嘆きのテディベア事件 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488264048

感想・レビュー・書評

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  • 主人公のブラッドリーは狙撃による負傷で退職した元刑事。夫婦で妻アシュリーの故郷に移り住み、テディベア製作のビジネスを始めることにしたが、“テディベア・フェスティバル”の朝、家の敷地で死体が見つかる。事件の隠蔽をしたい町の権力者側から露骨に脅されながらも、友人や妻の家族の協力を得て、ブラッドリーたちはひそかに捜査を進めるのだった。
    …実のところ、ストーリーよりも印象的だったのは、主人公の愛妻家ぶり。結婚後二十数年経ても、新婚時代のようにラブラブな間柄。おしどり探偵にしても熱々すぎて、ちょっとあてられてしまうのだった。

  • ある日、自宅の庭を流れている川で男が死んでいるのを発見することから始まるお話。
    テディベアが絡んでて、可愛いけど内容はわりとエグい。牧師が窃盗品を売り捌いたり、保安官があらゆる犯罪を見逃す代わりにみかじめ料を取ったりで、救いようがない。
    犯人はわりと最初のほうで指摘されてて、まぁ結局はミスリードなんだけどコロンボ的な、犯人を追い詰める話でも、おいしいクッキーが出てくるコージーでもない。この夫婦は何で収入を得てるかもわからないし、イチャイチャがちょっと気持ち悪い。
    ちょっと好みではありませんでした。残念。

  • テディベア好きだし評判も良かったので読んでみた。
    人の行動や思惑を読むタイプではなく、登場人物同士の会話を読み進める感じ。それが面白くもあり、くどく感じもしたり。
    おしどり夫婦と呼ばれている主人公のブラッドとアシュ、ずーっとイチャイチャしてる。微笑ましいが、やりとりがキツい時もある。ずっとブラッドが喋っている感じで、ちょっとうるさい。
    セルゲイ気になるな。だけどなんかお腹いっぱいな感じがする。独特の言い回しなのか、何かの例えが多く出てくる。注釈あるけど、そのためテンポが悪く感じた。でも雑学増える。

  • 書架で見かけて。

    知っていると思うが自分は猫好きだ。
    まあパンダは認めているが、クマはそれほどでもない。
    とくにクマのぬいぐるみ、テディベアは、
    あまり可愛くないことも多く、眼中にはなかった。

    しかし、このミステリーに登場するテディベアには心惹かれた。
    ヴィクトリア朝風のドレスと、麦わら帽子とワイヤーフレームの眼鏡の
    テディベアを愛らしいと思ったわけではないが、
    自分の作ったテディベアを手放す際に、
    声をかけ涙ぐむその愛情に惹かれたのだと思う。

    殺人の被疑者に撃たれた足のけがのために、
    早すぎる引退を強いられた殺人課の刑事ブラッド。
    かけだしのテディベア作家の妻アシュと共に、妻の故郷に移住してくる。
    ところがが、テディベア・フェスティバルの当日、
    渓谷の中央、美しい自然に囲まれた自宅の前の川に、
    一目で殺人と分かる死体が流れつく。
    だが、
    ブラッドの指摘にもかかわらず、保安官は自殺と言い張る。
    教会のバザーでの盗品の売買、
    高額なテディベアの盗難に密造酒の製造と
    平和な田舎町には何が起こっているのか。

    コージーミステリーの主人公と言えば、
    一人で突っ走ってしまうことが多いが、(それが面白いのだが)
    ブラッドとアシュは良き相棒として「捜査」を進めているところが楽しい。
    とくに、アシュの幼なじみのプール牧師を追い詰めるところとか。
    証拠の一時保管や盗聴器の貸し出しと協力してくれる、
    元ロシアのスパイらしきレストランの主人も、いい味を出している。

  • 元サンフランシスコ市警殺人課刑事のブラッドリー・ライオンは怪我が原因で退職し、妻アシュリーの故郷の田舎町で暮らし始めた。
    駆け出しのテディベア作家である妻がコンクールに出品したフェスティバルの日、出発前に自宅敷地内で死体を発見―ブラッドリーは経験から殺人と判断したが、なぜか保安官は事故と断定。
    フェスティバルでは貴重な“嘆きのテディベア”のオークションが予定されていたが、運搬役が現れず中止に…
    テディベア好き元刑事と愛妻のおしどり探偵、捜査開始!

