あと十五秒で死ぬ (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 567
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488020101

作品紹介・あらすじ

死神から与えられた余命十五秒をどう使えば、私は自分を撃った犯人を告発し、かつ反撃ができるのか? 一風変わった被害者と犯人の攻防を描く、第12回ミステリーズ!新人賞佳作入選「十五秒」。犯人当てドラマの最終回、目を離していたラスト十五秒で登場人物が急死した。一体何が起こったのか? 姉からクイズ形式で挑まれた弟の推理を描く「このあと衝撃の結末が」。〈十五秒後に死ぬ〉というトリッキーな状況で起きる四つの事件の真相を、あなたは見破れるか? 期待の新鋭が贈る、デビュー作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 以前アンソロジーで読んだ表題作が面白かったので読みたくて。同じ状況設定の四つの物語それぞれいい味付け。一番好きなのは『首が取れても死なない僕らの首無殺人事件』ロジカルであり青春物としてもコミカルホラーとしても楽しかった。

  • 表題作は面白かった。死ぬまでに残された十五秒で人は何を伝えられるか。発想が斬新で楽しい話でした。
    他の話も設定が斬新で、細かい点まで練られていて面白かった。

  • シュール過ぎて最高の一冊。 

    たかが15秒、されど15秒、それは命のかかった15秒!

    死ぬ直前の緊迫感を切り取るミステリは斬新。
    表題作と「不眠症」はほのかなせつなさも感じるのが良かったし、「首が取れても死なない僕らの首無殺人事件」はとにかく一番唸る。

    首の着脱可能というとんでも設定に度肝を抜かれ、首お手玉のシュールな、いや、シュール過ぎる光景は最高!
    そして細やか複雑な真相の着地も拍手。

    着脱ルールはもちろん細かな点、全てが余すことなく活かされ仕上げられていたと思う。

    今後もユニークな発想、着眼点が楽しみな作家さん。

  • 『15秒後に死ぬ』という共通のテーマを掲げた四編のミステリー。たった15秒、されど15秒。びっくり設定なものもあるが楽しめた。

    「十五秒」
    猟銃で背後から撃たれた女性に残された余命15秒。そのたった15秒でどう犯人を示し道連れにするか。
    現実世界の15秒という時間をいつでも好きなだけ止められるというのがミソ。ただし止めた時間の間は死神としかやり取り出来ない。
    犯人が分かり何故自分が殺されねばならないか分かった被害者女性の心の変遷、僅か15秒を如何に効率良く使うかを考え実行するところが読みどころ。最後に予定外なことが起こるのも死神のなせるところか。
    ☆☆☆☆

    「このあと衝撃の結末が」
    連続ドラマの最終回、エンディング間際で前触れもなくヒロインが死んでいた。席を外した僅か15秒の間に何が起きたのか。
    ドラマという設定がミソか。見逃していなければ衝撃の結末でもないが、本当のミステリーは別のところにあった。しかしちょっと蛇足感もある。
    ☆☆

    「不眠症」
    母親が交通事故で15秒後に死ぬ夢を繰り返し見る女性。母親は最後に自分へ何を言おうとしていたのか。
    ファンタジーでセンチメンタルな作品。ただちょっと時代がかっていて入り込めなかった。
    ☆☆

    「首が取れても死なない僕らの首無殺人事件」
    首が取れても15秒以内に胴体にくっ付けられれば死なない特殊体質な人たちが住む孤島で起きた首無殺人事件。
    ということは、首はもしかしてどこかで生きている?
    トンデモ設定だが一番印象的な作品。年齢差が一歳以内で同性同士なら別人の体に首をすげ替えても生きられるという設定が効いている。これ程15秒を有効活用出来る設定もないだろう。15秒が無限とは言えないまでもかなり長く使える。
    想像するとシュールな光景だが動機や事件の背景など、面白かった。
    ☆☆☆☆

    話によって好みにバラつきがあった。平均して評価は☆☆☆

  • 「あと十五秒で死ぬ」
    突然そう告げられたら、どうするか。
    十五秒…日常生活において、それはあっという間に過ぎ去る時間。”時間”というより”瞬間”と捉えた方がピンとくるかもしれない。
    けれど、それが死に至るまでのカウントダウンだったとしたら。
    死ぬ間際の走馬灯タイムなら、十五時間くらい中身の濃い時を過ごす感覚になるのかも。
    十五秒を生かすも殺すも自分次第、ということか。
    一秒の重みを思い知らされる短編集だった。

  • タイトル通りの設定で話が広がっていく4つの中短篇集。15秒後に死ぬという設定は同じなのにそれぞれの趣向の凝らし方が違うので読み進める度にこうきたか!となって楽しい。死ぬ直前の15秒で反撃を企てる「15秒」犯人との攻防戦がロジカルに組み上がっていく過程が綺麗。ドラマの最終回終盤、目を離した15秒後にヒロインがいきなり死んだ理由を推理する「この後衝撃の結末が」丁寧にドラマを振り返る中で仕込まれた伏線がきちんと回収されていくのが爽快。あとこんなドラマ実際に視聴したい。首が取れても15秒は生きていられる島民達の中で起きた首無し死体事件「首が取れても死なない僕らの首無し殺人事件」首をすげ替え続けたら死なないから被害者が事件の謎を追っていくんだけど想像するとシュールなのに展開はコミカル。おバカそうに見せて締めは落とし所にきちんと収めてきたので脱帽。一番好きだ。夢と現実を揺蕩う「不眠症」だけ印象が薄かったかな。でも趣向のバラエティさには一役買っていると思う。

  • 自分が死ぬまであと15秒しかなかったら何をする?やることがいっぱいあって大忙しだ。おまけに銃で打たれているので痛くて思うように動けない。頑張って、撃った犯人に復讐しなくては!というお話。これはテレビで実写化されてたと思う。既視感ありでしたが面白かった。最後の首無殺人事件もちょっとコメディーっぽくて面白かった。

  • なんだか独特な空気感のサスペンス。世にも奇妙な物語のノベライズを読んでいるような。
    デビュー作なのにとても完成度の高い一作。この人の次作にも期待が高まる!!

  • 『15秒』という前代未聞テーマを扱った短編集。表題作はダイイング・メッセージの新境地に挑んだ快作です。
    【このあと衝撃の結末】は作中作ものですが、衝撃度は一番。
    【不眠症】はオチが読めてしまいましたが、幻想的な雰囲気が良かった。
    ベストは【首が取れても死なない僕らの首無殺人事件】。「首が胴体から離れても15秒以内にくっつけば死なず他人の胴体との付け替えも可能」という突飛な設定で、友達と首を付け替えながら犯人を探す展開が面白く、決着の付け方も圧巻でした。
    何れもアイデアの手数は勿論、それを活かす手腕も素晴らしいと思いました。

  • 今年のこのミスで知って気になったので。十五秒にまつわる短編集。これがデビュー作らしいが『十五秒』と『首が取れても死なない僕らの首無殺人事件』は強烈におもしろくて、新人とは思えないレベルの怪作だと思う。特に『首が取れても死なない』の終盤は爆笑ものなので必読。
    ただ、残りの二短編はインパクトがやや弱かったのが残念か。次回作を期待して待ちたい。

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