永遠の女王 (フェアリー・コート・シリーズ3) (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488544041

感想・レビュー・書評

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  • 『闇の妖精王』の読了後、感想も書かずに手を出してしまった。
    第1作がホップ、第2作がステップなら、第3作目の本作はジャンプといった印象で、ここからますます面白くなる予感。

    いまだに第1作の主要登場人物であるサマー・クイーンのアッシュリンのこともサマー・キングのキーナンのことも好きになれないけど、アッシュリンの恋人セスに対しては俄然興味が湧いた。いや、もともと俺TUEEEとか無双の要素があって、知性を働かせようとするキャラクターに弱いので、わたしの好みにハマっただけかもしれないが、それは目をキラキラさせてセス様!みたいに叫びたくなる没入ではなく、次にこの子は何をしてくれるんだろうという話の筋への期待感につながっている。
    同じ意味で第2作で焦点が当たったニールにはますます好感がもてた。芯の強いウィンター・クイーンのドニアもいい味を出している。
    本作で初めてまともに登場したハイクィーンのソルチャもまた同様で、シリーズを経るにつれて魅力的なキャラクターが増えるのは喜ばしいことだ。

    第2作は、1度本筋から逸れたようなものだし、アッシュリンの頑なな愚かさで事態が泥沼化することに苛立ちを覚えたけど(彼女がレスリーを守るべきだったのはニールからではなく、レスリーの家族からだと思った)、今回はアッシュリンがいっそう妖精化しているため、これもまたそういう性なのかもしれないと諦めの眼差しで見ることができ、フラストレーションを感じないですむのもよかった。あれほど祖母に心を許していても、彼女が信頼すべき人を信頼できない(少なくとも、話すべき相手と話すべきことを話せない)のは、やはり絶えず妖精に怯え、彼らを疑えと教えられながら生きてきたからなのかもしれない。

    キーナンはますますクソだった(言葉が悪い)。でも、ドニアに最後グサッと言葉で切り捨てられたのはちょっとスッキリした。

    残念なことに、本シリーズの翻訳版はこれでおしまいらしい。英語の続編を入手したけど、日本語より時間がかかるであろうことは結構残念。ただ、誰が何を思ったのかは英語版の方が分かりやすそうな気はする。

  • 『妖精の女王』のその後のお話。夏の妖精の女王となったアッシュリンが相変わらず傲慢な妖精王キーナンと人間の恋人セスとの間で揺れる。アッシュリンにモーションをかけるキーナンの態度に冬の女王ドニアとも不穏な空気が流れ——と関係が複雑化。前半部分はずっとそんな内容で、読んでいてじれったくなる。セスもまた、そんな状態を打破するためにも人間であることをやめて妖精になることを願うようになるけれど、その不在の間にキーナンがつけ込み……
     前作から比べると、キーナンが本当に嫌な奴になっている。さらに、互いの思惑が入り組んでいてハラハラドキドキよりもイライラムカムカが多かった。最初の作品の方が話の筋がちゃんとあって面白かった。文章も感情の入り交じり方が読みにくく、それに拍車をかけていたように思う。次の話で完結するようだけど、続きを読むかどうかは微妙なところ。
     そう言えば最後、セスのペットのブーマーはどうしたんだろう。

  • 2011年11月23日読了。

    シリーズ3作目。
    話が進むにつれ、どの人物の気持ちもわからなくなってきた。唯一理解できてたセスが、意味の分からん方向へ…。
    いや、みんなと同じに不老不死になりたい気持ちはわかる。アシュリンを失いたくない気持ちもわかる。
    その手段を必死で探すのもわかる。
    でもなぁ。

    次はまた出てないけど、ここまで感情移入できる人が減ってくると次読むの辛いかも…

  • どんどん男女関係のどろどろ劇になって行く。そういう話は苦手なので次巻以降どうするか思案中。

  • たしかに、フェアリーを信じてはいけない。でも、愛する人は信じなくてはいけない。

  • このシリーズでは1番面白かった。
    読後最初に考えたのは、ヘタレ男キーナンざまあみろ!!
    同情すべき点があっても好感もてない、4巻に期待かな。
    影のあるいい男ニール、正義の味方セス、実は……なソルチャ、読んで良かった。1・2巻がいまいちでやめちゃおうかと思ったけど今後も続けよっと。

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