くたばれ健康法 (創元推理文庫 165-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488165017

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  • 健康カルトの教祖が射殺死体で発見された!犯行現場は施錠されており、銃創の位置からみて犯人は階下のプールから狙撃したとしか考えられない。さらに奇怪なことに、被害者は死後にパジャマを着せられていた……奇抜な設定と諧謔に満ちた、ユーモア・ミステリの佳作として知られる作品。終戦直後に発表された小説であるため、本作を読んで抱腹絶倒する現代人は稀かもしれない。だが、演繹と消去法で真相に迫ろうとする論理展開は、紛れもなく本格の系統に属するものである。一見すると馬鹿馬鹿しくすら感じられるオチも良い。とにかく意外性を求めるという方は一読の価値あり。

  • 「ユーモア×本格」が完璧に為されている。
    大仕掛けの笑い、ドタバタコメディ、愉快なキャラクター。
    そしてその大仕掛けな笑える設定が、密室殺人の真相に肉薄しているのだ。
    ユーモアだけでなく、本格推理小説としてもしっかり推理・検証がされており、どちらも蔑ろにしていないのが素晴らしく、予想の裏をかいてくる真相には驚かざるを得ない。
    日本では隠れた名作といったところだろうか。

  •  奇を衒ったハウツー健康本ではなく、れっきとしたユーモアミステリ。中身は全米に5000万人の信者をもつ健康法教祖が銃殺されるという事件で、こと健康法に関しても多分にカリカチュアライズされている。事件の起こった離島のホテルには動機のありそうな係累たちがうろついており、事件と関係があるのかないのかとにかくドタバタの笑劇が繰りひろげられる。誰が何のためにどうやって銃弾を撃ち込んだのかという謎解きはともかく、居合わせた国会議員は言うに及ばず捜査役の警部までがロマンスにうつつをぬかしたりのコメディがこなれた訳文で展開してゆき、楽しめる。トリックそのものはそううまく特殊状況を捉えられるかというようなものだけど、怪しげな健康法そのものが鍵になっているところなどなかなかうまい。

  • アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞受賞作
    喜劇と謎解きが競いあう、衝撃の名作!

    冒頭の滑り出しや、設定は良かったが、いかんせん文に癖がありすぎて、読みにくい。
    トリックのネタも大したことはなく、タイトルにやられたって感じ。

    ミステリ:☆☆
    ストーリー:☆☆
    人物:☆☆
    読みやすさ:☆

  • 再読。 密室で背中を撃たれ殺された健康法教祖の謎に挑むのは、あまり頭のよくない警部殿。当然、事態はますます混乱し…。
    健康法ブームや民主党、共和党を皮肉ったようなドタバタ騒ぎが愉しい。トリックを可能にするため練りあげられた舞台設定や多重解決的なラストも見事。

  • すごいタイトルだねぇ。
    でも本格推理ものだよ。
    決して最後は滔々と語る形式じゃないから
    最後の理屈っぽいのが嫌いな人でも
    読めると思います。

    そして、解決までは
    なにやら恋愛沙汰やらどうも怪しい要素が
    ちりばめられていますが惑わされないでね。

    犯人は、やはり意外なとこから
    頭を出しましたね。
    そう、惑わされちゃいけないのです。

  • いやー、面白かった。もう全てが面白い。ユーモアミステリでありながらガチガチの本格と言うとても珍しいこの作品。海外もの特有のユーモアで日本人には分かりにくいものもあるんだけどそれでも作者が楽しんで書いてるような雰囲気が伝わってきて面白くなれる。また事件も、弾丸は身体に後ろ側から入っているのに、着ているパジャマには穴が開いていないという不可能興味に彩られたものであり、またその解決も充分にミステリ的興味を満たしてくれる。

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