赤後家の殺人 (創元推理文庫 119-1)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 146
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488119010

感想・レビュー・書評

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  • 少し結末のインパクトは弱い気もするけど、それを上回るお話の面白さ。
    手がかり、あるいは手がかりらしきもの、のバラマキ方が上手くて、きれいに騙された。

  • H・M卿シリーズです。
    部屋が人を殺すというオカルト臭溢れる話です。
    フランス革命で有名な死刑執行人のサンソン家の血を引くマントリング卿の屋敷、絞刑吏の家の一室であるギロチンの間または後家部屋と呼ばれる部屋は1人でいたら死ぬと言われていて、実際、過去に4人の人間がその部屋で死んでいます。
    カーの作品の中でも怪奇趣味が色濃く、物語全体にオカルト臭が漂っています。
    くじ引きでその部屋に入る事になったベンダーは後家部屋で死体となって発見されます。
    全員にアリバイがあり、さらには密室という状況には心踊らされます。
    トリックは分かってみれば何て事ありませんが、全体に漂う怪奇色のせいでまんまとミスディレクションさせられてしまいました。
    オカルト、怪奇な雰囲気に惑わされてしまいました。
    検死では解決に重要なものを見過ごしていましたが、それはありえないんじゃないかと思いましたが、昔の話ですし、そういう事もあると思っても良いんでしょうかね。
    カーの怪奇色が強い話ですので、そういった雰囲気を楽しみたい方にはお勧めです。

  • 歴史背景を鵜呑みにすると
    まず著者のドツボにはまってしまう本。
    ミステリーを読む際はこの背景は
    軽く流すようにしましょう。

    トリックもそういうわけなので
    惑わされてしまうと盲目となり
    考えがつかなくなってしまいます。
    第一、第二の殺人ともにシンプルですよ。

    しかし、彼の作品は
    どの作品も「暗い」ですな。
    歴史ミステリーのほうはあまり暗くないですが。

  • H・M卿もの。その部屋に一人で入ったら死ぬ、というその部屋に入り、その中ではやはり死体が。その謎を解く。全員にアリバイがあり、密室という状況。そして、カーの怪奇色も強く、カーらしい作品です。そのトリックはまああれだったけど、犯人の意外性はありました。ただ、その根拠となるものがちょっと薄弱だったり、ちょっとした不一致があるので、その点はあれですが、物語としてはかなり楽しめる作品でした。

  • その部屋に一人でいると必ず殺人が起こると言われている部屋で連続殺人事件が起こる。途中で入るフランス革命の話とか、ギロチンの話とか。中々飽きずに読めました。

  • 人を殺す部屋とか昔の毒針仕掛け箱の話などガジェットは非常に面白いのだが、いかんせん冗長すぎた。シンプルなのに、犯人が意外なために犯行方法が複雑すぎて、犯人を犯人にするがためにこじつけが過ぎるような印象を受けた。

    第1の殺人ベンダーの毒殺方法は非常に面白く、これぞカー(ディクスン)!といった感じだが、やはり犯人の協力者であるベンダーがトリックを労してまで「後家の部屋」に入ろうとした根拠が強引であるという思いが拭えない。過去に過ごした4人が全て絶命しているという部屋にいくら友人の頼みとはいえ、自ら進んで入ろうとするだろうか?

    そしてやはり一番拍子抜けしたのが、H・M卿が最後に真相を話すにいたって、どの辺で犯人がアーノルドであると解ったという問いに、初めて会った時にと答えた事。
    それだったら第2の殺人を食い止められただろう!!
    ミステリ読者でさえ犯人が早々に解れば、犯人に着目して物語を読み進めるからトリックなり、事件の裏側に隠された行動なりが解るのだから、名探偵なら何をかいわんやである。この一言で大いに評価が低くなったのは間違いない。

  • 3-

  • H・Mシリーズ

    150年間に4人が死んだ後家の部屋。その伝説に挑戦する人々。くじ引きで選ばれたベンダー。クラーレの毒で死んだベンダー。あごの傷と歯医者の謎。第2の殺人事件。屋敷の主人アラン・マトリング卿の弟・ガイの撲殺事件。マスターズ主任警部の推理と逮捕。犯人を罠にかけるH・M。

     2010年7月7日読了

  • 2008/12/25購入

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著者プロフィール

Carter Dickson (1906-1977)
本名ジョン・ディクスン・カー。エラリー・クイーン、アガサ・クリスティーらとともにパズラー黄金時代を代表する作家のひとり。アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれる。1930年、カー名義の『夜歩く』で彗星のようにデビュー。怪事件の連続と複雑な話を読ませる筆力で地歩を築く。1932年にイギリスに渡り、第二次世界大戦の勃発で一時帰国するも、再び渡英、その後空襲で家を失い、1947年にアメリカに帰国した。カー、ディクスンの二つの名義を使って、アンリ・バンコラン、ギデオン・フェル博士、ヘンリー・メリヴェール卿(H・M卿)らの名探偵を主人公に、密室、人間消失、足跡のない殺人など、不可能興味満点の本格ミステリを次々に発表、「不可能犯罪の巨匠」「密室のカー」と言われた。晩年には歴史ミステリの執筆も手掛け、このジャンルの先駆者ともされる。代表作に、「密室講義」でも知られる『三つの棺』(35)、『火刑法廷』(37)、『ユダの窓』(38)、『ビロードの悪魔』(51)などがある。

「2023年 『五つの箱の死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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