新版 リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは

著者 :
  • CCCメディアハウス
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484182032

作品紹介・あらすじ

フォロワーシップとは、どうやって目の前の部下を教育すべきかを考えるのではなく、「どうやったら、彼らが自然と勝手に成長してくれるのか」を、突き詰めて考え抜くことである。
強烈なカリスマ・清宮克幸の後任として早大ラグビー部監督となった著者。「日本一オーラのない監督」と呼ばれながら、常勝ワセダのプレッシャーを背負いつつ大学選手権2連覇を果たした組織づくりの秘密を明かした2009年の著書に、「これからのフォロワーシップ」について論じた章を新たに加えてリニューアル。

感想・レビュー・書評

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  • 1.フォロワーシップについて自分なりに答えを見つけ出し、スタイルを確立しようと思っている中で本書に出会いました。

    2.リーダーシップと反対の概念となるフォローワーシップを唱えてきた著者が書き上げた待望の1冊です。
    今まではカリスマ的なトップがいて、そこからトップダウンの指示が下ることで組織を統率していましたが、現代ではそれが崩れ始めています。大切なのはフォロワーを育て、組織全体を成長させていていくことです。本書では著者自身が経験してきたことをフォロワーシップの概念に落とし込み、実践するための方法論を述べております。

    3.読みながら「なぜ強力なリーダーシップが衰退し始めたのだろう」と疑問に思いました。フォロワーとしてはリーダーについていく方が楽ですし、気に入られるのでマイナスなことは何もないはず。そんなことを思いながら読んでいましたが、1つの答えが出ました。
    それは「リーダーの答えが絶対的な正解ではなくなった」ことです。今までは明確な答えがあり、それにめがけていけば自ずと出世と昇給が約束されていた時代です。しかし、現代では「出したものの反応を見て正解を作っていく時代」です。つまり、自分が出した答えは自分で検証してくしかありません。そのため、リーダーの間違いが浮き彫りになりやすくなったと思います。
    だからこそ、フォロワーは不安を抱え、成長したいという欲求が高まり、カリスマ的リーダーについていくという思いが薄まったのだと思いました。

  • 自分がずっと目指していた指導スタイルはこれだと心から思った。
    著書も書かれていた、「短所こそ光を」という言葉はまさに納得で、短所を克服するには長所を伸ばすよりも3倍かかるとも言われており、得意を生かす方がよっぽど効果的。
    よく、〇〇なリーダー像を目指しているとか、〇〇という人になりたいという言葉を聞くけれど、その多くは周りに作られた〇〇像でしかなく、作られた〇〇像を目指していても自分とは全くあっていないことが多い。
    それよりも、自分らしさを分析して、長所・短所両方とも受け入れ、それらを生かした〇〇像を作っていくことが大切だと感じた。
    つまり、べき思考を抜いて自分らしさを構築していく作業が大切なのだ。

    また、本書で一番伝えたかったであろう、考えるフォロワーを作るということは、なかなか結果が出ないかもしれない。カリスマ的リーダーシップをもった人が上位下達式に物事を決めていけば短期的には結果が出るかもしれないけれど、世代交代を考えたり、長期的に自分たちで考えられる組織、チームを作らなければ長期的には成長はない。

    そのためにも、一人一人が考える経験。特に失敗する体験を積ませてあげられなければ、組織全体での成長は見られないのだ。

    昨今、ミスを指摘されて萎縮する人が多いが、その原因は上司が事細かくミスを指摘したりマウントを取ったりするせいな気がしている。もっと寛大に接してあげてほしい。失敗する経験を奪わないであげてほしいなと思った。

    最後に、大切な考えとして
    組織は意義を持って集まった2人以上の集団と定義されていたが、
    この意義が本当に大切だと思った。
    チームの目的を考えることの重要性を改めて感じた。

  • メンバーの成長に軸を置くことが重要という趣旨。

    要点
    ①リーダーはスタイルの確立が必要
    ②フォロワーが自走する環境を作るのが重要
    ③ベストを尽くすことを評価する

  • 今後のリーダーのあるべき論を説いている一冊。
    カリスマ性はない自分からすると
    自論が確信になり今後の指針になった。

    VSSマネジメント
    V…vision
    S…story
    S…scenario

    まずビジョンを描き、シナリオを加えることが案外出来ていないと感じた。

    意見を心理的安全性のもと広く集める一方、
    人事に関わるところは独断で権威を持って決める。

    リーダーは良質な問いをしなければならない。
    何よりも自分自身に。

  • リーダーに必要なことは「ぶれないこと」
    部下に対して軸を持ってもらい、その軸を発揮することに重きを置く。
    ビジョン、ストーリー、シナリオを明確化し多少の浮き沈みを考慮した上で人生の歩みを進めるべき。

    フォロワーはリーダー視点を持つ。その際にその人ではなくポジションリスペクトをする。

  • 相手の立場を敬う対偶的思考のリーダーシップ

    これまでのリーダーシップとは、自分(リーダー)がどうあるべきかに焦点を当てていた。これからは組織のメンバーやフォロワーの力を最大化することを考えていくことが求められる。
    ★対偶的思考方法とポジションリスペクト

    ■概要
    1on1の第一人者であるYahoo!の本間さんが推奨する考え方。
    組織の力の総和を最大化するのがリーダーであり、そのためにはフォロワーに焦点を当てなければならない。具体的にはリーダー自身のスタイルの確立、フォロワーのスタイルの確立、自主的にストレッチ目標(無謀でない)を設定できるフォロワーの養成を志向。1on1やVSSマネジメントが有効
    キング牧師やエディHCの偉人的リーダーシップを表面的になぞるだけでは、真のリーダーにはなれない。これは本書でも同様のことが言及されている。

    ■感想
    対極的な思考方法により抽象的な概念を定義づけており、わかりやすくリーダーシップを学べる。リーダーシップを定義するのにフォロワーシップから入る、理想のリーダーやフォロワーを定義するために、避けるべき対象から考える。
    やや冗長的なところや、既知の内容が多い点がマイナスか。(初見ならもっと評価高いかも)

  • 学び続ける
    成長し続ける
    改めて大事にしていきたいと思った

  • リーダーシップとフォロワーシップについて、リーダーとフォロワーそれぞれの視点から書かれており分かりやすい内容。

  • 自分のやるべきこと、目指すものが明確になった。

  • 自分(フォロワー)がチームに貢献するには、どうしたら良いか知るために読みました。本書の内容を一言でいうと「フォロワーは自身の成長(≠成功)に専念することで、組織の生産性を高めることができる」です。将来を見据え、フォロワーにとってのリーダーシップも意識し、成長したい。

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著者プロフィール

株式会社チームボックス代表取締役
日本ラグビーフットボール協会理事

1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年、日本ラグビーフットボール協会「コーチのコーチ」、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。
ほかに、一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 など。
著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』(CCCメディアハウス)など多数。

「2020年 『どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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