10の奇妙な話 (創元推理文庫 F シ 10-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488594039

作品紹介・あらすじ

命を助けた若者に、つらい人生を歩んできたゆえの奇怪な風貌を罵倒され、心が折れてしまった老姉妹。10年にわたり、部屋で安らかに眠り続ける少年。敷地内に薄暗い洞窟を持つ金持ち夫婦に雇われて、“隠者”となった男。“蝶の修理屋”を志し、手術道具を使って博物館の標本の蝶を蘇らせようとする少年。ブッカー賞最終候補の著者が、日常と異常の境界を越えてしまい異様な事態を引き起こした人々を描く、奇妙で愛おしい珠玉の短編集。デイヴィッド・ロバーツの挿画10点掲載、文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • コンテのようなショートストーリーが10篇おさめられているのですが、奇妙奇天烈な物語で映像が浮かんでくると不気味だたり、滑稽だったり、美しかったりと読後はモヤモヤが残るんですが心地よかったりです。

    正気と狂気、日常と非日常の境界線で揺れるファンタジーにSF、サイコホラーな感触がおどろ可笑しく影絵をみてるようなナイトメアーでした。

    ティムバートンのイラストを彷彿させるタッチでアダムスファミリーかって表紙絵がそれぞれの話の主人公たちなんです。

    映像的には「蝶の修理屋」なんですが1000匹の蝶が飛び交うシーンは幻想的なんだけど集合体恐怖症の私は想像しただけで鳥肌たってしまいました。
    「宇宙人にさわらわれた」では集団心理で動かされる子供たちの群れが怖かったり、UFOがエンジン音と共にギアチェンジして角を曲がって去っていくシーンなんか滑稽に映りました。

  • 訳者があとがきでこう書いている。
    「この短編は日常の中に潜む境界線と接した瞬間の人びとが巧みに描かれている。それは、狂気と正気の境界線であったり、日常と非日常の境界線であったり…」
    奇妙な話なんだけど起こり得るかも。
    その時、人はどう行動するのか。
    著者の巧みな文章と想像力に引き込まれる。

  • 祝文庫化

    ミック・ジャクソン『10の奇妙な話』(執筆者・田内志文) | 翻訳ミステリー大賞シンジケート
    http://honyakumystery.jp/1454971377

    Mick jackson
    http://www.mickjackson.com/

    DAVID ROBERTS ILLUSTRATION - Home
    http://davidrobertsillustration.com/index.html

    10の奇妙な話 - ミック・ジャクソン/田内志文 訳|東京創元社
    http://www.tsogen.co.jp/sp/isbn/9784488594039

  • 「ピアース姉妹」「眠れる少年」「地下をゆく船」「蝶の修理屋」「隠者求む」「宇宙人にさらわれた」「骨集めの娘」「もはや跡形もなく」「川を渡る」「ボタン泥棒」の10作収録。

    奇妙で風変わりな作品たち。「宇宙人にさらわれた」が断トツに面白かった。「もはや跡形もなく」もよかったな。

    「ピアース姉妹」
    貧しく報われない老姉妹のピュアな狂気。

    「眠れる少年」
    長年眠り続けた後に目覚めた少年の孤独。"三年寝太郎" を思い出した。

    「地下をゆく船」
    ボート作り、そして地下室の穴堀りに専念する老後。

    「蝶の修理屋」
    標本にされた美しい蝶を生き返らせようとする少年。

    「隠者求む」
    大金持ち夫婦が余興に雇った隠者が禍をもたらす。

    「宇宙人にさらわれた」
    子供の他愛ない空想が大騒動に。群集心理!

    「骨集めの娘」
    遺骨収集に勤しむ少女の祖父との別れ。

    「もはや跡形もなく」
    母親と喧嘩し家を飛び出した少年が森で野生児へと成長する。

    「川を渡る」
    道を間違えた霊柩車。川向こうの教会へ柩を運ぶため渡し船を使うが。コメディ。

    「ボタン泥棒」
    意地悪な老馬にお気に入りのコートのボタンを食べられてしまった少女。コメディ。

  • 狂気と正気の境界線、越えてしまったり、戻ってきたり。
    寒々として冷んやりしていて灰色な、雨降りの冬のイギリス様な世にも奇妙な物語。
    挿絵がいい!

  • 「こうしてイギリスから熊がいなくなりました」繋がりで、また同じく挿絵のデイヴィッド・ロバーツに惹かれて。

    ・ピアース姉妹
    ・ボタン泥棒
    ・宇宙人にさらわれた

    がお気に入り。
    どれもブラックユーモア的で、挿絵が今にも飛び出し動き出しそうな物語たち。

  • 短編という形式にピッタリの話が10編。訳者あとがきにあるように、日常と非日常・正気と狂気な境界線、そのギリギリのところにいる人々の話だ。切なく愛おしい人たちの物語に、珍しくも心が動いた。

  • 確かに奇妙な話だった。
    うわ〜みたいなのとか、なんやこれ?みたいなのとか。
    物語それぞれに独特の雰囲気があった。

  • これぞ洋書。スピーディな展開でよし。
    ゾゾッとする話や、ほっこりする話がある☺️
    表紙怖とおもったけど、読み進むとなんか可愛く思えてくる。

  • ミック・ジャクソンの短編おもしろい。さらにほかの話はないのかと探したけれども出版されていない。残念。奇妙なことが起きてそのまま少し狂ったまま進んで行くのが惹き込まれて行く。そしてすっと終わる。オチがあるのではなくすっと閉じるところも良い。

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