- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784487797233
作品紹介・あらすじ
大人になるまで知らずに『探索』し続けたアスペルガー症候群の半生。当事者、配偶者、家族、友人、教育関係者、雇用主、医療・療育関係者必携。
感想・レビュー・書評
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カミングアウト戦略というのが面白かった。10年以上前の本ですがまだ内容は新しい。
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後半部分のハウツー編が役にたった。
さっそく参考にして、私も自分の取扱説明書を作ろうかなと。
それからカミングアウトする相手とその方法についてのアドバイス。
なるほどでした。 -
その頃母はよく,「おうちの屋根が見えるところにしか行っちゃだめよ」という言い方をしていた。それは,私が遠くへ行き過ぎて迷子にならないようにという意味の,母なりの表現だった。
ある日の午後のこと,私は小学校の校庭に遊びに出かけた。小学校はうちから四ブロックしか離れていないのだから,怖くもなかったし,遠すぎるなんて思いもしなかった。だから,家に帰ってきた私は,何とも思わずに母に報告した。ところが,どういうわけだかこれが大騒ぎになってしまった。何がそんなに心配なのかしら?だって学校からおうちの屋根を見ようと思ったら,屋根に登らないと見えないのに。だから登っただけなのに。
これが私の言語理解だった。言葉の世界には,比喩だとか例だとかいうものと,本題とよばれるものとがあるなんて,ずいぶん後になるまでわからなかった。この頃はまだ,私にとってのことばとは,細部優先の,過剰なまでに形式的な規則だった。ことばと意味とは一対一で対応していると思っていた。一つの文に二つ以上の意味があるなんて考えたこともないから,耳にした文がそのまま語り手の意図だと信じて疑わなかった。
アスペルガー症候群の子どもたちは,「他人には他人の考えがある」ということに自分で気づかない。わざわざ教えてもらわなくてはわからないのだ。今日では,アスペルガー症候群についての知識も増えているので,一見当たり前に思えることでも大人が教えてやらなければならないことが知られている。でも私が小さい頃はちがった。他人の意識に関する知識は,どんな子にも生まれつきそなわっていると信じられていたのだ。
(「幼少の頃」本文p.22) -
AS(アスペルガー症候群)に悩まされ、生き抜いてきた女性の半生記。彼女の幼少期には AS はそれほど著名な病気ではなく、「他人と違う自分」に悩む。しかし、1990年代以降に AS に関する認識が広がり、自らの娘が AS と診断されたことをきっかけに自らも AS であったことを認識する。AS は比較的軽度な自閉症の一種(自閉症スペクトラム)で、狭義の自閉症と異なり、この本のように著作や講演によってその精神メカニズムを明らかにしやすいという意味で興味深い。
僕自身も AS っぽいところがあるかなー、と思って読んでみた一冊。感覚過敏の症状はまったく無いけど、字義通り解釈と定型的な生活様式はかなり思いあたるところがあるかも。まぁ著者のように日常生活に支障をきたしていたり、人前でパニックになったりすることはないので、病気というレベルではないと思うけど。 -
未読
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子どもの相談に行ったら自分もそうだったという人の話です