さよなら妖精 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 6219
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488451035

感想・レビュー・書評

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  • 個々の謎は多少ピリリとしながらも小品。それよりは、物語そのもののが残す印象が重く苦い。

  • 「王とサーカス」→「真実の10メートル手前」→「さよなら妖精」と遡って読むことになった。それぞれに良かった。私は「真実の」が好きだった。「さよなら妖精」は言葉をとても大切にしながら、言葉を楽しんでるところが楽しい。例えば「白目が判別できる」距離、思いもよらない表現だなと思った。マーヤの存在は言語の持つ意味や力を際立たせている。今、ソビエト連邦の亡霊がウクライナをとりこもうとするのは、ソビエト連邦への郷愁なのか。それが戦争の、人を武器であやめることの、理由になるのか。それとも、金、豊かさの不公平が拡大していくロシア共和国は、その崩壊をおそれているのか。ユーゴの崩壊は何だったのか、その文脈で今を見たら何かが変わるだろうか。と思わせる本でした。

  • 主人公がどうしてマーヤが帰った場所を探すために日記をもとに過去を思い出そうとしているのかがぼんやりしていて、話の中に入り込むまでに時間がかかってしまった。
    お墓の紅白饅頭のくだりが米澤さんの作品特有のゾワァ感がしてすごくすき。

  • あまり私の好みではなかった。私にとってはリアルさを感じないキャラクターだった。アニメや漫画のキャラクターにリアルを感じて好きな人には良いと思う。
    ユーゴスラビアについて勉強になった。

  • 難しい!なんでその国?!ってなったけどその国である必要があったんだなあ…太刀洗に同情を禁じ得ない。

  • 面白かったです。終盤にかけて不穏な空気が流れ始め、想像しうる最悪のオチで終わります。古典部が好きな方には雰囲気的に刺さるかと思いますが、まあ真っ暗ですね。本当に。
    誰もこの結末を変えられないのもまた皮肉なモノですよね…

  • 甘く切ない青春日常ミステリ。
    著者の『春季限定いちごタルト事件』より、切ないです。

  • 今この時代にもう一度読み直したかった作品。(2022年12月31日)

    決別するのではなく、ユーゴスラビア人として新しいアイデンティティは持てなかったのか。あまりよく知らない国へ興味をむけてくれた一冊。(2015年12月2日)

  • んー、なんでしょう、とても面白かったです。

  • 思い違いと思い込み。
    気づかなかった想い、気づかないフリをされた想い、理解した時にはもう遅かった想い。
    "間違ったと言ってくれた方が、ずっと楽になるのに"
    青春時代の思い上がった全能感とか、すれ違いとか、そういう苦い記憶が蘇るようだった。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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