- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488183028
作品紹介・あらすじ
実直な建築家が住むフラットの浴室に、ある朝見知らぬ男の死体が出現した。場所柄、男は素っ裸で、身につけているものは金縁の鼻眼鏡のみ。一体これは誰の死体なのか? 卓抜した謎の魅力とウイットに富む会話、そしてこの一作が初登場となる貴族探偵ピーター・ウィムジイ卿。クリスティと並ぶミステリの女王が贈る会心の長編第一作!
感想・レビュー・書評
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クリスティに並ぶと言われるミステリの女王、ドロシー・L・セイヤーズの長編第一作です。
気になっていた作品でしたが古書店で見つけて、久しぶりの古典ミステリ読了でした。(旧版購入)
ピーター・ウィムジイ卿(貴族探偵)が事件を追っていきますが、その従僕のマーヴィン・バンダーとのやりとりも愉しいです。
P・G・ウッドハウスのバーティーとジーヴズ(こちらはユーモアたっぷりですね)よりかなりミステリ強め、といったところでしょうか。笑
ともに事件を追うパーカー警部は、ポアロで言うなら、ヘイスティングス、サグ警部はジャップ警部かな。(勝手に組み合わせてしまいました。笑)
浴室に見知らぬ男の死体と失踪した金融界の名士、謎が多い2つの事件が交錯していき、猟奇的な犯行が明らかになっていきます。
シリーズ長編、短編集も翻訳されてますので、そちらもまたおいおい読んでいきたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めての作家、ドロシー・L ・セイヤーズ。
最近気に入って読んでいるシェトランドシリーズの
アン・クリーヴスも同じく英国のミステリー作家だけど、二人の作品の印象は正反対で、クリーヴスが陰だとすると、こちらはまさしく陽!という感じ。
テンポよくストーリーが進み、犯人らしき人物もわかりやすく登場し、あまり頭を悩ますことなく素直にお話に没頭できる。
都会に住む華やかな貴族が鮮やかに事件を解決。
もちろん、そばに付き従う仕事が出来るバトラーの存在もあり。
だけどシェトランドシリーズどどちらが好きか、と聞かれると、わたしは断然ペレス派。
遅々として進まない展開に、最初は慣れなかったのに、
今ではそれが楽しみのひとつに。
この作品を読みながら、そのことを再確認した。
さて、アン・クリーヴスの7作目、「地の告発」に参りましょうか。
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ちぃさん、お返事ありがとうございます♪
目安になってるなんて!素直に喜んでます♪
私は現実逃避的に読書してるので、日常から遠い世界、海外の...ちぃさん、お返事ありがとうございます♪
目安になってるなんて!素直に喜んでます♪
私は現実逃避的に読書してるので、日常から遠い世界、海外の昔のものを選びがちです。
ちぃさんからお薦めの「マリアと蓮」シリーズは日本の作家さんだけど楽しく読めて嬉しいです!日本のものでおすすめの(できればシェトランド風ゆっくりペースの)ミステリありますか?ドキドキしすぎると寝かせる変な癖があるので。2024/03/02 -
111108さん
たくさんのミステリーを読まれているので、わたしからおすすめできるものがあるかどうか。。
視点が新鮮でおもしろかったのは、...111108さん
たくさんのミステリーを読まれているので、わたしからおすすめできるものがあるかどうか。。
視点が新鮮でおもしろかったのは、降田天の「偽りの春」
おすすめする中では唯一の、”しっかり”ミステリーです。
上橋菜穂子のシリーズもの(守り人シリーズなど)は、ゆったりではなくドラマチックな大河風作品ですが、作り込まれたその世界観が素晴らしく、食べ物の描写もリアリティがあります。
古内一絵のマカン・マランシリーズもおいしそうな食べ物続出で、ドラァグクイーン、シャールさんが
悩める人たちを癒す物語です。
もし気になるものがありましたら、チェックしてみてくださいね。2024/03/03 -
ちぃさん、お返事ありがとうございます♪
降田天さん、上橋菜穂子さん、古内一絵さん、お名前聞いたことありますが手に取ったことなかったです。ち...ちぃさん、お返事ありがとうございます♪
降田天さん、上橋菜穂子さん、古内一絵さん、お名前聞いたことありますが手に取ったことなかったです。ちぃさんおすすめポイントにそれぞれ気になるところがあるので、これから探してみようと思います!2024/03/03
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今更ながら、初セイヤーズ。
本書はピーター・ウィムジイ卿シリーズ、長編第一弾となっております。
ある朝、とある建築家の浴室に、見知らぬ男の死体が、金縁鼻眼鏡以外何も身に着けていない状態で発見されます。
一方、同じ頃に金融界の名士が謎の失踪を遂げていることが判明して・・・。
ちょっと想像してみたのですが、自分の家のお風呂に、いきなり知らない人の死体がある状況って怖すぎますよね・・。
「水ダウ」の“人がいるシリーズ”じゃないけど、“死体がある”とは・・何気にシュールな設定だなと思った次第です。
で、この“風呂場の死体の謎”と“消えた金融家の謎”を、貴族探偵ピーター卿が並行して追っていく展開で、勿論謎解きも面白いのですが、何といってもピーター卿&従僕のバンターのやり取りが軽快で、この主従のキャラクターがナイスなんですよね。
とくにスーパー執事・バンターの有能っぷりにはご注目でございます。
前述した通り、ウィットに富んだ主従の掛け合いが楽しいのですが、ちょいちょいピーター卿の引用過多で無駄に長い台詞にうんざりする部分も無くはないです。
