小説遊牧民: アイハヌム2011

  • 東海大学
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  • Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784486037293

作品紹介・あらすじ

キプチャク大草原に繰り広げられるカザフ建国の一大叙事詩。

感想・レビュー・書評

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  • 長らく積んでいたのを発掘。何がきっかけで手を出したんだかとんと覚えがない。忘れるのも積読の楽しみ。

    チンギス・ハンから時代の下った、カザフとウズベクの遊牧民が織りなす歴史物語。3部作のうちの1作目であるらしいけど、今に至るまで続刊を見ない。出るのだろうか。
    出ても読みたいかは悩みどころ。基礎知識があったほうが断然読みやすいだろうというのはまあさておき、「小説」の面白さに欠けると感じる。指導者の苦悩や政治的判断が長い独白だけで描かれていることがあったりして、ドラマ的に薄く乾いた不器用な読み心地だった。
    チンギス・ハンの教訓や遊牧民の風習は素直に興味深い。

  • カザフ文学の大河小説。
    旧ソ連時代のカザフスタンの作家、イリヤス・エセンベルリンによる『遊牧民』三部作の第一部「呪力の剣」の邦訳です。
    15世紀末のキプチャク大草原を舞台に、モンゴル帝国のジョチ・ウルス(黄金のオルド、金帳ハン国)の末裔が青帳ハン国と白帳ハン国に分裂・抗争し、これがその後のウズベキスタン(青帳側)とカザフスタン(白帳側)となる過程を描いた歴史小説。
    こんにちではシャイバーニー朝と呼ばれる遊牧帝国の初代、ハン・アブルハイルの覇業と強権に反発したジャニベクとケレイを指導者に、カザフ部族が団結して対抗し、カザフ民族国家を建国。
    シャイバーニー朝側もハンの孫、ムハンマド・シェイバニという英雄が現れて失地回復し、ウズベク国家となる。
    チンギス・ハーンの末裔たちとティムール朝の末裔たちとの関わりなど、イスラム化した遊牧民たちの大叙事詩。
    『遊牧民』三部作の残り二部作も翻訳の予定だそうです(^O^)

    翻訳者・加藤九祚氏が毎年東海大学出版会から出している中央アジア研究の紹介書『アイハヌム』シリーズの2011年版。
    巻末には時代背景の説明のために「中世におけるカザフ(人)の社会・経済・生活」という論文と、作者イリヤス・エセンベルリンの生涯についての説明も掲載されています。
    ただし、誤植が多い!
    セリフの始まりには"「"が抜けてる箇所が幾つもあり、巻末の作者の紹介のところでは結婚の年が明らかに間違ってたり!(妻との出会いから結婚までに50年以上も要したことになる)
    日本では数少ないカザフ文学で、また貴重な中央アジア研究論文もあるだけに、こうした誤植が多いのは残念です(>_<)

    ニン、トン♪

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