    謎解きとしてはそんなに複雑じゃないけど(真犯人と面会した時に分かるよね…)登場人物たちが面白かった-
    ラブラブな主人公夫妻はお互い思いやっててほほえましいし、妻アシュリーが意外とファイターで。
    妻の弟が所属する地元南北戦争保存会とか。
    妻の一族と険悪な婆さんは甥の死すら金にしようとする姿は、呆れもするけどいっそ清々しいくらいに強欲。
    元スパイらしいロシア人のレストラン主人は本当に元スパイなのか怪しさ満点。

    しかし理由があれど保安官や聖職者がこんなに悪まみれなんて嫌だな-

    大きめの熊のぬいぐるみをモフモフしたくなります-癒されたい…

  • 怪我が元で刑事を辞めて田舎に引っ越したテディベア好きの夫と、テディベア作家としてデビューした妻が殺人事件に巻き込まれる小説です。
    最初から保安官とその息子、そして妻の幼馴染が怪しい、とわかっているので犯人の推理、というより証拠を探す、という感じです。

  • まれにみる仲良し夫婦が主人公のミステリ。
    元でも現でも警察官でここまで愛妻家は珍しい気がする(笑。
    真逆のローズ・マーダーをふと思い出しましたよ。
    続きで以下2冊出てるのですね~。

    天使のテディベア事件 (創元推理文庫)
    偽りのアンティークベア事件 (創元推理文庫)

  • 事件を捜査する夫婦がお互いを助け合ってて、愛ある対等な雰囲気。理想的だと思う。事件もすごく混みいってなく読み易い。

  • 元サンフランシスコ警察殺人か刑事のブラッドリーとテディベア作家の妻アシュリーシリーズ1作目。
    勤務中に打たれた傷のために警察を辞めたブラッドリーは、妻の故郷に引っ越してきた。そこで行われるテディベアのコンクールに行こうとした矢先に、自宅の前を流れる川で死体を発見する。地元保安官事務所に連絡したブラッドリーだったが、保安官助手からの連絡を受けた保安官は捜査もしないままに事故死として処理してしまう。それを不思議に思ったブラッドリーは保安官助手のティナと共に捜査を開始する。また、同時にオークションされるはずだった数十万ドルはすると思われる「嘆きのテディベア」も行方不明となる。

    (殺人の)真犯人はすぐに判る。ただ、その時点でのページのこり数があまりに多く、何かどんでん返しが・・・?
    こういうスタイルの解決法もありかもね、という作品

  • 3+ 

    表面的にはコージー、構造的にはハードボイルドといった趣で、存外に面白かった。夫婦のいちゃつきっぷりに辟易するかと思いきや、単純に微笑ましく、また羨ましくもあり、ちっとも気にならない。ほぼ勧善懲悪な展開も、良い意味で安心感があり清々しい読了感をもたらす。まあセルゲイのようなある意味なんでもありのキャラクターの登場はちょっと反則かなという気はするが。いずれ続編も読んでみたい。

    以下小ネタ。
    1.“We Will Rock You”は“We Are The Champions”のイントロ扱い?
    2.犬が人間に対してボディスラムすることは可能?

    1について
    冒頭、主人公の脛の傷がズン、ズン、ズンとうずく場面。この2曲、アルバムの先行シングルとして両A面で大ヒット。アメリカではラジオで続けて流されることが多く、一連の曲として解釈されたらしい。アルバムでもベスト盤でもこの順で収録された。もちろん厳密に言えば両者は独立した楽曲であるが、アメリカ人の著者が一連の曲と解釈していても不思議はない。

    2について
    作中、帰宅した主人公に対して飼い犬キッチナーが熱烈なボディスラムで出迎える、とある。主人公の股の下に腕を差し込み、その体をくるりと回して肩まで抱え上げ、床に主人公の背中から強烈に投げつけ、仁王立ちのキッチナー。…シュール過ぎる。“slam”には“投げつける”“打ちつける”的な意味があるが、自動詞でも他動詞でもあるので、犬自身が自らの身体を投げ出し突っ込んで行く場合でも解釈しようと思えば可能なのだろうが、プロレス好きには納得いかないところ。

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