- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488471217
作品紹介・あらすじ
NPO法人で自殺対策に取り組む晃佑の元に、元相談者が自殺したという知らせが届いた。遺族曰く、自殺直前の彼はVRにのめり込んでいたらしい。一方、SNSに死をほのめかす投稿を繰り返す浪人生のくるみは、ネット上の自助グループ〈銀色の国〉に誘われる。仮想と現実で、一体何が起きているのか。日本推理作家協会賞受賞作家による傑作ミステリ。
感想・レビュー・書評
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テーマは自殺。
自殺したい人、自殺を止めたい人、人に自殺するように仕向けてしまう人。
自分の居場所がないと死にたくなってしまう。
監禁して洗脳してそこに居場所を作って出ていかないようにする。なんでそうなってしまったのかががわかりやすくかいてある。
死にたい人を救うのは難しいが勉強して事業を立ち上げて立ちむかってる人もいる。時間はかかるが丁寧に人に向き合う姿がすごい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
続きが気になってさーっと読んでしまった。それぞれの視点から展開される物語が好みだった
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目眩く謎や、衝撃の展開がある訳じゃない。でも目が離せなくて、一気に読んだ。「生きたくない」が「死のう」に変わるまでの過程にゾッとした。できるだけ多くを救いたい気持ちも、どうせ何も知らないくせにそんな綺麗事をと吐き捨てたい気持ちも分かる。本当に助けを必要とする人間に手が差し伸べられるラストもよかった。
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死生観が変わる 月が溶ける、銀色のこころ、誰かにとっての正しいは他人にとっては狂ってるかもしれない ああ、幾らかで他人の人生を、価値観を、体験できる。小説のそういう醍醐味を逸木裕はいつもいつもさせてくれるので、ほんとうにだいすき!ミステリー好きじゃないけど!ほんとうにすき!
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恐ろしい話で監禁暴力の話は何度も本を閉じて休憩した。だけど、病みと光を上手く描いているからこそ、最後まで読めた。初めての作家さんだけど、良い作家さんだ!
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面白くて一気に読み切ってしまいました。
中身としてはサスペンス色の強いミステリーです。
そこにさらに主人公を軸とした人間関係などが更なる緊張感を生んでおり、続きが気になってページをめくってしまいます。
作中にある緊張感を生んでいる一つは自殺という重いテーマです。自殺にまで至らなくとも悩みは尽きないというのが現実かと思いますので、自殺を止めたい主人公や、それを取り巻くキャラクターに共感を覚え、目が離せませんでした。