ウィンター家の少女 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488195151

作品紹介・あらすじ

ウィンター邸で保釈中の殺人犯が殺された。屋敷にいたのは70歳の老婦人と、小柄な聖書マニアの姪だけ。どちらかが侵入者を殺したのか? 老婦人は58年前、この屋敷で9人の人間が殺された“ウィンター邸の大虐殺”以来行方不明になっていた女性だった。果たして当時12歳だった彼女が事件の犯人だったのか? 今回の事件との関わりは? 迷宮のような事件に、完璧な美貌の天才ハッカー、ニューヨーク市警のマロリーが挑む。

感想・レビュー・書評

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  • マロリーのシリーズ、8作目。
    とある屋敷内で起きた事件と、58年前にそこで起きた怪事件を捜査するマロリー。

    キャシー・マロリーはニューヨーク市警に所属するが、天才ハッカーでかなり自由な立場というか、普通の人の手には負えないユニークなキャラ。
    完璧な美貌だが本人は自覚していないという。
    兄のような存在の相棒ライカーと、署には内緒でやっている仕事のパートナーのチャールズに心配されつつ、突き進んでいきます。

    由緒あるウィンター邸に、保釈中の犯罪者が侵入?
    邸内には、70歳の老婦人と小柄な姪しかいなかった。
    58年前、9人もの犠牲が出た大事件は未解決のまま。
    老婦人は以来行方不明だったネッダで、事件のときは12歳の少女だった‥
    今度の事件とどんな繋がりがあるのか、ないのか。
    誰も解決出来なかった事件に取り組んだマロリーが、ついには一刀両断するのか?
    構築力のあるストーリーと、スタイリッシュな描写で~強引に読ませます(笑)

    チャールズは、姪の方のビッティと顔見知り。
    子供の頃に天才だった者同士なのだ。
    マロリーを崇拝するチャールズは一歩踏み出したらしいが、感情を持たないとまで言われるマロリーに対して、これが危険水域だったかも?という。
    幼いころの悲惨な経験から、ほとんど表情を変えないマロリー。
    けれども、ぜんぜん感情がないってわけではもちろんないので、さてどうなるでしょうね?
    実は優しいと言うほど甘くはないけど、彼女なりの潔さとちょいツンデレがあるんですよ(笑)

  • シリーズ第8弾。
    相変わらずの複雑に絡み合った描写に、これこれ、と嬉しくなる。
    わかりにくいんだよねえ、人物心理も事件の進行も。
    マロリーが主人公である限り、そうならざるをえないのかもしれないが、というか、それが自然に思われ、また十分に引き込まれてしまうので、狙った線なのかどうなのか。

    ここで終わりかと思いきや、そうきたか、というエンディング。
    マロリーなりの正義感の発露にぞくぞくする。
    やや強引な気もしたので、もう一度落ち着いて読み返してみるかな、と思ってる。

  •  マロリーもチャールズも、少しずつ成長していきます。特にチャールズのキャシーへの憧れのような気持が、対等の恋心に変わりました。ああ、でもキャシーを崇拝して、下僕のように振舞うチャールズがよかったのに。

     

  •  マロリーシリーズ。

     邸宅で保釈中の殺人犯が殺された。屋敷には70歳の老婦人とその姪がいるだけだった。屋敷は、58年前に9人の人間が殺された場所で、老婦人は事件後行方不明になっていた当家の娘だった。

     過去の事件が!! って思うのだけど、マロリーなので過去には興味ない。
     相変わらずの割り切りっぷりで、姪と知り合いだったバトラーは不機嫌なのである。
     とはいえ、結局は過去が今に追いついてきた、って感じでそれを無視はできないのだけど。つか、無視できないことに、今度はマロリーがいら立つという。

     なんか、みな、ずっと不機嫌だったねww

     にしても、結局は家族のゆがみによってもたらされた悲劇で、ゆがんでいることがわかっていてもただすことができない、ゆがんで倒れていく様を見ていることしかできない、というのは悲しい。
     ま、それが人間として生きていくということであるといえば、そうなんだけどね。

     相変わらずの面白さのマロリーシリーズでした。

  • 「氷の天使」マロリーは、「ミレニアム」のリスベットと並んで好きなヒロイン。オコンネルのクセのある作風も好み、ではあるんだけど…。うーん、これはどうかなあ。

    ちょっと思わせぶりが過ぎるというか、展開がもどかしくてイライラしてしまった。終盤の迫力はさすがだとは思うが、どうもスッキリしないものが残る。マロリーの「神通力」の描き方もちとオーバーでは?

  • マロリーシリーズ第8かな?
    チャールズは相変わらず残念だけど、オルテガおばちゃんが掃除以上に活躍するのがイイ
    ネッダは残って欲しいキャラだった。。。

  • やたら長い。惰性で読んだけれど読み終えてがっかり。魅力的な老婦人は良いが、女性ヒーロー(ヒロインなんててものではない)にはうんざり。このキャラに魅力を感じないものはこのシリーズの読者としてダメなんだろうなあ。

  • 大邸宅で起こった大量殺人、そして行方不明になってしまった少女。
    残された幼い兄妹。
    長い年月の後に戻ってきた老女。
    そこにからんでくるアイスピックでの連続殺人。

    舞台設定も良いし、
    登場人物がみんな怪しく見えるところや、
    家から連れ出された少女と残された兄妹のそれぞれの誤解の過酷さも心を打つ。

    マロリーを見守るポーカーメンバーも良いんだけど、
    どうしてもマロリーの冷徹なキャラクターが受け入れられないのか、
    面白く感じられない。

    それにしても気になるのは、マロリーとチャールズの今後。
    正確に言えば、チャールズの今後だ。
    彼は変わってしまったのだろうか。

  • 相変わらずの作者独特の皮肉な言い回しが、今回は特に冴えている。58年前の9人の殺人事件時に失踪した少女が生きていた。老女となった彼女が住む屋敷で新たな殺人が起きる。アイスピックによる殺人鬼の仕業なのか、彼女が犯人なのか。その一点だけでも充分面白いのに、例によってエキセントリックな家族だったり、マロリーの極端な捜査手法だったりがより混乱の度を深める。真相はちょっとやり過ぎな気がするなあ。

  • 20年以上前にスタートしたマロリー・シリーズの第8作。しかも、上梓されたのは12年前。

    第1作の『マロリーの神託』ではキャシー・マロリーの天才ハッカーぶりが存分に発揮され、当時としては目新しく、面白い作品だった。しかし、シリーズを重ねる度に少しずつマロリーの魅力が霞んできたように思う。

    富豪のウィンター邸で起きた保釈中の殺人犯の殺害事件。殺害したのは老婦人なのか、少女なのか…

    さらにはウィンター邸で起きた58年前の事件の謎も再燃。この難事件にニューヨーク市警のキャシー・マロリーが挑む。

    アメリカのミステリー小説らしからぬ、イライラする展開とドロドロした描写が続き、途中で投げ出したくなるような作品だった。

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