天の川の舟乗り (名探偵音野順の事件簿)

著者 :
  • 東京創元社
3.25
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本棚登録 : 168
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028343

作品紹介・あらすじ

怪盗マゼランを名乗る人物から届いた「祭の夜 金塊を頂く」という脅迫状。しかし、実際に起こったのは密室殺人事件だった。空飛ぶ舟や湖の巨大生物などの目撃情報が上がる村で、いったい何が起こっているのか。金塊を祭る村で起きた事件を描いた表題作をはじめ、世界一気弱な名探偵音野順がいやいやながらも謎を解決する大人気シリーズ、第三の事件簿。書き下ろし1編を含む、4つの事件を収録。音野順、ついに走ります。

感想・レビュー・書評

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  • 世界一気の弱い名探偵・音野順が帰ってきた。前作「密室から猫を取り出す方法」が2009年刊行なので、12年振りの続編。正直、続編が出るとは思っていなかった。

    設定の詳細も忘れていたが読み始めれば問題なかった。イメージとしては坂木司さんの引きこもり探偵シリーズに似ているが、全く外に出ないのではなく助手で小説家の白瀬に引っ張り出される形で現場にも赴く。
    しかし名探偵の一番の見せ場であるはずの犯人を示すことが苦手。優しすぎて時に犯人にまで同情してしまい自己嫌悪に陥るのだ。

    表題作である中編は、金塊を御輿に担いで村内をまわる金塊祭が行われる村で起きた密室殺人。
    その村では数年前から祭の時期になると何かしらの事件や事故が起きていたらしい。さらに今年の祭の前には湖上に浮いて走る舟や謎の生き物マッシーが目撃されていた。
    一見バラバラに見える、本当か嘘か分からないような現象も含めての様々な要素がピタリとはまるところが気持ちいい。

    トリックや動機についてはツッコミどころもあるが本格ミステリーらしくて楽しめた。音野の謎解きシーンは相変わらずたどたどしいが、いざとなると思いきったことをする行動力もある。

    他に髪が伸びる人形にまつわる謎、音野の兄で音楽家の要が弟と真逆で堂々たる探偵振りを披露する活躍譚、そして表題作の続編の三つの短編も収録されている。どれもサクッと解決されるが楽しめた。
    シリーズものではあるが、これだけ読んでも特に問題いかと思う。

  • 気弱な名探偵「音野順」シリーズの三作目。
    北山さんの独特の巧みな文章に操られて一気読みでしたね✨
    ユーモアミステリーですが、ファンタジーの一面も有り楽しめました

  • トリックが本当にトリッキーで、淡々と進んでいく話。登場人物が個性的ではあるが、感情的ではないので、そこまで感情移入せずに、こちらも淡々と読める。
    表題の短編?中編?の被害者が選ばれた理由がいまいちわからなかった。

  • 引きこもり探偵シリーズ第3弾の中短編集。
    音野の兄も登場するが、弟とは真逆の堂々たる探偵っぷりがすごい。
    表題作は中編で、むかし金山があった村で行われる金塊祭の前に怪盗マゼランを名乗る予告状が届いたことから、音野たちは依頼されて祭りに行くことになり殺人事件と遭遇する。
    湖の上を飛ぶ船やネッシーのような巨大生物など想像すると楽しい。なかなかぶっ飛んだトリックも含め、メルヘンのような読後感だった。

  • 【収録作品】人形の村/天の川の舟乗り/怪人対音野要/マッシー再び
     人が死に、真相は重いのに、語り口の軽さで深く考えることもなく読めてしまう。フィクションとして消費するのだから読みやすいのは歓迎ではあるのだが。関係者の朗らかさに違和感を抱いてしまうが、そこは言わぬが花というものか。

  • 久しぶりに引きこもり探偵音野順が読めた
    ものすごく懐かしい~!
    外出嫌いおどおどしっぱなしの名探偵、白瀬に連れ回されながら事件解決(これも嫌々)…ふたりいいコンビ
    本当にできる?と思うようなびっくりトリックが多いのだけれどそれも楽しめた
    兄の要さんもいいキャラだな(弟を“名探偵”と言っているの素敵)

  • いやいや推理する探偵は他にもいるけど、ここまで他者と関われずにおどおどする探偵は珍しい。世界を股にかけて活躍している兄がちゃんと弟を名探偵として認めてるのもが良い。面白かった。

  • 2021.6.3読了。
    久々の北山節を堪能できました。

  • まさかの12年ぶりのシリーズ第3弾。
    短篇3作と表題作の中篇。

    マッシー饅頭どれだけ食べるの⁉︎

    怪人対音野要は退場時の出立ちと方法が怪人ぽいところが最高。
    犯人を指差してしまうところなんて、正に白瀬が好きそうな探偵像なのに、白瀬は順に付き添ってるのが良い。

  • トリックは薄めだったけど、まずまず面白く読めた。

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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