- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488020200
作品紹介・あらすじ
どこをさがしても見つからない。いくらさがしても見つからない。残り一球が見つからないと帰れない。いったいボールはどこへ行ったのだ? 闇雲にさがしても無駄だ、頭を使おうと高校野球部の部員たちは推理でボールの行方を突きとめようとする。著者の出発点となった「ボールがない」をはじめ、天文部員が日常の謎の解明に挑む「宇宙倶楽部へようこそ」、スイッチバック駅で起きた殺人の謎を描く「秘境駅のクローズド・サークル」など五編。著者の第一作品集。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ノンシリーズの推理小説短編集。
「ボールがない」
野球の練習後、100個あるはずのボールが99個しかない。ボールを見つけるまでは帰宅するなと監督はカンカン。探し疲れた1人の提案により、1年生部員たちは推論によってボールの行方を探る。
「夢も死体も湧き出る温泉」
川原を掘ると湯が出る“手掘り温泉”が名物の温泉地。観光客のひしめくその川原に、白昼、忽然と死体が出現。衆人環視の中で現れた死体の謎を解き明かせ!
「宇宙倶楽部へようこそ」
離婚以来顔も見たことのない父親からメールが届いた?! 添付された画像の意味を明かすべく、天文部を訪ねた主人公。謎の解明と引き換えに入部を迫られるが?
「ベッドの下でタップダンスを」
社長夫人との浮気現場に踏み込まれた主人公! ベッドの下に隠れるも、社長に見つかってしまう。しかし、社長も主人公を引きずり出すことができず、事態は膠着する。うっかり眠ってしまった主人公が目を覚ますと、ベッドの上に社長の死体が……。
「秘境駅のクローズド・サークル」
土讃線の坪尻駅を訪れたT大学鉄道研究会一行。思い思いに秘境駅を楽しんでいたが、駅前の廃屋でメンバーの1人が殺害される。他には乗降客も訪問者もおらず、犯人はメンバーの中に……?
図書館本。
ジャンルとしてはパズラーになるのだろうか。ごく軽めのロジカルミステリーというか。西澤保彦のパズラー系は理屈っぽくて苦手という方でも、こちらならとっつきやすいかも。
ライトな読み口の短編集なので、気軽にサッと本格成分を吸収したい時に良さそう。
ただ、内容的には可もなく不可もなく。
デビュー当時の作品が多いせいか、不自然さが目についたり、詰めの甘い部分も見られ、ツッコミどころも結構多い。
まだこれからの作家さんといったところだろうか。 -
短編集なので物足りなさを感じた。
「宇宙倶楽部~」や「秘境駅~」は探偵キャラがいたので、今後その人たちが活躍するとかあるのかな~ -
著者が東京創元社から発表した短編などに書下ろしを加えた第一短編集。やはり有栖川創作塾の出身だけあり、ほのかに有栖川さんの空気感がする。というのも青春の一片を切り取った作品が多いように思えたからだ。そこにさらりとユーモアを交え、謎に対しては論理的に解いてみせる。短編集なので小粒な印象は拭えないが場面や状況を変えながらミステリに仕立てあげるのが上手いと感じた。個人的に好きなのは「青春日常の謎」ものの2作品。特に「ボールがない」は下らない題材ながら素敵に物語をまとめていて、いかにも青春っぽくて良い。
-
ミステリ短編集。個人的には「秘境駅のクローズド・サークル」と「夢も死体も湧き出る温泉」が面白かった。両方とも謎の探偵がさらっと解決しちゃう系。
-
1話目が胸糞でわけ分かんなくて、無理…てなったんだけど、がんばって表題作も読んでみたものの、やっぱりわけ分かんないし、おもしろくはなかった。
-
論理思考で謎を解明していく短編5篇。
見つからないボールの謎、天体写真の謎、手掘り温泉に湧き出た死体、秘境駅のスイッチバック駅で起こった殺人など日常の謎プラスアルファといった軽めのミステリ。
謎を足でなく論理的思考で解決する過程が楽しい。
事件の切り口もなかなか個性的で楽しめた。
宇宙倶楽部と鉄道研究会は続編も読みたい。 -
短編集。日常の謎ほのぼの系かと思いきや3編は殺人事件を扱っているが、“手掘り温泉”から湧き出る死体、浮気現場に踏み込まれてベッドの下に隠れた間男のドタバタ騒動、何もない秘境駅での殺人など舞台設定が面白かった。
-
日常ミステリーと本格(?)ミステリーが混在した短辺ミステリー集。
どれも文体は軽く読みやすいのでミステリー初心者でも気楽に読めました。 -
連作じゃなかった。通りすがりの探偵パターンはまた読みたい。