犯罪文学傑作選 (創元推理文庫 104-25)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (634ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104252

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で読んだのが35年以上前で、『アン・エリザベスの死』が気に入っていたので古本屋で見つけたときに買っていたものだが、あまりに劣化してしまったので捨てる前に記録。
    Amazonで確認したら中古の現物しか無いらしく、かなり貴重かもしれないが仕方ない。
    本格ミステリ小説の大家でミステリ雑誌の編集者でもあったエラリー・クイーンがミステリ専業では無い文学者が書いたミステリ的な短編を集めたもの。
    私は上に書いたように『アン・エリザベスの死』という短編が好きだった。
    エラリー・クイーンはミステリ小説のアンソロジストとしても超一流という評価なので、基本的にクイーン選と銘打ったアンソロジーは買って損は無いと思う。
    (もちろん、古い人なので昔のミステリに興味があるなら、ではあるが)
    Amazonのページにも何が入っているかの情報が無いので以下に書いておく。
    ・死人に口なし/シンクレア・ルイス
    ・身代金/パール・バック
    ・園遊会まえ/W・サマセット・モーム
    ・「シャ・キ・ペーシュ」亭の殺人/エドナ・セント・ヴィンセント・ミレー
    ・陪審員/ジョン・ゴールズワージー
    ・殺人/ジョン・スタインベック
    ・男ざかり/ルイス・ブロムフィールド
    ・追いつめられて/チャールズ・ディケンズ
    ・ポールのばあい/ウィラ・キャザー
    ・盗まれた白象/マーク・トウェイン
    ・モナ・リザの微笑/オールダス・ハックスレー
    ・証拠の手紙/C・S・フォレスター
    ・散髪/リング・ラードナー
    ・すばらしい技巧家/ウォルター・デ・ラ・メア
    ・安楽椅子の男/ジェイムズ・サーバー
    ・マークハイム/ロバート・ルイス・スティーブンソン
    ・プリジャー家の宝/H・G・ウェルズ
    ・ユーモア感/デイモン・ラニヨン
    ・評決/フランク・スウィナトン
    ・アン・エリザベスの死/ファニー・ハースト
    ・修道士/ウィリアム・フォークナー

  • エラリー・クイーンがいわゆる「文学者」が書いた犯罪小説を集めた短編集。
    スタインベックやパール・バック、フォークナーなど名だたる作家が「犯罪」をテーマに書いた作品なので、ミステリを期待すると肩透かしかもしれないけれど、どれもこれも抜群に面白い。ただ、古い作品なのでちょっと今更な手法もあるかもしれないが、それを差し置いても十分に楽しめる(と思う)
    特にスタインベックの「殺人」の描写は凄い。ズバリタイトル通り殺人するだけの話だけれど、「水槽のなかに片手を突っ込み、水をかき回したが、月影が砕けて、光が渦を巻いて流れた」と表現が素晴らしい。
    創元推理文庫のリクエスト復刊だったので、現在は品切れ状態なのは残念。

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