Xの悲劇 (創元推理文庫) (創元推理文庫 104-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104016

感想・レビュー・書評

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  • 散々「本格は物足りない」だの「海外物は読みにくい」だの言っていて、結局読んでるわたしがいる。
    どこかで話題になってると、その意味が分からないのがすごく悔しくてねぇ。
    でも読んでみると、なんでそんなに話題になるのかよく分からない。
    っつーか、じーさん!大丈夫とか言ってて、また人殺されてんじゃん!と突っ込みを入れたのはわたしだけじゃないハズ。
    列車の中じゃ人の行き来をちゃんと見てないし。
    だめじゃん。じーさん。
    もっとすごい人なのかと思ってたよ。
    あと、おまえルパンか!?周りのやつ早く気付けよ!!とかね。
    でも、疑問に思っていた部分のカラクリについて、ちゃんと説明してくれたからちょっと評価UP。

  • やられました…(笑)

  • 作者が没して30年以上。
    名作というか、古典というか、現代のミステリを読んでいく上で、前提となる作品…
    とのことで読みはじめました。
    古い作品なので、読みにくさも当然ありますが、
    私の思っていた以上に話は分かりやすく、中盤からはスラスラ読めました。
    この本を紹介してくれた先輩曰く、XYZ全てが、レーン最後の事件の布石らしく、一生に一度は読むべき!!
    とのことなので、楽しみにしています!!

  • ロジカルには、最初の事件の時点で犯人は特定できてたというのがすごい。
    御年60歳のレーン氏の日光浴シーンには目玉ポーンてなった(笑

  • 初めて読んだ推理小説です。この本がきっかけでミステリーの世界にはまりました。

    最近は古典的名作の代表作品として取り上げられていますが、僕は何度読んでも斬新だなあと感心してしまいます。
    近頃、新訳も出てきたようで本当に喜ばしいことです。

  • 学生時代に堪能して以来のご無沙汰のクイーン作品です。翻訳によってずいぶんと読み易さに違いがあった気がしたのですが、手元のものやアマゾンのプレビューなど3人ほど翻訳を比べてみましたがあまり差は感じませんでした。一度読んでいるものだからでしょうか。むしろ私の年齢では創元推理文庫版の字の小ささが辛くなりました^^;。ミステリ好きとしては二番目の殺人から想像するものはありますがそれでもとても真相には到達できません。一人で抱えてないで…と思いつつぐいぐいと引っ張られる後半は圧巻でレーンの魅力を存分に楽しみました。

  • ちょっと古さを感じて読みにくいところもあって、時間がかかってしまった。
    レーンのまわりくどい言い方にイライラしたり、芝居のセリフの引用が分かりづらかったり。
    ストーリーは面白かった。

  • ニューヨーク。
    電車の中でニコチン毒による殺人事件が起きた。
    容疑者数名、頭を抱える警察…事件に挑むのは聾者の名優、ドルリー=レーン!

    *****

    耳が聞こえず、読唇術により会話を成立させる、俳優探偵、ドルリー=レーン。
    とある事件でレーンが知恵を与えたことにより、今度は警察からの依頼がやってくる。
    しかし、なかなか事件は進展せぬまま。
    だんだん警察もレーンの実力を疑い始めたりして。

    渋い、かっこいい、思慮深き、探偵。
    ダンディー…と、オジサン好きな私はうっとり。
    変装して捜査に乗り出すのもたまらない。

    海外ものは頭に入り込みにくいと感じがちながら、少し耐性ができてきたのか、割と序盤から楽しく読んだ。
    ただ、読むのに必死だったのか、さっぱり犯人探しは手を出さず、出せず。
    物語の中に解決への手がかりはあったはずなのになぁ。
    謎解きのくだりもサム警部が「あざやかだ――絵のようにあざやかだ」と評したように、答えへの行程を披露してゆくレーンに目をぱちぱちさせながら読む私。
    クイーンの読者への挑戦状、受け取り損ねたみたい。

    シリーズなので、この後のものも楽しみに。
    今度はもうちょっとぶつかってみたいな。

  • 注!思いっきりネタバレしています

    先だって、『ねじれた家』を読んでいたら、それが『Yの悲劇』と似ていると教わりまして。
    『Yの悲劇』といったら、エラリー・クィーン?
    そういえばエラリー・クィーンって読んだことないや、と。
    どんな話かとネットを見てみたら、なんでも『Yの悲劇』はドルリー・レーン四部作の2作目で。
    4作目で衝撃の展開があるので、1作目の『Xの悲劇』から読まなきゃダメなんだとか。

    思わず、「あぁ面倒くせー」と思ったもののw
    あらすじを見ると、『Y』は本格お決まりの館(一族)モノっぽいのに対して、『X』の最初の事件は市電の中。つまり街が舞台ということで、「こっちの方が面白そうじゃん」と。

    ちなみに、新訳の角川じゃなく創元にしたのは、本屋でパラパラ見てみたら、創元の訳の方がピンときたから。
    いかにも昔の翻訳モノという文章を“らしくていい”と思ったのと、会話は新訳の方が堅苦しい気がしたんです。
    実際、読んでみると、初版が1960年なんていう訳なのに、すごく読みやすくて。ストーリーの面白さもあり、第一幕はあっという間。
    さらに第二幕、第三幕と読み進めていったわけですが、違和感みたいなものはずっとありましたね。

