殺す風 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488247072

作品紹介・あらすじ

ロンの妻が最後に彼を見たのは、四月のある晩のことだった。前妻の件で諍いをした彼は、友達の待つ別荘へと向かい──それきり、いっさいの消息を絶った。あとに残された友人たちは、浮かれ騒ぎと悲哀をこもごも味わいながら、ロンの行方を探そうとするが……。自然な物語の奥に巧妙きわまりない手際で埋めこまれた心の謎とは何か? 他に類を見ない高みに達した鬼才の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 裕福な男が友達の待つ別荘へ向かう途中に失踪。残された妻や友達が知る驚愕の事実と戸惑い。謎解きミステリではないけど結末に呆然。切なさと滑稽さのバランスが絶妙。セリフも面白くて大好き。1950年代の車など小道具にまで惹かれる。

  • 大体、こんなことだろうと想像した通り。ミラーは2冊目だが、何故こんなに持ち上げられるのか私にはわからない。普通小説としても大して読みたくなるようなものでもないし。

  • 苦手かも

  • 宮部氏の自伝のような「大宮部本」みたいな中で、マーガレット・ミラーを褒めてたんで探し求めて読みました。
    ルース・レンデルを10倍薄めたような読み味でした。
    なんとなく、邦題も似ているかんじで。

    読んでしばらく経っているけど、ちゃんとスジも覚えていられるし、読んでる最中は
    飽きさせず、最後まで楽しく読めたんですが。
    読後感が、なんとも中途半端なかんじで。
    イヤでもないし、カタルシスもないし、不穏感もなく。
    「あらーーー」というオバサン特有の相槌に尽きる、だけ。

    これ、舞台がカナダなんですけど、アメリカへの劣等感というか羨望というか
    そういうのが垣間見えて、興味深かったです。

  • コロナで図書館は閉まり本屋さんにも行き辛い中、本棚からミラー氏を読み捲ろうと手にした。今までのも、どれ一つ同じ趣向のものはなく、再読でも堪能できた。

  • 一人の男の失踪、残された友人たちは彼を探そうとするが。
    文章が実に読みやすく、また美しい。名訳、とはこの事だ。
    結末としては予定調和的で驚きはそこまでではないが、人間の裏の顔が露わになって(良い意味で)古いサスペンス映画を観ている気分になれた。

  • すごい。マーガレット・ミラー!
    突き放したような描写、冷静な筆致、共感しにくい登場人物たち、次々変わる視点…読むのがやめられませんでした。
    そして、予測できなかった結末。ひえー、すごい。

  • いかんせんだいぶ古いタイプのミステリで、白黒の無声映画を見ているような印象。
    セルマが子どもに向かってオレンジの話をするシーンはとても印象的でよかった。子ども時代に辛い思いをした人のその後の人生における自己肯定感の持ちづらさや親の嫌な部分が自分に遺伝してしまうことのべったりと嫌な感じなど、長い年月のさまざまな寂しく暗い部分が凝縮されて、陰影が濃い。
    ラストだけがよかったなー雲や鳥の話など。その手前の大どんでん返しは心からどうでもよかったけど。狂ってしまった男の悲しさや、その男についていく女の寂しさ。探偵役が皮肉屋の大学教授だったのもよかった。凡庸な皮肉よりも現実は苦いのだと、そのコントラストを噛み締めるべき人間は彼以外にはいなかった。

  • 富豪ロンの突然の失踪。彼の妻、友人、浮気相手が織りなす物語。いやほんと騙されたし、面白かった。

  • 20200404

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