- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488105488
感想・レビュー・書評
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「まあ、そう落ちこまないで。明るいことを考えましょう、わが友。またいつか、いっしょに犯人を追うことだってあるかもしれませんよ、ね? そのときこそは、きっと――」
2021/8/1読了
物語はポワロのこの言葉で締め括られる。同様の締め括りで、A・A・ミルン『赤い館の秘密』を思い出したが、これが最初で最後のミステリだったミルンに対し、本作こそ巨匠クリスティのデビュー作で、ポワロ&ヘイスティングズのコンビはこの先も活躍が続くのである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アガサクリスティのデビュー作。そしてポアロの初登場。
テレビでも観たし、多分ずっと前にハヤカワ文庫でも読んだ気がします。
とても新鮮な気持ちで読みました。
結末がわかっていても話に吸い込まれるってすごいですね、アガサクリスティ! -
アガサ、初期の名作・傑作の一つ
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アガサクリスティの処女作、エルキュール・ポワロ初出本。新訳で2021年に発売。この後に続くポワロシリーズの初回につき、ポワロの謎解きの考え方、迷った時、疑問に直面した時の基本的に態度が彼方此方に散りばめられている。個人的に大好きな刑事コロンボや金田一耕助の推理や目の付け所や考え方が根底で通じるものがある。新訳の解説書で時代背景、亡命ベルギー人、カントリーハウスが舞台の意味、毒薬がなぜ出てくるのか等読者の理解を助けてくれる。ともすれば鼻にかけたポワロのセリフも腑に落ちる。解説書からも緻密なストーリー構成が読み取れ、再読すれば更に旨みが出て面白く読める。