- Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488235086
感想・レビュー・書評
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「飛蝗の農場」で衝撃のデビューをしたドロンフィールドの2作目。
旧友の死に、同じ下宿に暮らしていた3人の友達が集まる。すると故人の姑から館に招待を受ける。そこで待っていたのは、恐怖だった。
「飛蝗の農場」でも、一体何が面白いのかよくわからないままに引き込まれて、最後はああよかった。やっぱ、このミス1位になるのは違うわね、と思ったんだが、今回もうーーーんと思ってたらあれよあれよと踊らされて、最後は「やっぱりドロンフィールドは面白いわ」って思ってる。
小説家というより、マジシャンですな。
これは、過去と現在、そして聞き伝えの話とか、とっても交錯しているし、主観が変わっていても説明なしにぶんぶん進んでいくので、気を抜いてると振り落とされます。まぁ、その振り回されるのが快感といえば、いえるのでは。
ただ、このオチというか、過程に、笑っちゃう人もいるだろうし、怒る人もいると思う。でもって、その笑ったり怒ったりする人を想像して、ほくそ笑みながら書いてるドロンフィールドが想像できて、また笑っちゃったり怒っちゃったりする。
やっぱり、マジシャンですなww
面白かった。でも、今年の「このミス」ははいってこない、だろうなぁ(苦笑) -
こ・・これは、正気なのか?って感じでした。いろんなピースが組み合わされているので、何度が遡って確認しました。面白かった(^^;)
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目の前に1枚の完成したジグソーパズルがあります。一つのテーマが中心に描かれていて、周りにもいろいろテーマに関係したりしなかったりの画が散りばめられています。一見落ち着きがなさそうなんだけど、ちゃんとみると一枚の絵として完成しているって、そんなのです。
メインのテーマは、まあ、予想通りの展開。ただし、1個のキーになるピースがあまりに異様で面食らっちゃいました。
そうそう、背景もなかなか素敵な絵です。
で、面白いのは、絵が完成した後も、なぜか余っているピースが幾つかあって、これがまた、どうでもいいんだけど小味が効いてて美味しいことです。王女とヒグマの寓話(寓話かしら?)は良いよね。でね、こういう手法の小説だからこそ、巧く埋め込めたけど、普通に書くとそんな余裕がなくなるよね。ということは、余ったピースこそがドロンフィールドが本当に書きたかったもので、実はメインは蛇足だったりするのかしら。読後の勝手な想像ですが。
語り出すとキリがないぐらい面白い小説でした。