価値を持つ。それは無限の未来の人たちが無価値なものを価値あるものとして不等価交換することによって成り立っている。この不等価交換、「無をうけとって、有を与える」、これが未来の人たちからの贈与であると筆者は述べる。

     ここに贈与の重要性があるような気がする。

  • 長らく気になっていたけれど『読書大全』にありやっと読んだが
    マルクスの解釈なのかな
    普通の金融論のテキストの方が良さそう
    こういう貨幣についての哲学的な話ってなんなのだろう
    学んだ後に戻ってくる本か

  • 貨幣とは貨幣として使われるものである
    ということを200ページ以上かけて論じた、暇を持て余した神々の遊び。

  • <本全体、あるいは各章ごとの概要>

    <個人的な知識・ターム>
    * 覚えておきたい事(本全体の主張と関係なくともよい) + キーワードで興味のあるもの
    * 短い説明とページを記入
    <引用>

    <自分の見解>
    * 読後感・意見・反論・補足など書きたいと思ったこと

  • サントリー学芸賞
    著者:岩井克人(1947-、渋谷区、経済学)

  • 随分前に人からいただいた本。いったん読み終わったが、新たに「経済学の宇宙」を読み始めたら、読み返したくなってきている。

  • 2012/06/04 読了

  • 貨幣の本質は何か(いわゆる形而上学的な本質はないそして何ものでもないからこそ、何にでもなるのだ)、という抽象的な話から、貨幣の危機(岩井氏はインフレーションがそれと謳う)というマーケットで起こりうる話に飛躍・昇華するのだが、シンプルな論理構造でうまく繋げられている。

  • 正直けっこう気に入りました。
    マルクスの主張に対し、矛盾を指摘。
    そこから現実における恐慌・インフレ等の危険性について論じています。
    読み物としても魅力的。

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著者プロフィール

国際基督教大学客員教授、東京財団上席研究員
東京大学卒業、マサチューセッツ工科大学経済学博士(Ph.d.)。イェール大学経済学部助教授、プリンストン大学客員準教授、ペンシルバニア大学客員教授、東京大学経済学部教授など歴任。2007年4月紫綬褒章を受章。

「2021年 『経済学の宇宙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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