まぁ、そこはピーター卿の友人・パーカー警部のように辛抱強く我慢して(多分、ピーターの長口舌中、パーカー警部は死んだ目をしていると思いますww)付き合ってあげるのがミソですな。
と、一見能天気なピーター卿ですが、実は従軍時のトラウマに悩まされているという一面もあり、ここでバンターとの出会いというか関係性も垣間見えるので、いずれこの辺りも深堀りしてほしいですね。
このように、基本コミカルな感じで進んでいくのですが、犯人に関しては意外性は無くて、怪しい人がそのまま犯人だった感じです。
ラストの手紙で犯行の詳細が綴られているのですが、人ん家のお風呂に死体遺棄した理由については、ぼんやりしていて今イチよくわかりませんでした。
とはいえ、終始面白く読めたので良かったです。
因みに、解説で今後のシリーズ展開について若干のネタバレがあったのには“おいおい!”となりましたが、是非続きの巻も読んでいきたいと目論んでおります~。-
あやごぜさん、こんばんは。
このシリーズ、ミステリーとしてどうかというよりピーター卿との掛け合いを楽しむのがいいですよね。バンター万歳大好...あやごぜさん、こんばんは。
このシリーズ、ミステリーとしてどうかというよりピーター卿との掛け合いを楽しむのがいいですよね。バンター万歳大好きです♪
あと、あやごぜさん同様に死体遺棄の意味不明だったのでよかった〜2024/02/07 -
111108さん。コメントありがとうございます♪
ピーター卿シリーズ、やっと読めました~。
確かに、このシリーズはピーター卿のノリや...111108さん。コメントありがとうございます♪
ピーター卿シリーズ、やっと読めました~。
確かに、このシリーズはピーター卿のノリや各キャラとの絡みを楽しむのが良いですね。
(他人の風呂に死体遺棄問題も、意味不明でしたし(;'∀')
私もバンター推しです!
あと、111108さんもレビューに書かれていましたが、ピーター卿の母上も味のあるキャラだと思いました。
今後が楽しみなシリーズですね~(^^♪2024/02/08 -
あやごぜさん
やっぱりあやごぜさんバンター推しですか!ピーター卿母もいいキャラですよね♪
ピーター卿の長い蘊蓄詰まったセリフはまぁ斜め読み...あやごぜさん
やっぱりあやごぜさんバンター推しですか!ピーター卿母もいいキャラですよね♪
ピーター卿の長い蘊蓄詰まったセリフはまぁ斜め読みするかして、一緒にシリーズ読んでいきましょう♪2024/02/08
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楽しかった。貴族探偵ピーター卿長編第一作。有能な従僕バンターとのやりとりが笑える。母親も強者。友人パーカー警部と共にフラットの浴室で発見された身元不明素っ裸の死体の謎を調査。癖強いピーター卿の意外な素顔も知り続編に期待。
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2024/01/24
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あっと驚くのではなく、ピーター卿とみんなが真犯人を追い詰めるその途中のわちゃわちゃが私にはとっても楽しいんです♪あっと驚くのではなく、ピーター卿とみんなが真犯人を追い詰めるその途中のわちゃわちゃが私にはとっても楽しいんです♪2024/01/24
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ウィットに富んで、オシャレ…読んでて楽しい。
シリーズ制覇するぞ。 -
貴族探偵ピーター・ウィムジイ卿の初登場作。
先に読んだ「殺人は広告する」より断然こちらが面白かった。
建築家が住むフラットの浴室に、ある朝、見知らぬ男の裸の死体が出現。怖い、怖すぎる。建築家の知人であるウィムジイ卿が謎解きに乗りだす。
ウィムジイ卿、調査はかなり真っ当。お金と地位を利用するふしはあるものの、地道に筋道たてて進めていく。そして執事のバンター優秀。
ウィットやアイロニーでウィムジイ卿のキャラクターがたっているシリーズだけれど、本作は本格的なミステリーとしても楽しめる。 -
第一次世界大戦でシェルショックを患い、犯罪捜査に気晴らしを求めている、という設定のピーター卿を初めとして、登場人物が何らかの戦争の傷痕を抱えている。そんな時代が舞台になっていることが、今回読み返して、以前より強く感じられました。
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ピーター卿のロジカルな思考を追うのが楽しかった
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貴族探偵ピーター卿シリーズの1冊目▲知人の建築家のフラットの浴室に、金縁の鼻眼鏡に裸体の死体が。一体これは誰か?折しも姿形の酷似した金融界の名士が失踪しており▼ウィムジイ卿の弟で、お金には困っていません!従僕のパンターはウッドハウスのジーヴズのような、こんなこともあろうかと系?先の大戦でシェルショックを患い気晴らしの探偵趣味に走っていますが博識で人間心理にも配慮した捜査は好感持てます。登場人物が魅力的で特に母親のデンヴァー先代公妃が素晴らしく、時代小説的なミステリ。ちょうど100年前の作品(1923年)
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貴族探偵ピーター・ウィムジイ卿シリーズの第一作目。主人公のピーター卿とその従僕バンターとのやり取りがおもしろい。正直なところちょっと読みにくかったが、次の話も読んでみようかなと思わせる魅力が特にバンターにあるので、次も読んでみよう。筆者がアガサ・クリスティと並ぶイギリスの女性推理作家だと知り手に取った一冊。