- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488017781
感想・レビュー・書評
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世評の高い表題作、私は素直に読めなかった。この題材をこういう風に扱うのは、どう考えても抵抗がある。謎の背景が明かされたとき、お楽しみに読んできた自分が嫌になった。
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★★☆☆☆
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デビュー作の「オーブランの少女」を含め5篇からなる1冊です。先日読んだ『分かれ道ノストラダムス』もそうでしたが、この作者さんは時間的な奥行きを持ったミステリーを書きます。その上作品世界の「現在」は近代だったり現代だったり、地域も英国だったり北欧だったり。その舞台のしつらえ方にちょっと米澤穂信の作品も思い出します。どのお話もまあ面白いのですが、いわゆるイヤミスとは違った意味で、どうもすっきりしない気分になる結末のものばかりでした。
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中編集、なんだかフシギなはなしばかり。もっとファンタジーなのかと…かってに期待。
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最後の「氷の皇国」がよかったな。悲しい。
深緑さん、独特の世界観があるよね。 -
表題作より仮面と氷の皇国が印象に残った。片想いも好きかも。オーブランの少女はもう少し少女たちの日常を眺めていたかった。氷の皇国も皇女がヘイザルにどうしてあんなに執着していたのがよくわからぬまま…。いずれも情景描写が好みで、頭での想像が楽しかった。
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(収録作品)オーブランの少女(ミステリーズ!新人賞佳作(2010/7回))/仮面/大雨とトマト/片想い/氷の皇国
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短編集。ミステリ。犯罪小説。
「オーブランの少女」美しい描写と事件の残酷さのギャップがスゴイ。ちょっと寒気が。
「大雨とトマト」日常の謎。僅か20ページで複数の伏線回収。上手い。
上記二作が好きでした。
カラフルな情景を思い浮かばせる、綺麗な文章が印象的。 -
≪”少女”にまつわる謎は,いつでもどこでも脆くて愚かで残酷で,美しい≫
表題作「オーブランの少女」は第7回ミステリーズ!新人賞佳作を受賞.
前から読みたい読みたいと思っていたけれど,『戦場のコックたち』のほうが有名になってしまったし,自分もそちらから読んだ.
3月には本書,『オーブランの少女』の文庫版が刊行されるみたい.
だからといって,文庫化なんて待てないぜ.
なぜなら表紙がかわいい....
個人的に好きなのは「大雨とトマト」. -
色鮮やかな花々の咲く、比類なく美しい庭園オーブラン。ある日、異様な風体の老婆に庭の女管理人が惨殺され、その妹も一ヶ月後に自ら命を絶つという痛ましい事件がおこる。殺人現場に居合わせた作家の“私”は後日奇妙な縁から手に入れた管理人の妹の日記を繙くが、そこにはオーブランに眠る恐るべき過去が綴られていた。
少女にまつわる謎を描く全五編。
表題作が一番良かった。庭園の美しさやさざめく少女たちが目に浮かぶようで、描写が綺麗でよかった。しかし殺人周りはただの狂人だったのがちょっと残念。他の四編も少女たちの残酷さや脆さ、美しさ妖しさ、細やかな喜びが滲み出てくるような短編集だった。