思い出列車が駆けぬけてゆく (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 78
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488405175

作品紹介・あらすじ

「犯人は読者だ」で話題をさらった『仮題・中学殺人事件』から50年、ミステリ作家デビュー以来、本格もの、ユーモアものをはじめ、様々なスタイルの作品を提供し続けてきた辻真先。中でも、鉄道ミステリは、著者自身が長年の鉄道ファンであることも広く知られており、多くの読者に親しまれてきた。シリーズキャラクターである、トラベルライター・瓜生慎ものを筆頭に、自らも鉄道愛好家でもある、ミステリ評論家・戸田和光が選んだ珠玉の12編。すでに廃線となった路線や、企画列車なども登場する、辻ファン、鉄道ミステリファン必携の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集です。

    瓜生慎と真由子のトラベルミステリは
    鉄道と謎解きがいいぐあいに結びついてて
    おもしろかった。

    後半の単発ものは…
    うーん、舞台としての鉄道って印象。

    あ『東京鐵道ホテル24号室』は
    おしゃれなオチで、好みでした(๑>◡<๑)

  • 新婚旅行で伊豆を訪れた、トラベルライターの瓜生慎・真由子夫妻。修善寺発、東京行きのお座敷列車に偶然乗車することになった二人は、車内で大事件に巻き込まれてしまう……(「お座敷列車殺人号」)。他にもブルートレイン、α列車など、いまでは姿を消した懐かしい車輌、路線が登場する、“レジェンド”辻真先の鉄道ミステリから評論家・戸田和光がチョイスした珠玉の12編。



    瓜生夫妻の話は、なんだか2人がお茶目で可愛くて面白かった。もうずっとラブラブでいて欲しいし、2人で支え合っていって欲しい。

    あと「郷愁列車殺人号」も失踪したお父様のお殿様気質が、なんか良かった。子供を放置する親への対応。さすがです。そして、事件もなかなか面白かった。列車に乗ってる人、ある意味全員いい人たちだった。


    結構、「昔はみんな乗ってくれたが、今は利用者もいなくなってしまったので廃線になりました」っていう路線が多く出てきた気がする。私が住むところも地方都市で車社会だから、電車は東京に行くときぐらいしか乗らない。でも、乗るとなんだかワクワクするんだよなぁ。


    今は昔の話だったかもだけど、なんだか面白かったな。


    2023.5.4 読了

  • 今でもヒット作を上梓する息の長いミステリー作家、短編の中から鉄道をテーマとした作品だけを集めた作品。

    全て短編、短い中にどんでん返しをうまく散りばめた名人芸が楽しめる。1980年代の作品も多くそれだけで郷愁を掻き立てられる。

    大垣夜行からムーンライトながら、そして父子の葛藤を描いた「遠い日、遠いレール」が絶品。

  • 鉄道をテーマにしたミステリーの短編集。全体的には面白いけど、やっぱり短編は自分には合わないらしい。。。 どうしても描写が少なくなってしまうので、のめり込む前に終わってしまうんだよねぇ。。。
    「轢かれる」「鉄路が錆びていく」「終電車の囚人」「遠い日、遠いレール」「オホーツク心中」「郷愁列車殺人号」あたりが好みかな。この本の中ではどれもちょっと長め。特に「オホーツク心中」は結構オチに驚かされた。「遠い日、遠いレール」は“親父”が若かりし頃を思い出しつつ、我が子に重ねるあたりが好み。

  • 書かれた時期を、表題部に合わせて載せて欲しかったところ。

  • お座敷列車殺人号/夜行急行殺人号/
    ブルートレイン殺人号/a列車殺人号/郷愁列車殺人号/
    白い闇の駅/オホーツク心中/遠い日、遠いレール/
    終電車の囚人/鉄路が錆びてゆく/
    東京鐵道ホテル24号室/轢かれる

    鉄道好きな人には面白いかもしれない

  • 国鉄がでてきて懐かしい。
    鉄道に関するミステリを集めた短編集。
    辻真先さんのイメージがポテトとキリコとカリオストロの
    ノベライズのイメージしかなかったので、楽しい気楽な話が多いのかなと思ってたけど、心の複雑さというか男女の心のすれ違いというか、なんというか大人向けなのかなと思いました。

  • 氏の過去の鉄道ミステリ集。
    瓜生夫妻もの、懐かしいなぁ。辻作品に触れるきっかけは、赤川次郎氏の三毛猫ホームズに対抗した『迷犬ルパン』シリーズだったのを思い出す。
    収録の作品は、ホラー?と思わせるものもあったりして、テイストが色々で楽しい。
    1作、先日TVで見た星新一氏の作品の結末を連想するものもあり、ちょっとにやり。
    収録作品に登場する路線も全国あちこちだし、今となってはすっかり見かけない「急行列車」も登場して懐かしい。
    新シリーズの発表も続いていることだし、迷犬ルパンシリーズも復刊してくれるのを期待しちゃおう。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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