007/カジノ・ロワイヤル 【新版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488138066

作品紹介・あらすじ

英国が誇る秘密情報部。なかでもダブル零のコードをもつのは、どんな状況をも冷静に切り抜ける腕ききばかり。党の資金を使い込んだソ連の大物工作員が、カジノの勝負で一挙に穴埋めをはかるつもりらしい。それを阻止すべく、カジノ・ロワイヤルに送り込まれたジェームズ・ボンド。華麗なカジノを舞台に、息詰まる勝負の裏で、密かにめぐらされる陰謀。007ジェームズ・ボンド登場。

感想・レビュー・書評

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  • 007の初仕事が画かれたこの作品。
     
    英国諜報部、MI6の00のナンバーを持つ7番目の男
    仕事の鬼
    酒と煙草と女好きの紳士
    スリルを楽しむ狂人
    女王陛下の狗
    我等がジェームス・ボンド

    劇場版しか知らない方は
    別物としてお読み下さい。

    派手なアクションシーンはありません
    奇妙な兵器もありませんし
    毎回車が壊れる事もありません(大抵壊れますが)
    カジノロワイヤルではありませんが
    平穏無事にしっかりと諜報部員として活躍する事もあります。
     
    そして、そうですね
    彼のオリジナルカクテル「ヴェスパー」が生まれたのも
    この作品です。
    ただまぁ、ヴェルパーって適当なバーだと呑めないんで
    呑んだ事無いんですよね。
    何せレシピが
     
    「ドライマティーニを一つ。一つだよ。
     深めのしゃん便グラスに入れた奴だ。
     ちょっと待った。ゴードンのジンを3に、ウォッカを1、
     キナ・リレのベルモットを二分の一の割合で。
     氷みたいに冷たくなるまでよくシェイクして、
     それからレモンの皮を薄く大きく切った奴を入れる。
     わかったね?」
     
    と事細かく注文しているので
    それなりの良いバーでないといけません。
    なので私は
    「ウォッカマティーニをシェイクで。掻き混ぜずに。
     それからオリーブを一つ」
    くらいしかやった事がありません。
     
    正直007シリーズは大好きなので
    登録し出すとキリがないのでやってなかったんですが
    ぼちぼちやっていこうかと思ったりしております。

  • イギリスの作家「イアン・フレミング」の冒険スパイ小説『007/カジノ・ロワイヤル(原題:Casino Royale/You Asked for It)』を読みました。

    「チャールズ・カミング」作品に続きイギリス作家によるスパイ小説です。

    -----story-------------
    英国が誇る秘密情報部。
    なかでもダブル零のコードをもつのはどんな状況でも冷静に切り抜ける腕利きばかり。
    ソ連の工作員でフランス共産系労組の大物「ル・シッフル」が、党の資金を使い込み、カジノの勝負で一挙に挽回をはかるつもりらしい。
    それを阻止すべくカジノ・ロワイヤルに送り込まれた「ジェームズ・ボンド」。
    華麗なカジノを舞台に、巨額の賭金をめぐる息詰まる勝負の裏で、密かにめぐらされる陰謀。
    「007ジェームズ・ボンド」登場。
    解説=「杉江松恋」
    -----------------------

    1953年(昭和28年)発表の冒険スパイ小説「007」シリーズの記念すべき長篇第1作です、、、

    「ジェームズ・ボンド」初の長篇だからかな… 拷問シーンは過激なものの、アクションシーンやベッドシーンは限定的だし、「ボンド」の超人的な活躍はなく、スパイの仕事に悩むシーンもあり、一介の工作員という印象が強くて、ちょっと新鮮でしたね。

     ■1 秘密情報部員
     ■2 M宛の書類
     ■3 007号
     ■4 敵の耳
     ■5 本部からきた女
     ■6 麦わら帽子の男ふたり
     ■7 赤と黒
     ■8 ピンクの光とシャンペン
     ■9 ゲームはバカラ
     ■10 特別テーブル
     ■11 真実の瞬間
     ■12 死の筒
     ■13 「愛のささやき、憎しみのささやき」
     ■14 「バラ色の人生?」
     ■15 黒うさぎとグレイハウンド
     ■16 肌のむずつき
     ■17 ねえ、きみ
     ■18 岩のような顔
     ■19 白いテント
     ■20 悪の本質
     ■21 ヴェスパー
     ■22 急ぐ大型車
     ■23 情熱の潮
     ■24 禁断の果実
     ■25 黒い眼帯
     ■26 ぐっすりおやすみ
     ■27 血まみれの心
     ■解説 杉江松恋

    ソ連・スメルシュのフランスにおける工作員である「ル・シッフル」は、使い込んだ組織の資金を穴埋めするため、ロワイヤル・レゾーのカジノでバカラによる一攫千金を狙っていた… イギリス秘密情報部員「007」こと「ジェームズ・ボンド」は、上司「M」からバカラで「ル・シッフル」を負かして破滅させるよう命令される、、、

    「ボンド」は、同僚の女性「ヴェスパー・リンド」、フランス参謀本部2課の「ルネ・マティス」、CIAの「フェリックス・ライター」と連携し、カジノで一度は窮地に陥りながらも三千二百万フランの巨額にまで達したバカラの勝負に勝ち任務に成功するが、その直後に「ヴェスパー」が「ル・シッフル」に拉致され、後を追った「ボンド」も捕まり、金を返すよう拷問にかけられる… しかし、「ル・シッフル」はスメルシュの刺客に粛清され、「ボンド」は命拾いをする。

