月を盗んだ男 (NASA史上最大の盗難事件)

  • 東京創元社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488003838

作品紹介・あらすじ

2002年、NASAから“月の石"を盗み出した学生、サド。ジョンソン宇宙センターの優秀な研修生がなぜそんな犯罪を引き起こしたのか。真相に迫る傑作ノンフィクション!

感想・レビュー・書評

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  • 「本当にあったことなのか?」
    ノンフィクションノベルと書かれていながらも、フィクションを読んでいるようだった。
    「本当にあったことなのか......。」
    本書を読み終わり、この事件のことをインターネットで調べて、これがノンフィクションだということを実感した。
    首謀者はサド・ロバーツ。物理学、地質学、人類学の学位、飛行機操縦免許、スキューバ・ダイビングの免許をもち、ロシア語と日本語も話せる、超エリートな研修生だった。
    妻がいるにも関わらず(関係は悪化していったのだが)知り合って間もない研修生レベッカに一目惚れし、「ぼくはきみに月をあげたいんだ」とのんともロマンティックなセリフを吐く。(このレベッカさん、本名はティファニーさんとおっしゃるそうで、ティファニーはもちろんルイヴィトンの指輪ではダメだと思ったんでしょうなあきっと)
    それで、月の石を盗むべく研究室に侵入するのだが、仕込みがすごい。まあフィクションかもしれないので、真偽のほどは知らないが、研究者ならではのやり方に脱帽でした。
    サドが月の石を盗みたいと思ったきっかけは主に2つあると思っています。1つめは、1回目のツアー中にDr.エヴェレット・ギブソンの講演を聞いたこと。まず、ツアーとはなにかというと、研修生が受けなければならないプログラムのことらしく、本文中の記述によると、このツアーは3回行わなければならず、1ツアーの長さは1学期に相当するそうです。次に、ギブソンに関してですが、NASAに30余年いる科学者で、アポロ計画の12号から17号までの飛行任務によって持ち帰られたた月の石の研究の責任を負った科学者の1人です。講演の中で彼はALH84001という火星の欠片を見せます。
    2つめは、月研究室にある金庫室で仕事をするチャンスを得たこと。金庫室には大きさが様々な11万個の標本があり、総重量は842ポンド(約382kg)もある。そこで、目録作りを頼まれるのだが、奥の隅に小さなドアがあるのを発見する。そこには研究されて、送り返されてきた石が保管されているのだが、基本的には「ごみ」だと思われている。金庫にあるのは2%と言われ、サドは咄嗟に計算する。17ポンド......1ポンドは453g......7701g......1g500万ドルとして......!
    約400億ドルか!? (未完)

  • 月の石をNASAから盗んだ男の実話に基づく小説

  • 彼のその後が知りたい
    きっと上手くやってるはず
    だって、頑張り屋だから

  • 2002年、アポロ11号が月から持ち帰った“月の石"、それがNASAから盗まれた。だが、その犯人は、NASAに所属する研修生だった。
    これは、なぜ、どうやって彼が事件を起こしたかが書かれた実話です
    著者が実際に犯人にインタビューして書いていることもあって、NASAやFBI、収集家とのやりとりは緊張感が伝わってきます。

  • NASAから月のカケラを盗む。実話なのがすごい。

  • 火星に立つ最初の人間になる、その思いでサドは物理学、地質学、人類学の3つを専攻し、ダイビングと飛行機操縦の免許を取り、ロシア語と日本語も勉強した。そして憧れのNASAの研修生になり、人脈を広げ、夢に近づいていっていた。それなのに、月の石を盗み出し、100ヶ月の実刑判決を受けた。なんだかなぁ。なんで今までの努力を無駄にするようなことをしたんだろう。あっけなさすぎて、あまり楽しめなかった。

  • NASAから月の石を盗んだ男と盗みに至る経緯のノンフィクション。
    動機があまりにチープというか捕まり方が雑というか、頭いいのに抜けていて、主人公の造形がいまひとつ締まりが無い。いや、ノンフィクションだからしょうがないんですけどね。

  • NASAのシステムの中で学生たちを集めて研究させるシステムがすごい。だけど月の石を盗んだサドは、複雑な生い立ちなのに、自分のことしか考えられない最低の人間だと思う。多分優秀な青年なんだろうが、行為と結果への想像力が、あるいは倫理観が欠けている。

  • Amazon.comの月刊ベストブック獲得!(2011年7月)

    ・2002年に本当に起こった月の石盗難事件を拓美に再構成した1冊!(カーカス・レビュー)
    ・著者は人物描写の天才だ……このノンフィクションノベルは最上級の推理小説に匹敵する。(クロニクル・ヘラルド)
    ・本書で描かれるNASAジョンソン宇宙センターの活動や、アメリカからベルギーへと広がる捜査パートのスリリングな展開は、かつて宇宙飛行士を夢見た人や、恋人に月を贈ると約束したすべての人々を魅了するはずだ。(メリッサ・ケント)

    ジョンソン宇宙センターの研修生、サド・ロバーツ。彼は2002年に、NASAが保管する“アポロ計画で月から採取した石”を盗み出してしまう。物理学、地質学、人類学を専攻、ユタ州立大学天文ソサエティを創設、ロシア語と日本語を習得した優秀な学生だったはずの彼が、なぜそんな事件を引き起こしたのか? 
    どうやって厳重な警備を突破したのか? 
    FBIはどのように彼を追いつめたのか? 
    信じがたい事件の真相に迫る傑作ノンフィクションノベル! 
    訳者あとがき=髙山祥子

  • 月の石盗難事件の一部始終と顛末もさることながら、NASAのコープ・プログラムでの研修内容が興味深かった。
    天才達が全国からそれこそゾロゾロ集まってくる。その中から選ばれたエリートがアメリカの宇宙開発を支えているのだ。恐るべしNASA。

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