    というのも、最初の事件、市電の車内で毒を塗った無数の縫い針が刺さったコルク玉を被害者のポケットに入れるなんてこと出来る?と、それがずっと引っかかっていたんです。
    1インチって、人差し指の第一関節くらいでしたっけ?
    その周りに縫い針が何十本も刺してあるっていうんだから、要はインフルエンザウィルスみたいな形状ですよね。
    そんな物、他人が着ている上着のポケットに入れられます?
    表面がなめらかな物なら隙を見て入れられるかもしれないけど、周りが針だらけの物ですよ。しかも、被害者は“あらい織りのツィードの上着を着ていた”とあるわけです。
    “あらい織りのツィード”なら、たぶんちょっと尖がった物でも引っかかりますよね(いくら、ポケットの中は滑らかな生地だったとしても)。
    ましや上着のポケットです。蓋だってついていたんじゃないでしょうか。
    もちろん、張りポケットだった可能性もあります。
    とはいえ、被害者は“背が高く”、“中年”、“頑丈な体つき”と、いわゆるアメリカ人の中年男性ですよね。たぶん腹は出ていて、上着のポケットがある辺りの余裕はほとんどないんじゃないでしょうか。
    コルクは針を含めると1インチ半とありますから、たぶん人差し指の半分くらい?
    そんなトゲトゲの物、どうやったら被害者にわからないようにツィードの上着のポケットに入れられるのか、全然イメージ出来ませんw

    また、犯人は自分の指に刺さらないように手袋云々とありますけど、刺さっているのは縫い針です。皮手袋だって、街で使うようなものなら簡単に通しちゃうはずです。
    防刃の手袋なら大丈夫でしょうけど、そんな物を車内でつけてい、自分で犯人だって言っているようなものですw

    2つ目の事件も変ですよね。
    2つ目の殺人は顔を潰すことに意味があるんですけど、それは揺れる船と埠頭の間に死体を堕とすことで潰すわけです。
    そんな不確実なことを期待して犯罪をする人、まずいませんよね?w
    だって、「今だ!」と落としたのに、船が埠頭を離れちゃったらそれっきりですよ。偽の傷を同僚に見せたりして、何年もその人になるふりしていたというのに。
    ていうか、コルクの針もそう思ったけど、もっと確実な方法、いくらでもあるよなぁ~www

    そういう風に見ていくと、3つ目の事件だって、何でここだけピストルなの?列車という音を聞かれたらアウトな場所だというのにとなりますw
    さらに、ピストルを川に捨てるのだって、そんなうまくいくものかなぁーと。
    その橋がどんな橋だったかはわかりませんが、アメリカの昔の橋を見ると、トラス橋というものが多いように思います。
    しかも、古いせいか脇の鉄骨の筋交い(?)みたいな物が現代の物より多いように見えるですよね。
    ということは、よっぽどタイミングを計らないと、投げたピストルは筋交いみたいなものにあたって近くに落ちちゃう可能性が高いと思うんだけど…!?

    ていうか、犯人が一番憎んでいるのは一番目の被害者だと思うんですけど、その殺害にあんなあっけない死に方をする方法を選ぶものかなぁー。
    あと、犯人は自分が捕まらないようにいろいろトリックを施すわけだけど、犯人の復讐第一な日常生活をふまえると、3人全員殺した後では捕まらないことに意味はないように感じるんですよね。
    本懐を遂げた後、彼はどうするつもりだったんだろう?
    そもそも、彼の戸籍ってどうなってるの?

    と、次から次へと不可解な話ばかりで…
    読んでいてすっかりしらけちゃったなーと思っていたら、最後の最後、なんだよ!指先で犯人を示していたって!?
    それで犯人がわかるヤツ、普通いねーよ!w
    ていうか、自分が殺されようとしている時に、そんなややこしいことして悦に入っているヤツはいません!
    てことは、指が犯人を示していたというのは間違いw
    えぇー格好しぃーのドルリー・レーンがそんな風にこじつけて、サムとブルーノに称賛されたかっただけ!
    ドルリー・レーンって、あれ?いわゆる、承認欲求過多なタイプ?(笑)

    とはいうものの。
    古典があるからこそ今があるわけで、古典を現代の感覚でネガティブな評価するのはフェアじゃないのは確かでしょう。
    でも、これらの方法が実際に出来るのかかなり疑問があるし。復讐心に駆られた犯人行動としては、ちょっとイメージに合わないんですよね。
    これじゃ小説というより推理ゲームだよね?と言ったらいいのかw
    正直、この小説の盛名って、「名作」という御墨付きだからこその評価であって。
    現代の作家がドヤ顔でこれを書いたら、「あり得ない」と一蹴されちゃうんじゃない?と言ってしまったら、いくら何でも言いすぎ?w

    ストーリーは面白いのに残念…、というか、「本格の古典」ということで、現代の本格推理という枠にとらわれすぎた頭で読んじゃった面もあるのかなぁー。
    現代の感覚でいう「ガチガチの本格」というよりは、冒険小説の中に推理の要素を取り込んだ小説というくらいのイメージで読んだら、印象は全然違ったのかもしれません。
    私はミステリー小説もあくまで物語として楽しむという質なんで。クィーンはトリック、ロジックガチガチというイメージがあったので敬遠していたんですけど、そういう勘って結構正しかったりするのかもしれません(クィーンといえば、ロックバンドのクィーンも大嫌いだったっけw)。
    とはいえ、トリック云々でミステリー小説を楽しむ人だと、また違うのかもしれないなーとは思います。

    ていうか、気合い入れて『Yの悲劇』も一緒に買っちゃったというのに、読む気なくなっちゃったよー。
    こっちの方がよっぽど「悲劇」じゃん!(笑)
    とかいって、衝撃の展開が待っている(らしい)4作目まで読むと、これらの難癖が全て解決されってことは、もしかしてある?

  • 電車内で第一の殺人事件が発生した。続いて船で、また電車で、殺人事件が起こる。明らかな連続殺人事件だが、犯人は全く意外な人物。

    タネ明かしが終盤に用意されているので、ああそういうことかと思う。真面目に推理小説を読み解くと面白いかもしれない。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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