    「ボンド」は自分の仕事に疑問を抱いて辞職を決意… 「ヴェスパー」との結婚を考えるが、その結末は、、、

    実は彼女はソ連の二重スパイだったんですよね… 「ボンド」のことを愛した「ヴェスパー」でしたが、ソ連を裏切れば自らがスメルシュに殺さるだけでなく、「ボンド」も狙われてしまうことから、自ら命を絶ちます。悲劇でしたね。

    「ボンド」の超人的活躍はなく、一介の工作員として、スパイの仕事に悩む姿に人間らしさを感じました… 共感できて感情移入しながら読めましたね、、、

    ちなみに、本作品は1963年(昭和38年)に翻訳された際のタイトルは『カジノ・ロワイヤル 秘密情報部〇〇七号』だったそうです。


    それにしても、本作品のそもそもの設定… 工作員として与えられた資金を使い込んでしまい、バカラで取り戻そうするソ連のスパイ「ル・シッフル」の行動もどうかと思いますが、、、

    それに対し、工作員をカジノに送り込み、バカラで勝負させて破滅させようとするMI6の作戦って、現実味がなくて、何だそりゃ… って、感じですよね。

    まっ、これくらいの荒唐無稽な設定の方がエンタテイメント性があるからイイのかなぁ。



    以下、主な登場人物です。

    「ジェームズ・ボンド」
     英国秘密情報部員

    「M」
     ボンドの上官

    「ル・シッフル」
     ソ連工作員、「アルザス労働者連合組合」地下会計責任者

    「ヴェスパー・リンド」
     美貌の英国秘密情報部員

    「マチス」
     フランス参謀本部第二課員

    「フェリックス・レイター」
     米国中央情報局員

  • 【G1000/30冊目】007の一作目。ル・シッフルというフランス共産党の小悪党が自ら開けた資金の大穴をカジノで返そうという愚挙をボンドがカジノの勝負(但し原資が税金)で追い込んだはずが、ボンド自身の油断もあって一旦は追い詰められるものの、隙きを見て返り討ちにしたが、その結末は苦い話であった。ということだが、映画で見るような派手なアクションやボンドガール(のような者は出てくるが)の姿は無く、エンターテイメント性は薄い。良くも悪くも映画の007はハリウッド作品であるということか。

  • スパイものファンとして、これは読んだことがないと恥ずかしいも思って読了。
    すでに映画を観ているので、脳内ではダニエル・クレイグだったけど、読みやすくて、愉快痛快な作品。(やってることはあまりスパイ感ないけど、そんなことは映画でお馴染み)

  • 「007シリーズ」の第一作。

    ジェームズ・ボンドの任務は、ギャンブル(バカラ)に勝って敵国スパイの資金源を断つこと(え?)。

    確かにダンディーでカッコいいけど、カッコいいだけの、昔の男のおとぎ話。

  • 情景を描くのが丁寧。これが007の原作かという感じ。スパイって大変。

  • 映画版007のファンで原作を手に取ってみることに。
    まあまあだったかな。ストーリー自体に特筆すべきところはないんだけれど、ディテールにこだわりが感じられる描写には臨場感があり読み応えがあった。

  • ジェイムズ・ボンドシリーズ第1作で、1953年発表作。英国秘密情報部の為すことは正義であり、悪と定義した国家/組織、邪魔立てする者には、超人的スパイを送り込んで葬り去るという単純明快さは、デビュー作から一貫している。西側諸国に恐怖をもたらす悪の権化/共産主義の親玉ソ連の手先は、例え悲劇的な事情があろうとも容赦無く殲滅せねばならない。その使命を帯びた特権的エージェントであり〝ダブル零〟の称号を持つ者、すなわち007号こそが、偉大な大英帝国の敵に立ち向かう資格を持つ。本作のラストで能天気な決意を固めるボンド。その直前まで色に溺れるままに、或る女に騙されていた後の独白としては大いに滑稽なのだが。食と酒と車、さらには女について一過言持つ伊達男。拷問された直後に弱気になって引退を口にし、善と悪についての脆弱な問答を繰り広げるスパイ。どう読んでも格好悪いのだが、以降映画化もあって爆発的人気を得たのは承知の通りである。カジノ内でのバカラのシーンのみ面白い。

  • 2006年の映画は、この原作に割と忠実だったんだな。 翻訳のおかげで文章スッキリ読みやすくさくさく進みました。情事の描写も爽やかさすら感じる様で。w 昭和のハードボイルド。

  • 選書の過程で読んだ1冊。

    007シリーズの第1作。007シリーズといえば、「大きな敵!最新兵器!マッチョな最強スパイ!謎の美女!」という映画のイメージが先行するけれど、フレミングの筆致はそれにはやや遠く、理詰めで話が進んでいく。アルザスの労組幹部のバックにいると思われる黒幕を引きずり出すための仕掛けがアクションではなく、延々とバカラで勝負を挑んでいく場面は意外とハードボイルド感が大きい。

    個人的には、007シリーズの初期設定を楽しむにはいいと思ったけれど、ハードボイルドのテンプレートとなってしまった設定も多いし(当時はそれでよかったのだけれど)、お姉ちゃんとのシーンはいろいろ唐突でちょっとどうでもよかったりで、小説としての厚みはもう一声ほしい感じがした。でも、ラストの5行くらいはものすごくかっこよくてしびれる。ここを読めただけでもよかった。

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