病める狐 下 (創元推理文庫 M ウ 9-8)

  • 東京創元社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488187088

感想・レビュー・書評

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  • 安心安全のミネット・ウォルターズがまたしても期待に応えてくれました

    どんなに陰湿で凄惨な事件が起きて、どんなにサイコパスなシリアルキラーが 登場しようが幕切れは爽やか

    ミネットのファンってこういう所が好きなんだろうなぁって思うのよね

    そしてわたくしもこの終わり方大好きだ
    心根のいい人は必ず報われて終わる
    悪い人は必ず罰せられて終わる
    良い方も悪い方も一人残らず誰も忘れられることなく

    あーもうすぐミネットの全作品読み終わっちゃうなー、悲しわー

    とにもかくにも『病める狐』どれも素晴らしいミネット作品のなかでもかなりお薦めです

    • 土瓶さん
      「女彫刻家」と「氷の家」は読んだ気がするんですよ。
      もちろん、例によって例のごとく、欠片も覚えてないんですがね!!
      「女彫刻家」と「氷の家」は読んだ気がするんですよ。
      もちろん、例によって例のごとく、欠片も覚えてないんですがね!!
      2023/03/20
    • ひまわりめろんさん
      だったら『鉄の枷』か本作『病める狐』だけど土瓶さんなら多分『鉄の枷』のほうかな
      だったら『鉄の枷』か本作『病める狐』だけど土瓶さんなら多分『鉄の枷』のほうかな
      2023/03/20
    • 土瓶さん
      りょ~か~いm(__)m
      りょ~か~いm(__)m
      2023/03/20
  • 読み始めは何もかもがてんでバラバラな感じで、正直これはだめかもと、あきらめかけた。でもやはりミネット・ウォルターズでした。だんだんと組み合わさっていき理解が深まってくると今度はグイグイひきこまれる。後半はノンストップな感じで読み切りました。
    この方の描く人物が魅力的ですよね。なんと言ってもナンシーですが、最初あんなに印象悪かったマークにしても然り。やな爺さんかと思ってたジェームズにしても然り。そして最後までわからない意外な真相。
    充実した読者タイムでした。

  • (上巻より続く)

    とはいえ、
    祖母の死や農園を狙う謎も面白かったが、
    なにより、事件が解決したその後が良かった。
    トラヴェラーのベラ一家が農園に住んで再生させ、
    トラヴェラーの子どもが養子にもらわれ、
    祖父と孫娘も仲良くなる。

    やはりハッピーエンドが重要。

  • 英国陸軍の大尉ナンシーの元に弁護士が訪ねてくる。弁護士マークの意に反して、彼女は非常に知性的な女性で満ち足りた暮らしを送ってきたために、彼が口にしたロキャー・フォックスという名も何の価値もなさなかった。だが見るからに、ナンシーはロキャーフォックス家の主ジェームズの孫娘であった。一方、ジェームズは誹謗中傷と無言が繰り返されるいたずら電話に毎夜悩まされていた。また、静かなシェンステッド村にはトラヴェラーの一行がやってくる。彼らのリーダーは、フォックス・イーヴルと名乗り、この村やジェームズ一家のことを熟知していた。そんな中、引き寄せられるようにナンシーがジェームズの元へやってくる。
     実はナンシーは、ジェームズの娘エリザベスが産んだ父なし子なのですが、すぐに養子に出されました。ですが、そんな境遇などものともせず、知性と優しさを併せ持った彼女は、非常に美しく力強く感じられました。彼女の父親が誰なのかという謎は、この小説が秘めている数多い謎のひとつですが、知らない方が幸せな真実もあるということをこの作品は教えてくれます。

  • 群像劇ではなくミステリだった。
    思わぬところでラブ発生。
    ウルフィーが予想外に可愛く成長。
    誰が盗まれた金額を支払ってくれるのか心配。


    お、面白かったー。

  • シェンステッドの名家ロキャー-フォックス家の問題多い子供達レオとエリザベスはとうに家を出ていた。当主ジェイムズの妻の不慮の死、犯人と疑われたジェイムズは次第に追いつめられていく。折しもクリスマスの時期、女性軍人ナンシーがジェイムズの弁護士と共に不審な出来事に立ち向かう。個性豊かな登場人物が描き分けられ、さまざまな愚かさや異常さ、善意でも行き違ってしまった辛さ、けれども人の交流の暖かさも希望もある…ぐいぐい食い込んでくるシャープな現実味。辛口だがやや薄味かと思ったが、う〜ん、さすがウォルターズ!「鉄の枷」と「蛇の形」の中間ぐらいの重さかな。視点が変わるのがややこしいが、これがシンプルなら、いかにも英国的ミステリ(というかやや冒険物系?)らしい展開。

  • 町?村?の描写がいい。お見事すぎる人物描写。

  • 「氷の家」「女彫刻家」のミネット・ウォルターズが二度目のCWA最優秀長編賞を受賞した作品。

     イギリスの寒村で起こる、死と暴力。

     読み終えたあと、また最初から読みたくなります。
     なんつーか、ぐちゃぐちゃに絡まった糸を、少しずつほぐしていって、最後に真直ぐになった…そんな快感があります。
     やっぱり、すごいよウォルターズ。

     物語が実際に動き始めるまでに、かなり長い導入があって、ちょっとしんどいww が、これを超えると一気に走り始める。ジェットコースターのすごいヤツって、のぼりの時間が長い。そんな感じと思っていただけるとよろしいかと…。
     
     主人公は、軍人一家のふしだらな娘が若くして産み、養子に出した娘。
     彼女も、軍人になっている。この設定が、すごく生きてる。生きてるから、彼女と祖父のやり取りが格好いい。
     この作品、出てくる人間が、いい人も悪いやつも含めて、皆いいのだ。すごく造詣が深い。だから、最後の数行で涙腺が決壊しそうになってしまう。
     
     なんか、どれをどう書いてもネタバレになりそうなので…。
     でも、今年の「このミス」はこれで決まりです。

     最後に、ある意味キーパソンである人は、姿を現さない。
     この潔さは脱帽ものです。
     
     クールで、でも人生に対する愛おしさに溢れた作品です。

  • 2000年 ロンドン近郊

  • CWA長編推理小説受賞作だという。期待して読んだのだが、私には少々尻切れとんぼな感じ。中心人物が強く賢い女性兵士、という設定が何やら米国風で、せっかくのウォルターズなのに。クック同様、読み終わると深くえぐる何かが残る作家だと思っていたが、今回は残念ながらさして残るものはなかった。

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