キャクストン私設図書館

  • 東京創元社
3.26
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本棚登録 : 406
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488011093

作品紹介・あらすじ

読書好きのバージャー氏が発見した〈キャクストン私設図書館&書物保管庫〉。そこは初版本や手稿本が所蔵された図書館であり、人々に広く知れ渡ったがゆえに実体化した物語の登場人物たちの住処でもあった。アンナ・カレーニナ、シャーロック・ホームズ、ハムレットなどをめぐる事件を描いた表題作や、ダーク・ファンタジー『失われたものたちの本』のスピンオフ作品、怪奇現象をもたらす奇書『裂かれた地図書』の物語ほか、「本」にまつわる傑作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 「失われたものたちの本」の著者による中編を集めたのが本書。タイトルの"キャクストン私設図書館"を舞台とした2編で他の作品がサンドイッチ状に挟み込まれている構成。内容はいずれも不条理でダーク。何が真実で何が虚構なのか分からない混沌とした世界が描かれる。今風の"分かりやすさ"を求めるなら無駄です。「アンナ•カレーニナ」や「シャーロック•ホームズ」にも精通しているといいのでしょうが、どちらも私好みではないんだよなぁ。よって⭐︎二つとしました。

  • おとぎ話や神話の登場人物たちが生きる美しくも残酷な異世界を旅する、少年の成長物語。本にまつわるダーク・ファンタジー! ジョン・コナリー『失われたものたちの本』 : Webミステリーズ!
    http://www.webmysteries.jp/archives/25782602.html

    キャクストン私設図書館 - ジョン・コナリー/田内志文 訳|東京創元社
    http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488011093

    • 夜型さん
      猫丸さん、
      白いにゃんこのあの方が好まれそうですね。
      猫丸さん、
      白いにゃんこのあの方が好まれそうですね。
      2021/05/18
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      夜型さん
      仰言る通りだと思います、、、今は何を読まれているのかなぁ〜
      夜型さん
      仰言る通りだと思います、、、今は何を読まれているのかなぁ〜
      2021/05/19
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【今週はこれを読め! SF編】登場人物たちが暮らす秘密の図書館、書き換えられる初版本 - 牧眞司|WEB本の雑誌
      https://www.w...
      【今週はこれを読め! SF編】登場人物たちが暮らす秘密の図書館、書き換えられる初版本 - 牧眞司|WEB本の雑誌
      https://www.webdoku.jp/newshz/maki/2021/05/19/120011.html
      2021/05/21
  • これは4編の話からできており、その内の1つ「裂かれた地図書―五つの断片」が異常に長く且つ読みにくい。

    これがなければ通常の評価星4つにするところだが。

    この本を読む方は「裂かれた・・・」を飛ばして読むことをお勧めします。

  • 「失われたものたちの本」から入った私にとって、「裂かれた地図書」はダークファンタジーの面白さを確固たるものにしてくれた。
    本にまつわるお話ばかりなので本好きにはたまらない一冊だった。
    あとがきの「本というものを一つの宇宙として捉えるコナリーだからこそ」という言葉の通り、本の持ついろんな特性を味わえる本だった。

  • この言い方は好きでは無いが、本好きにぜひ読んで欲しい中短編集。ホームズのように登場人物が実在化して図書館に住む、そんな図書館が日本にあるのなら、誰が住むだろう?そして裂かれた地図書、この話が比喩だとしたら……

  •  本好きに贈る作品集とあるけど、本好きじゃなかったら、ちょっと楽しみが減っちゃうかなぁ。俺自身、一時小説から離れていた時期があって、そういうときに本書を読んでいたら、「他に読むべき本があるんじゃないか」と思って、やめていたかもしれない。この本を読んで、何かの役に立つというわけじゃない。読後、かしこくなるわけでもないだろう。ただ、読んでいる最中、楽しかったんだよね。なんか、物語に浸りきる喜びを味わった気がする。

     キャクストン私設図書館という図書館にまつわる中編2つに、他の話が挟まれている形になっている。

     本の大部分を占める『裂かれた地図書ー五つの断片』というのは、たぶんいわゆるクトゥルー神話の系譜に入る物語だろうね。時代も微妙にずれることもあったけど、裂かれた地図書をめぐる5つの物語が続いていく。本によって、世界が再構成されるというホラーというか、オカルトチックな本。こういうド直球のホラーの、しかも海外翻訳ってあんまり読んでなかったし、そもそもクトゥルー神話の関係ってほとんど読んでなかったんだけど、それでも引き込まれた。続きが気になって、読んで行ってしまうんだよね。読み終えて、どうこうという話じゃないんだけどさ。なんか、本に魅入られるということ自体が、この物語の魅力なのかもしれない。

     キャクストン私設図書館というのは、本の中の人物たちが闊歩する図書館の話だ。どこかユーモラスで、また読みたくなる。

     ジョン・コナリーの本ってあまり翻訳されていないようだけど、こういう系統のものをもう少し読んでみたいな。

  • 何話か収録されている短編集。キャクストン私設図書館の話が2本と他はダークファンタジーな感じ。本から飛び出てきた実在しない小説のキャラクターたちが暮らし、初版本が保管されている私設図書館という設定の表題作が一番好きかな。

  • 物凄い想像力。ひさしぶりに夢中になって読んだ。これほど巧みな作家が、日本ではさほど知られていないのが不思議。物語の構成もだが、それを語る筆さばきも鮮やかである。
    この本には、キャクストン私設図書館、虚ろな王(短編)、裂かれた地図書、ホームズの活動(キャクストンのおまけ話)の4話が収められているが、“本好きの本好きによる本好きのための本”である。
    “地図書”には、古書に纏わるおどろおどろしい描写が多々ある。書物の魔力を強烈に表現していると思うが、肝心の筋がかなり難解なまま終わり、残念。
    まずはキャクストンから楽しんでいただきたい。“地図書”とは違い、ここでは作者のウィットも遺憾なく発揮されていて、何度もくすりと笑わせてもらった。何の予備知識もなくこの本を手に取ったのだが、“キャクストン”の話の核で扱われた書物が、私の敬愛してやまないトマス・ハーディの名作たちだったことから、私もこの幻想の図書館に呼び込まれたひとりなのかと思えて、怖くなったり 笑
    本棚の持つ魔力を改めて感じた。
    以下、裂かれた地図書からの引用☆☆☆
    書物には力があるのを知っていた。実在するものの言葉では説明できず、しかし個人や社会、はては国家をも変容させるほどの力である。

  • 表題作他4篇の短編集。でも実際はキャクストン私設図書館の短編が二つ、掌編が一つ、中編が一つかな。キャクストンの短編二つは設定がすごく良くてめちゃくちゃ楽しく読めた。“アンナ・カレーニナ”読みたくなるなー。ホームズシリーズも→
    →それに対して掌編は“失われたものたちの本”のスピンオフみたいでよく分からず。
    で、問題の中編よ。裂かれた地図書よ。めちゃくちゃ怖い。怖すぎる。表題作とと同じ本に入れるには怖すぎん?(笑)でも面白かった!!ラストの解釈がいまいちうまくできんのやけど。あれはどう取ればいいんだろう。

  • 表題作は有名小説の登場人物が実在する不思議な図書館のお話。
    個人的には咲かれた地図書が面白かった。話に入り込むまで時間がかかるが、入り込むと一気に読まずにはいられない。地図書の秘密が知りたくてページをめくる手がとまらない。
    「わからない」を楽しむ作品だと感じた

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